杜王町編・第9話 ラット~ネズミ(虫食い)~
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「いずれは渡る橋だもの、そろそろ経験してもいいかもしれないわ。
ただし、私か承太郎と一緒に行動すること。わかった?」
「うん・・・」
「心配すんなって!俺もいるしよ!」
ニカッと笑う仗助に少し安心した様子の静亜。
「ネズミの居場所がわかった」
そこに双眼鏡を持った承太郎がやってきた。
「だが・・・既に手遅れかもしれん」
「どういうこと?」
「この排水溝は、あの農家の下水に続いている」
承太郎が排水溝から畑を挟んだ先の一件の家を指す、もう一度、双眼鏡を覗き込む。
「かなりやばいな、鶏小屋があるが鶏の姿はない」
「1羽も?」
「ああ、それにエサ箱も空だ。ガレージに車が2台あるが、家に住人の気配がない。
ネズミが中にいると見て間違いない、もっと言えば住人は既に餌食になっている可能性が高い」
「「・・・・・」」
緊張した雰囲気に思わず唾を呑む仗助と静亜。
「行きましょう」
里美は歩き出した。
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!里美さん!
行くっていっても、ネズミってすばしっこいって言ってたじゃあないスか!
どうやって近づくんスか?何か気配を消して近づく方法でもあるんスか?」
「いいや、気配を消す必要はないぜ。
何故なら、ヤツはとっくに俺たちの存在に気付いているからだ」
「え?マジっスか!?承太郎さん!」
「ああ、ネズミというのはそういうものだ。
暗い穴倉の中にいても何百メートルも先から人間がいることを知っている。
地面の伝わる音からなのか、臭いからなのかはわからんが・・・とにかく、ヤツは人間が4人近づいて来ているということを知っている。
だがな、それを承知の上で『追跡していく』のが『狩り』だ」
そう言うと承太郎も歩き出したので、2人も続く。
「ヤツはある程度は近づかせるだろう・・・。
『人間ごときノロマには捕まらない』と自信たっぷりにな・・・、だがヤツは俺たちがベアリングを使うことは知らない。
そこを確実に近づいて1発で仕留めるんだ」
「承太郎さんが撃つってことスか?」
その言葉に承太郎と里美が止まって振り向く。
「仗助くん、さっきの言葉でやっぱりプレッシャー感じてる?」
「ち、ちがうっスよ!事前に打ち合わせしとかないと混乱するんスよ!!」
「見つけたら俺が撃つ・・・『俺が見つけた場合』はな?
だが、お前も何発かポケットに入れてろ、これからあの家の室内を1つずつ手分けして調べるんだ。
込み入った作業になる、俺がいつでも傍にいるとは限らねーからな」
そういうとベアリングの箱を仗助に手渡した。
――――――――――――
ピンポーン・・・
ドアチャイムを鳴らしても応答がない。
「予想通りね、中に入りましょう」
まずは玄関から調べていく。
ひとつ、ひとつ・・・キチッと家具と壁の隙間を調べていく。
壁に穴が開いていたら、それはネズミの通り道だ。天井方向も調べる必要がある。
換気扇、電気系統に穴はあいていないか・・・。
「あったぜ」
承太郎の見つけたものはネズミのフンだ。
「まだ新しいな、しかし内容は草や穀物ではない、肉だな」
フンの落ちているところから範囲を探る。
「こっちの部屋に向かっている」
立ち上がってある1室に向かう承太郎。
「静亜、お父さんの跡をついて行きなさい」
「うん」
里美と仗助も後ろに続く。
キイイィィィ・・・・
「?」
「どうしたんスか?里美さん」
「何か動いたような・・・」
音のした方に目を向ける里美、すると冷蔵庫が少し空いている。
そして内蔵されているコンプレッサーの音が響いている。
「あれ?さっき見た時、開いてたっけ?」
そう言った途端、また冷蔵庫のドアが少し開いた。
「「!」」
里美は仗助を見た、すると彼もこちらに視線を送ってくる。
どうやら今のは仗助も見えたようだ、里美はできるだけ静かに部屋の中に入るように仗助に合図をする。
「!」
その時、見つけてしまった。
冷蔵庫の扉の隙間に尻尾が見えた、ネズミだ。