「ビジネス？」

「そう、『ビジネス』だ！５人で力を合わせる『ビジネス』だ！

落ちている小銭の数は限界があると思うのよ、それより重ちーの『収穫（ハーヴェスト）』を使ってもっと稼げる『アイデア』があるんだ！」

「小銭を拾ってくるよりももっと稼げるのかァ～？」

「もちろんよォ～～～、同じように悪い事じゃあねーし、誰も困らないことだ」

「ちょ、ちょちょちょ！！ちょっと待ってくださいッ！！仗助さん！」

「何で私たちも数に入れてるの！！」

「あ？いいじゃあねーか、誰も困らないんだぜ？」


仗助の言葉に脱力する静亜とハトホル。

「それで、その『アイデア』ってなんなの～～？」

「その前にだ！これは『ビジネス』だ！
アイデア料として『稼いだ金額の半分を俺たちに支払う、あとの半分を重ちーが受け取る』、これを約束してくれ！これぞ『ビジネス』だ！！

『みんなが幸せになる』一大プロジェクトにするんだよ！どうだ？」

「う・・うんッ！それはいいけど・・・お、おら・・・何をすればいいのかな・・・？」

「『コレ』だよ、『コレ』」

仗助は財布から『あるもの』を取り出した。

「『ブルースタンプ』、杜王町駅前にもある東日本最大のチェーンデパートの１つ『カメユー』で買い物をすると１００円につき１枚くれるシールだ」

仗助は他にも文房具屋メーワ堂の２０円の補助券、CDショップオスカーのサービス券、クリーニング屋やオモチャ屋の商品券などいろいろポイントカードやサービス券を出す。

「例えば、この『カメユー』なんかは『キャッシュバック』つって現金でもらってもいいのよ・・・おめーら全部集めてる？
こーゆーのを捨ててるやつって結構多いと思うんだよ！」


億康にも仗助の考えている『アイデア』というのが分かったようだ。
１枚や２枚では紙屑同然の引換券やカードも何千何万枚ともなれば・・・・現金化すれば大金になるのだ。


仗助の予想通り、ハーヴェストが集めてきた券やカードは数万枚は集まった。

「やったぜェ―――ッ！！」

「おれたちゃ無敵の『トリオ』だぜ―――ッ！！」

「うししし・・・また褒められたぁ～～」







「仗助さんのこと見直してたんだけど、ちょっと評価下がったかも」

「私も・・・」


さっきまでプライドが云々言っていた男が今はこの調子である、しかしジョセフの血が入っているので、どうも強く怒れない。

「おい、２人とも何してんだ？現金化しにいくぜ！！」

３人はルンルンで歩いていく、静亜たちはため息をついて後をついて行った。


――――――――――――

場所は変わり、カメユーデパート前。
集めた券の現金化をする役目は仗助が担い、他は外で待っていた。

「お・・億康さん・・・じょ、仗助さん・・・大丈夫かな～～？」

「落ち着け、重ちー・・・仗助を信じるんだ」

「死にゲーでもないんだから、そんな不安にならなくてもいいんじゃあないんですか？」

「お前、やけにあっさりしてんな？」

「仗助さんなら多分こういうことの『すっとぼけ』は得意だと思うよ」

そうこうしているうちに仗助が帰ってきた。

「仗助！ど・・・どうだった！？」

「CD屋とオモチャ屋の現金化はできなかった、しかし、いつでも４万円相当のＣＤやゲームソフトと交換できる」

「へぇ～、すごいじゃないですか」

「いやいやいやッ！！ンなこたーどうでもいいんだよ！！『カメユー』のことだよ！
『カメユー』のシールは現金化できたのか？５～６０００枚以上はあったんだぜッ！」

「ああ、それがよぉ～・・・・ちと予想外の事態が起こってよぉ～～」

「予想外？」

億康と重清が不安そうな顔をしている（ハトホルと静亜は近くで自動販売機で買ったジュースを飲んでいる）。





「予想外に『６１５００円』にもなったぜェ―――っ」


「「ブ―――――ッ！！」」


あまりの金額にハトホルと静亜がジュースを噴き出した。

「スゲーぜッ！重ちーッ、おめーのスタンド『収穫（ハーヴェスト）』は本当にスゲェー能力だぜッ！」

億康と仗助は重清を褒めちぎるがハトホルと静亜は複雑な顔をしている。
ジョセフが不動産業界の大物でお金に苦労したことがない分、『お金は人を変える』ということを親にちゃんと教え込まれているので、どうも２人にはこの重清という男が信用できないのだ。