杜王町編・第14話 逃亡
名前変換
この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
〈・・・・私、どうしたんだろう・・〉
里美はひんやりした空気に目を覚ます。
体に痛みが奔るが自身で動くことができない。
「・・・・・」
視線を動かすと隣りには承太郎がいる。
外にいるということは康一が上手く逃がしてくれたようだ。
承太郎の左半身は自分が壁になったことで負傷はしなかったようだが右半身は体格上庇いきれなかったようだ。
アイス・フェアリーをうっすらとだが発現させ、脈を取る。
トク・・トク・・・
小さいが鼓動が聞こえる。
〈よかった・・・生きてる・・・〉
シアーハートアタックが爆発した時、予想以上の爆発の衝撃で『もしかしたら承太郎を庇いきれない、最悪自分が死ぬかも』と思ったくらいだ。
〈悪運がいいな・・・私も・・〉
苦笑しながらも回復をし始める。
康一はどうなったかゆっくり視線を周囲に向けるとシアーハートアタックと闘っている。
エコーズの姿が変わっているので、おそらく成長したのだろう。
スタンドを得てからそんなに長い時間が経っていないのにまた成長を続けるとは、いやはや恐ろしい子だ。
しかし、そう思ったのもつかの間だった。
あの男が・・・やってきたのだ。
吉良吉影―――
左手から血が流れている、康一が与えたダメージだろうか?
「くらわせろ!『エコーズ・ACT3』!!」
「『キラー・クイーン』」
吉良は康一の攻撃を別のスタンドで受け流し、逆に殴りつけた。
康一は吹っ飛んでコンクリートを転げ回る。
〈何・・・?あの男は・・〉
疑問に思ったのは康一も同じようだ。
「どういうことだ・・・、何でこいつスタンドが『2体』もいるんだ!?スタンドは『1人1体』のはずだぞッ!」
そう、スタンド使いのルールとして『スタンドは1人1体』だ、重清のように『1集合体』という数え方もできるが・・・。
「『シアーハートアタック』は『キラー・クイン』の左手から発射した追撃爆弾だ・・・だからダメージは私の『左手』だけにある」
つまり『本体から分裂』したものだからこの爆弾もスタンドの一部というわけだ、そのため2体いても『1体』なのだ。
エコーズがキラー・クインに踏みつけられる。
「初めてだよ、ここまで追いつめられたのは・・・警察だろうと誰だろうとね・・・。
なんかちょっとした『敗北感』を感じたよ、全く敬意を表するよ、大した奴だ、君は・・・。
ところでポケットティッシュ持ってるかね?ハンカチでもいいが?」
康一は『何言ってるんだ?こいつ』という顔をしていると吉良がもう一度聞いてきた。
「私は君に敬意を表したんだ、会話ぐらいしてくれてもいいだろう?
ハンカチかティッシュ、持っているかね?」
その問いに『否』と答える康一。
「そうか、持っていないか・・・なら、私のを使いたまえ」
吉良はポケットティッシュを投げ寄こす。
「?」
康一は『?』と思ったがすぐにその考えは消し飛んだ、キラー・クインによって殴られたからだ。
「必要だろう?これから『鼻血がいっぱい出る』のだから・・・それを拭くために。
これから君を嬲り殺すからな、君の友人が来るまであと1分ちょっと・・・じゃなきゃ公衆の面前で赤っ恥こきっ恥をかかされたこの気分がおさまらないんでね」
その後、吉良は康一の手を踏みつけ、口に靴先を押し込む、前髪を引っ張り上げるなど手荒い真似を続ける。
さらには前髪を掴んだままコンクリートに顔を強打させる。
〈康一・・・くん・・・〉
もうすぐだ、もうすぐ承太郎も自分も動かせるようになる・・・それまでどうか保ってほしい。
「おまえの・・・名前は・・・『吉良吉影』、だ」
「!!」
「『吉良吉影』・・・それがお前の本名、だ・・・」
吉良は名前を言われたことに康一の髪から手を放した、その時、康一の手から免許証が落ちる。
「これは・・・私の免許証!
いつの間に私の財布から抜き取ったんだ・・・このちっぽけなクソガキがッ!」
「さっき・・・カフェで弁償したって言っただろ?
その時に、チョイと身分証が入っているとひらめいたんだよ・・・」
「だからなんだのだ?私の名前が分かったからどうだというのだ?お前はこれから消されるのだ」
「ああ、そうだ。僕はこれから消される・・・でもね、こんな僕でさえあんたの名前が分かったんだ・・・今は逃げられるかもしれないけ・・・でもどう思う?
こんなちっぽけなクソガキに簡単に名前がバレてしまったんだぜ・・・。
もう1回言うぞ、ちっぽけなクソガキに・・・バレたんだ」
吉良の目の下が引きつく。
「お前はバカ丸出しだッ!あの世でお前が来るのを楽しみに待っててやるぞッ!」
「野郎ォ―――ッ!!」
康一の叫びにとうとう吉良はスタンドで彼の鳩尾を貫いた。