杜王町編・第12話 シンデレラ~辻彩~
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「そう言われてもね・・・この子の手相はもう無いのよ」
「何ですって・・・?」
彩の言葉に驚愕する由花子。
「飛んでいったのよ・・・どうしようもないわ・・・、この世から『消滅』したのよ。
無くなった部品はどうしようもないわ・・・」
「顔が・・・もうないですって・・・?」
力なくへたり込む由花子。
「あの~・・・」
「「!」」
そこへ康一が現れた。
「康一くん!?何故、ここに?」
「あ、里美さん!由花子さんがここに入るのが見えて・・・隣りにいる彼女です!さっき『違う』って言われたけどやっぱりそうは思えなくて・・・あなた、由花子さんでしょ?」
「いいえ・・・私、そんな人ではないわ。
彩先生、ここは男の人は入っちゃいけないんでしょ・・・早く追い出して」
由花子は尚も否定している。
「いいや、その性格なんだなぁ~~、そのものすごくタフな性格、間違いなく由花子さんだよ!」
「!」
「・・・・」
「その性格・・・なんかすきになっちゃったんだよなぁ~」
なんの躊躇もなく言ってのける康一。
「やれやれだな~・・・由花子ちゃん、これはもう誤魔化せないよ」
「里美さんっ・・・」
「ここまで躊躇いもなく言い切られちゃあね・・・康一くん、実はこの辻彩先生はスタンド使いでね、由花子ちゃんはちょーっと窮地に立たされてるんだ」
「この女医さんが!?由花子さんは何をされたんですか!?」
「顔や手や指のパーツを奪われたんだよ、それを取り戻したくてここに来たんだけど断られたんだ」
「何だって・・・!」
〈もうお終いだわ・・・この姿を康一くんから隠すことができなかった。
もう、生きていけない・・・・〉
由花子のスタンドのラブ・デラックスが揺らめく。
「殺してやるッ・・・殺してやるわ!辻彩あぁぁぁ――――――ッ!!」
「待って・・・やけにならないで、由花子さん」
すると彩はシンデレラから顔のパーツを部屋中にばらまく。
「この子が康一くんなのね・・・フ~~~、なんて子なの、顔の違うあなたを『山岸由花子』だと見破るなんて・・・本人も否定していたのに」
彩は面白そうに康一を見る。
「里美さん、あなたの言うように『窮地に立たされた哀れな人を手助けする』のも魔法使いの役目よね。
由花子さん、あなたの『顔』はもうこの世には無いけれど・・・その男の子に免じてもう一度チャンスをあげるわ。
この中から『顔』を1つだけ選択しなさい。
あなたの本当の『顔』はこの世から消え去った・・・でも私のスタンドは今まで『エステ』してあげた人の顔を全て記憶しているわ。
この『顔の群れ』はその『イメージ』で作ったものよ、この中から1つ、『自分の顔』を選びなさい。
『自分の顔』を選ぶことができたらあなたの『顔』を元に戻すことが可能となる」
数多のパーツを見てピンときた里美。
「クライマックスの『ガラスの靴』ね」
「ええ、シンデレラのお話の『ガラスの靴』のようにピッタリ合うものを選びなさい。
もし、他の人の『顔』を選んでしまったらその顔は決して由花子さんには馴染まない。
どんな顔になるかわからないし、この辻彩の『美の基準』というならば『醜い』という顔になると予告しておくわ。そして一生その『顔』の運勢に従ってもらうわ」
「!?」
由花子は自分の周囲を取り巻く『顔』を見る。
「そ、そんなの簡単よ!自分の顔よ!いつも鏡で見ているんだからすぐに見つけ出せるわ!」
「き、気を付けて由花子さんっ・・・鏡の顔って左右逆さまだから・・・」
「え、ええ・・・」
注意深く顔のパーツを見る由花子。
〈フフフ・・・簡単ね、でもね・・・正解は『全部違う』のよ。その中にあなたの顔はないわ。
『全部違う』と見抜いた時にだけ治してあげるわ・・・これなら魔法使いのルールには反しなくってよ、里美さん〉
里美を見ながら微笑む彩。
「どうしよう・・・迷い出すと『こっちかも』と思えてしまうわ・・・」
由花子は迷いながらも1つのパーツに手を伸ばす。
「これよ!これだわッ!間違いないッ!自分の顔だからハッキリわかるわッ!」
「それでいいのね?はめ込んでみればわかるわ」
「・・・・・っ」
パーツをはめ込もうとしたが手が震える。
「ハア、ハア・・・ハア、ハア・・・いいえ
、やっぱり違うわ。私の目、もう少しつり上がっていた気がするもの・・・・」
迷いが大きくなる。
「ど、どれなの・・・?やっぱり、どれだか自信が無いわ・・・」
頭を抱えてしまう由花子。
「・・・・・」
「どうしたの?悩んでばかりいたら顔は戻らないわよ、早く選びなさい」
そんなに時間は立っていないが動きを見せない由花子をせっつく彩。