杜王町編・第12話 シンデレラ~辻彩~
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「はあ・・・」
山岸由花子は落ち込んでいた、康一の想いを断ち切れずにいるからだ。
何をすれば『康一の幸せ』に繋がるのかわからないからだ。
「康一くん・・・、康一くんのことを考えることが許されるだけで、康一くんのことを想うことが許されるだけでいいと思ってた。でも・・・私・・・・」
以前、ラブ・デラックスで康一にしたことを思い出すと負い目を感じるからだ。
「はあ・・・」
「何ため息ついてるの?」
「え?」
後ろを振り向くと高身長の女性が立っていた。
女性は微笑みを浮かべている、とても綺麗だ。滲み出るオーラはとても優しそうだ。
「あ、あの・・・」
「ああ、ごめんなさい。女の子が道路脇で大きなため息をついているから、ちょっと気になっちゃって」
「あっ・・・・////」
ため息を聞かれていたことに少し動揺する由花子。
「どうしたの?何か悩み事?」
「い、いいえ・・・あなたには関係ないわ、大丈夫だから関わらないで」
「そう?『大丈夫』には見えないから・・・自分だけで考えないで話した方が解決することもあるのよ?」
「・・・・・」
「これから時間があるなら少し付き合わない?」
この女性の言う通り、自分は答えを出せない。もしかしたら話せばこの気持ちを変えられるかもしれない。
「わかったわ・・・」
「よし、じゃあまずは自己紹介からね?私は空条里美、よろしくね」
「山岸由花子よ・・・」
「山岸・・・由花子・・・?
君、もしかして仗助くんと康一くんと同じぶどうヶ丘高校の『山岸由花子』ちゃん?」
「え?あなた・・・私を知ってるの?」
里美が自分のことを知ってることに驚く由花子。
「やっぱりそっか!君のことは康一くんから聞いてるよ」
「康一くん・・・?」
「ええ、彼には私の仕事で協力してもらっているの」
「あなたっ・・・康一くんとはどういう関係なの・・・!」
由花子の髪が揺らめく。
「それが君のスタンドなのね」
「何ですって?」
「康一くんとはお友達で彼にはさっきも言ったように『仕事の協力』をしてもらっているの、私と夫の仕事をね?」
「え?夫?」
「そう、私は既婚者よ」
『既婚者』と『お友達』という言葉に少し落ち着く由花子。
――――――――――――――――
ガコン・・・
「はい」
「あ、ありがとうございます・・・」
由花子が落ち着いた後、公園に立ち寄った2人。
里美がミルクティーを自動販売機で買い、由花子に手渡す。
「あそこにベンチがあるからかけようか」
近くのベンチに座り、カフェオレの缶の蓋を開ける里美。
「あの・・・」
「ん?」
隣りに座る由花子がおずおずと話しかけてくる。
「さっきはごめんなさい・・・私・・・」
「ああ、スタンドのこと?
いいよ、別に・・・君はまだコントロールがわからないんだろうから」
「コントロール?」
「うん、君のその髪、スタンドパワーが宿ってるんでしょ?
康一くんから少し聞いてるの、スタンドっていうのは『精神力が具現化』したもの、とても女の子らしいスタンドだと思うよ。ただ、使い処を誤ると危険だけどね?」
カフェオレを飲みながら笑いかける里美。
「スタンドのこと・・・どうしてあなたは知っているの?」
「私も同じだから」
「え?」
「私もスタンド使いなの」
そう言ってアイス・フェアリーを出現させる。
「あ・・・」
アイス・フェアリーを見た由花子の第一印象は『冷たいけど暖かい』だった。
全く逆の言葉だが、冷たそうなデザインの中に優しさが感じられる。里美に似ているのだ。
「それで?何に悩んでいたの?」
「・・・・」
由花子は顔を伏せる。
「康一くんのこと?」
「はい・・・彼のことを想うだけで幸せと思っていたけど、でもそれだけじゃやっぱり嫌で・・・少しでもいいから振り向いてほしい」
ミルクティーの缶を握る手に力が入る。
「だけど・・・何をすればいいのかわからない、彼をまた傷つけてしまうんじゃあないかって・・・」
「なるほど、恋の悩みね」
女子高生らしい悩みであると心の中で『青春だな』とか思っている。
「里美さん、恋で悩んだことってありますか・・・?」
唐突に聞いてくる由花子。