杜王町編・第12話 シンデレラ~辻彩~
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
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「フゥ~~・・・そうよ、里美さんの言う通りよ。
由花子さん、童話に出てくるシンデレラは嫌がらせを受けても『清い心』を持ち続けていたからこそ素敵な愛に出逢うことができた。
つまり『心がけを怠らなかった』からこそなのよ、何かを叶えるには『時間』と『力』、そして何より『心がけ』が必要なのよ。
里美さんがこんなに『愛される人相』をしているのもそのため・・・・由花子さん、あなたにそれができるかしら?」
「『心がけ』・・・何のこと?」
「運勢を完璧に変えるためには『人相』を変えるだけじゃあダメなのよ。
私はね・・・『シンデレラ』のお話に出てくる魔法使いに憧れてエステティシャンになったの、あの魔法使いのように『人に幸せを与えていきたい』の!
由花子さん、あなたは美人だしとても好きよ?だから・・・顔だけじゃなくて『いろんな』ところをエステしなくっちゃあね」
彩は由花子の顔から体をなぞる。
「『全身』ってこと?」
「ええ、そうよ。由花子さんの運勢を完璧にするには全身をエステして『永遠に恋を捉える状態』にする必要があるの。
そして私が話した『心がけ』はコレよ」
そう言って彩は口紅を取り出した。
「この口紅を『30分』ごとに唇に塗るの、エステした身体を保つための心がけ・・・簡単でしょ?でも、それを破ったら運勢は離れていってしまう・・・そう、『シンデレラにかけた魔法が12時に解けてしまう』ようにね。
これが守れるならば、あなたは永遠に『愛を捉える』身体でいることができますわ。
料金は24時間で72000円です、いかがかしら?」
「いいわ、やってもらうわ」
「・・・・・ふぅ~、これは諦めがつかないようね。彩さん、その料金は私が払うわ」
「あなたが?」
「里美さんっ・・・!」
里美は財布からクレジットカードを取り出した。
「ただし、約束して由花子ちゃん。
これからは、自分を優先して突っ走ることはしないで。
カッと頭に血が上りそうになったら、深呼吸して自分を追いつめている感情を一度流して冷静になってから行動することをここで約束してほしい。
今回だって『康一くんとお茶が出来た!とても幸せ!またあのエステに行ってメイクをしてもらおう!その時に長く時間を保つにはどうすればいいのか聞こう!』という手段も取れたはずよ。
でも感情に任せてしまったがためにあなたは、早急な手を打つことになった」
「つっ・・・」
「それを改めないのなら私はこのままカードを仕舞って、ここから立ち去るよ。
君と康一くんの恋の行く末にアドバイスをすることもない、責任も持たない」
「・・・・・」
「どうする?」
先程の物腰柔らかい口調とは違う里美に由花子は少し怖くなった、確かに彼女の言う事は最もだ、自分は康一の気持ちを考えなかったために距離を置かれることになってしまったのだ。
でも、彼女のアドバイスでこのエステを知ることができ、運勢を短い時間だが劇的に変えることができたのだ。
これを逃しては、自分はもう・・・。
「わかったわ、里美さん・・・約束する」
「ありがとう、じゃあ、まず深呼吸しようか?」
「へ?」
「今、また興奮してきてるでしょう?」
「あ・・・」
言われてみればと『ハッ』とした。
「体の力を抜いて・・・はい、吸って・・・」
鼻から息を吸う。
「吐いて・・・」
身体の奥から息を吐く。
「落ち着いた?」
「・・・ええ」
「よかった、それじゃあ、彩さん、始めてください」
「フフフ・・・」
――――――――――――――――
彩は由花子に施術室の一角にあるカーテンで仕切られた部屋で服や下着も脱いで、タオルを巻いて出てくるように指示した。
「では、先ほどと同じように控室で・・・」
「いいえ、あなたのエステに興味が湧いたので今回は見学させてもらう。
こんなに優勝した成績をお持ちのエステティシャンの技術、ぜひ拝見したいな」
彩のデスクに座る里美、どうやら動く気はないらしい。
「ンフ・・・いいわ、お好きになさって」
「ありがとう」
「準備できたわ」
そこへタオルを身体に巻いた由花子がやってきた。
「では、台に仰向けに寝そべって・・・そしてらさっきと同じように目を閉じてちょうだい」
由花子は言われた通りに仰向けに施術台に寝そべり、目を閉じた。