杜王町編・第9話 ラット~ネズミ(虫食い)~
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「このエサ・・・何スか?チーズじゃあねーんスか?」
クンクンと臭いをかぐ仗助。
「天ぷらの衣の破片、ドブネズミは何でも食べるからね」
「それにチーズはネズミにゃあ贅沢だぜ」
ビデオカメラをセッティングしている承太郎。
ブーン・・・
「ん?」
すると横にいた里美が羽音に気付いた。
ブーン・・・ブーン・・・
ハエが周囲を飛んでいる。
「やけにハエが多いなぁ」
「そりゃあ、畑だからな。それにネズミの巣があるなら、その辺の雑草の中でした糞にでも集まってきてるんだろう」
「でも、それにしても多い気が・・・」
そこで不審な物が視界に入った。
雑草の一か所にだけハエが集中しているのだ。
「・・・・・・」
ハエをはらいながら、その場所に近づく里美。
「!?」
ハエの集っていた物を見て吐きそうになるのを堪える。
「ん?どうした、里美?」
「承太郎・・・ヤツのスタンド能力の分析材料があったよ、こんな近くにね」
「どういうことだ?」
セッティングをし終えた承太郎が近づいてくる、そして里美の言った『物』を見て驚愕する。
「承太郎さん、里美さん、罠仕掛け終わりましたよ~」
合流してきた仗助と静亜だが、承太郎達が固まっているのを不思議に思い、近づいて覗き込む。
「うっ・・・!?」
「な、なんだっ!?こいつあああああ!!」
目の前にあるものを見た時、仗助も吐きたい衝動に襲われた。静亜に至ってはもう吐いてしまっている。
里美の見つけたものは『ネズミの死体』だ。
しかし、ただの死体ではない。
何十匹のネズミが体を溶かされ、固められたものだ、煮込んだ魚の煮凝りのようにゼリー状に固められている。
承太郎は小枝でその塊を突いた、ズブッと刺さり、引き抜くと血液らしきものが飛び出てくる。
「ちょっと!何してんスか~~~?突かないでくださいよ~~!」
静亜の背中を擦りながら見ている仗助。
「これは・・・『肉』だな、溶かされたネズミたちの肉だ。一度に溶けて、一気に固まったって感じだ。
しかも、皮膚の内側から溶かされて死んでいる、こいつは・・・俺たちが追っているネズミの仕業と見ていいだろう」
「『ここは自分の縄張り』、仲間をバラしてそれを見せつけてるって訳ね。
承太郎が睨んだ通り、スタンド使いのネズミの巣は、あの排水溝」
「やれやれだぜ・・・どうやらこの狩りは『殺す』ことを前提に追跡した方がよさそうだな・・・」
「グレート・・・おぞましくなってきたぜ・・・」
「はあ・・はあ・・・」
落ち着いてきた静亜が顔を上げる。
「大丈夫か?静亜」
「うん・・・ごめんなさい、仗助さん・・・」
「無理ねーぜ、あんなモン見ちまったんだからよォ」
そう言うとカバンからペットボトルの水を持ってくる。
「ほれ、口、濯げよ」
「ありがとう・・・」
ゆっくり静亜は口を濯いで、喉を潤した。
「静亜、落ち着いた?」
「うん、もう大丈夫だよ、母さん」
「里美さん、静亜は帰らせた方がいいんじゃねーッスか?」
「いいえ、逆にここまで来てしまったからには1人で帰らせるわけにもいかない。
それに杜王町に残るなら『こういう』ことには慣れておかないといけない、この子自身のためにもね」
『獅子は我が子を千尋の谷から落とす』というが空条夫婦も我が子に対してなかなかのストイックさである。