杜王町編・第12話 シンデレラ~辻彩~
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「で?何頼む?可愛いカップルさんからどうぞ~?」
「か、カップルだなんて・・・///」
照れながらもメニューを受け取る康一。
「僕は、そうだな~・・・いちごパフェにしようかな!
って・・・男のくせに、ちょっと女の子っぽくて可愛すぎるかな・・・?///」
「そんなことないよ、ねえ?由花子ちゃん?」
「へっ・・・?え、ええっ!!もちろん!!ちょうど私も食べたいと思っていたの!!」
「なら、いちごパフェ2つとコーヒーね。すみませーん、オーダーお願いしま~す!」
里美が注文している間も由花子は今が夢ではないかという思いとメイクのおかげで自分に確実に運気が向いて来ているという喜びが込み上げている。
パフェやコーヒーが届いて談笑している時もどんどん気持ちが大きくなるし、里美がさりげなく2人が中心に会話できるようにしてくれているので、もう里美に抱き着いて、歓喜の声を上げたい衝動をなんとか耐えている。
しかし・・・。
「あれ16時か・・・もうこんな時間なのか」
客の1人が時間を確認した時だった。
「つっ!」
急に康一の顔色が悪くなった。
「どうしたの?康一くん?」
「あ、あれ・・・うわああっ!なんか急にお腹が~~~っ!!痛くなってきた!!
ごめんさないっ!里美さん!由花子さん!」
鞄を引っ掴んでお腹を抱えて帰っていく康一。
「ど、どうしたっていうの・・・?」
「さあ・・・つっ!」
里美は時計を見た。
「タイムリミットだわ」
「え?」
「『30分しか保てない』ってあのエステティシャンが言っていたでしょ?
康一くんが腹痛を訴えたのが辻彩の言っていた『30分』が終了したときだった」
「そんなっ・・・・・つっ~~~~!!
どうしてっ・・・・どうして『30分』しか保たないのよおォォ~~~~ッ!!」
――――――――――――――――
康一と別れた後、里美を引きずって『エステ・シンデレラ』へ向かっていく由花子。
「ゆ、由花子ちゃんッ!ちょっと落ち着いて!!」
「嫌よッ!あれくらいの時間じゃ全然ッ足らないわ!!
ようやく・・・ようやく康一くんと話して、触れ合えたっていうのにッ!!あんな短い時間しか保たないなんて許さないわッ!!」
さっきまでとは違い荒々しい一面に豹変してしまった由花子。
『これが康一くんが怖がっていた彼女の一面か~・・・』と感じた里美、聞くのと実際に見るのとでは大違いである。
今の彼女は本当に『女性なのか?』と思う程、力が強い。由花子より身長の高い里美が引きずられているのだから。
由花子はズンズンと進んで行き、『エステ・シンデレラ』に入ると施術室の扉を思いきり開けた。
「どうして『30分』ぽっちなのよッ!もっと長くしてちょうだいッ!」
「『愛と出逢えた』んでしょ?」
開口一番に文句を言って来た由花子に彩は冷静に言い返してきた。
「それで満足なさい、そして明日また来なさい、他のお客様はみんなそうしているわ」
到って冷静だ、おそらくこんなことは慣れているのだろう。
低血圧な人はキンキン甲高い声を嫌うはずだが、彩は不愉快そうに眉も寄せずに話している。
「ダメよッ!30分ぽっちで康一くんと別れる運勢なんて私は耐えられないわッ!」
パシンッ!!
「!」
「由花子ちゃん、少し落ち着きなさい」
彩に迫っていく由花子を引っ叩いた里美。
「『そういうところ』を自制する必要があると言ってるの、『一度にすべてが手に入れられるなんて甘い考え』は捨てなさい、物事を為すには時間が必要なの。
あなたが康一くんのことをここまで好きになったことも日々の積み重ねでしょ?
『自分の我を通せば何とかなる、思い通りになる』なんてのは、ただの我が儘。嫌われて当然、遅かれ早かれ良くて遠のくか、もしくは絶望に突き落とされるかの結果になる」
「里美さん・・・」
叩かれて少し勢いが削がれたのか大人しくなる由花子。