杜王町編・第10話 岸辺露伴の冒険
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「あら、敬語になった。少しは『尊敬』してくれたのかしら?」
「ええ、あなた方は承太郎さんや里美さんと同じく凄腕だ。先ほどまでの行動で認めざるを得ない」
さすがに自分たちより冷静な立ち振る舞いをするアヴドゥルとイシズに対して、そう言わざるを得なくなった露伴。
「さて、こいつの正体を探るとしよう」
少女の顔の資料をめくる露伴。
「つっ!こいつ、スタンド使いじゃあないぞッ!ただの女の子だ!」
「え!?てっ、敵じゃあないんですかッ!?」
「ああ、『天国への扉(ヘブンズ・ドアー)』に隠し事はできない・・・全てを読ませてくれる」
「では、その少女は何者なんだ?」
「名前は杉本鈴美、16歳・・・住所は杜王町勾当台3-12」
「ここの近くですね」
「ああ・・・ん?」
ハトホルが地図を広げているが露伴はどんどん読み進めていく。
「ほう・・・彼氏はいない、スリーサイズはB82・W57・H84、左乳首にホクロあり。
初潮があったのは11歳の9月、初めてキスした時は男の子に舌を入れられた」
「ちょっと待てェ―――ッ!岸辺露伴ン―――――ッ!」
「ん?どうしたんだい?康一くん?」
「『どうしたんだい』じゃあないでしょう!!その女の子がスタンド使いじゃあないなら、それ以上読まなくたっていいでしょう!!
年頃の女の子だっているんですよおぉぉぉッ!!」
「・・・・・////」
康一の言葉に既に顔を真っ赤にしていたハトホルはそっぽを向く。
「露伴くん、プライバシーってものがあるんだから自嘲した方がいいわよ・・・・訴えられるわよ?」
イシズは優しく諭してはいるが目が笑っていない。
「つっ・・・わ、わかりましたよ・・・」
里美と同じ属性だということが分かったのだろう、露伴は大人しく従った。
「『今、起こったことは全て忘れる』・・・と」
そう書き込むとヘブンズ・ドアーが解け、少女は何事も無かったかのように話し始める。
「案内してあげようか?この辺、迷う人が多いのよ・・・似たような路地が多いから・・・」
「行き方だけ教えてくれればいいんだけどな」
「ダメダメ!」
露伴が言うと少女は手を横に振る。
「説明だけじゃあわからないのよ!案内してあげるから、ついて来て!」
そう言って少女は歩き出す。
「アヴドゥルさん、イシズさん、どうしますか?」
「ついて行っていいと思うわよ、彼女はスタンド使いではないそうだし・・・ねえ?露伴くん」
「ええ、それは間違いないですよ、信用していい」
「だ、そうよ」
「何してるの?置いてっちゃうわよ!」
少女が急かすので全員、後をついて行った。
「あ!ねえ、ポッキー食べない?」
その問いに露伴と康一、ハトホルは首を横に振る。
「あなたたちは?」
「私も遠慮しておこう」
「私も、ごめんなさいね」
「そう、じゃあ・・・」
少女は1本、ポッキーを取り出し、露伴に向ける。
「試しに、そっちの端を持って!」
「?」
露伴がチョコのついた方を持つと『ポキッ』と折れた。
「あっあ~~♪あなた、女の子にフラレるわよっ!」
「何なんだ・・・一体?」
いきなり『フラレる』と言われてムスッとする露伴。
「『ポッキー占い』よ!折れた感じで占うの!
あなた、『ワガママ』でしょう?それも結構、人をひっかき回す性格ね、フラレる原因はそれよ」
「おいおい・・・」
笑顔が引きつる露伴。
「聞いたかい?康一くん、ハトホル・・・アヴドゥルさんもイシズさんも!ぜ~んぜん当たってないよなあ~?僕がワガママだってさ!?」
1人否定しているが、少女と露伴を除いたメンバーが『当たってる』と思った。
「だったら僕も知ってるさ、薄いピンクのマニキュアをする女の子は『恋に臆病』、『肝心なところで本当の恋を逃す』」
「それは占いというよりは心理テストだな」
露伴が言う事に少し訂正を入れながら会話に入るアヴドゥル。
「お嬢さん、君が何者か気になるところだが・・・何より君は『何故』現れたんだ?
そして・・・何にそんなに怯えているのか、教えてくれないか?」
「・・・・・」
アヴドゥルの言葉が図星だったのか、少女はあの空き家を見た。
「この家・・・15年ほど前に殺人事件があったの、今も空き家で買い手がつかないの・・・。話、聞きたい?」
「是非」
「隣のおばあちゃんが聞かせてくれたんだけど・・・その事件の真夜中、この家の女の子が寝室で寝ていると、両親の部屋の方で『ピチャリ!ピチャリ!』って何かが滴るような音がして、目が醒めたんですって・・・。
『何の音だろう?』
女の子は両親を呼んだ、でも返事がなかったんですって・・・でも、女の子は、そんなに恐怖を感じていなかった。
何故なら、女の子のそばには、いつも愛犬がいたのよ。
大きな番犬よ、暗闇でもベッドの下に手をやると『ククーン』って甘えてペロペロと手を舐めてくれるの。
『アーノルドがいるから安心だわ』
女の子はそう思っていた、でも、相変わらず『ピチャ!ピチャ!』っていう音が何十分も続いているんですって・・・、どうして両親はあの音に気付かないのだろう?
ついに、女の子は何の音か調べに行くことにしたのよ。
廊下に出て、『ピチャ!ピチャ!』って音の意味が分かった時、女の子に初めて恐怖が襲って来た」
徐々に緊張を感じていく。