杜王町編・第12話 シンデレラ~辻彩~
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「え・・・?」
「あっ・・・ご、ごめんなさいっ!私、恋をするの康一くんが初めてでっ!でもあんなことをしてしまったから彼とどう向き合っていいのかわからなくて・・・それでっ・・・」
由花子はまた表情が暗くなる。
「そっか、康一くんが初恋なんだ」
「はい・・・」
「私も夫が初恋だよ」
「え?そうなんですか・・・?」
「うん、初恋っていろいろあるよね?私も経験あるわ・・・君の場合は、康一くんのことになると周りが見えなくなってしまうから少し落ち着く事を体に教え込んだ方が良いのかもしれないね」
「落ち着く事?」
「嫌なことを思い出させることになっちゃうけど、君が康一くんを岬の別荘地に閉じ込めたのは『誰かに康一くんを取られてしまう』って思ったからだよね?」
「ええ・・・」
「『好きになってもらわないと康一くんは自分のことなんて一生視界にいれてくれない』というような気持ちが沸き上がって奇行に出ちゃったのかもね。
ということは、『自分自身に自信がない』という自分に気付いてないのかもしれない」
「『私自身』に?」
「そう、康一くんのために勉強を教えることも料理も洗濯も掃除もしてあげられる、でもその一方で自分自身が本当に康一くんに好意を持ってもらえるのか不安に感じる・・・ってことない?」
「!」
「思うところはあるのかな?」
「・・・・はい」
「そっか・・・」
「私自身に自信が持てるところって・・・あるのかしら?」
「ブッ!」
ボソリと言ったので噴いてしまった里美。
「だ、大丈夫ですか?!」
「え、ええ・・・大丈夫・・・それにしても『自分自身の自信』が思いつかないなんてやっぱり見えてないもんね。
由花子ちゃん、女の私から見ても十分魅力あるよ?美人だし、家事全般できる子ってそうそういないと思うよ?」
「そ、そうでしょうか・・・?」
「そう!私だって仕事行きながら家事育児するのは大変だってよくわかるもの!
スタンドの『ラブ・デラックス』だって美しさを大事にしている女性らしさの表れだと思う!」
「確かに私、康一くんに『綺麗』だって思ってもらいたくてケアもメイクも頑張ってるけど・・・」
「そうでしょ?それでも自信ない?」
「・・・・はい、私の顔を康一くんはもう嫌いになってしまったかもしれないし・・・」
再び落ち込む由花子。
「ふむ、よし!」
「?」
里美が立ちあがったので不思議に思う由花子。
「じゃあ専門家にアドバイスを貰いにいきましょう?」
「アドバイス?」
「ここに来る途中に気になるお店を見つけたの」
――――――――――――――――
里美の案内で訪れた店に来た由花子。
「『シンデレラ』?」
看板には『愛と出逢うメイクいたします』と書いてあった。
「ここは?」
「エステサロンみたい、『美』のことは『美』の専門家に聞いた方がいいんじゃない?」
すると店内から1人の女性が出てきた。
「ううう・・・ううう、ああっ!」
「「!?」」
女性は泣いている。
「ああああ~~~ッ!なんて幸せッ!なんて幸せなのッ!こんな嬉しい事って初めて!あんな素敵な彼が私にプロポーズしてくれるなんてッ!ありがとう、先生!本当にありがとうッ!」
歓喜の声をあげて女性は帰っていった。
「『暗い美人より明るいブスの方がマシ』ってことね~~、女の青春は・・・」
「「!」」
そしておそらく女性の言った『先生』がドアにもたれかかってこちらを見ていた。
「お入りなさい、『愛と出逢うメイクいたします』・・・・その看板は真実よ、興味がお持ちならば・・・」
『先生』は2人をサロンの中に誘う。
「私の名は辻彩・・・ここの経営者でエステティシャン。低血圧っぽい話し方をするけど気にしないでね~~、これでも仕事には意欲的なのよ・・・」
やる気のなさそうな話し方をする『先生』こと辻彩。
「壁にかかっているには各国のエステティシャンコンクールで優勝した時のものよ。
パリ、ロンドン、ニューヨーク、ロス、ミラノ・・・別に自慢ではなく信用のために置いているの、証明としてね~~~」
「確かに口では何とでも言えるから『証明書』を視界に入れることが出来るとお客様は安心するわね」
「ええ、そうよ~~、わかってもらえて嬉しいわ」
そう言うと彩は2人の顔をじーっと見つめる。
「驚いたわ・・・あなたたちとーっても美人ね、こんな美人が杜王町にいたなんてね~~・・・」
「私は仕事で杜王町に来たの、今日のメインは彼女」
里美が由花子を見る。
「そうなの・・・じゃあここにおかけになって~~」
「私まだやるって決めた訳じゃあないんですけど」
彩の話し方に少しイラっとしたのかツンとした言い方になる由花子。
「そーよねェ~~~、まだ説明してないものね、『愛と出逢うメイク』のこと・・・はい、これが料金表よ」
彩が料金の一覧表を見せてくる。
しかしそこには通常のエステで行う項目はなく『愛と出逢うメイク』や『愛を捉えるメイク』など不思議なことが書かれている。