杜王町編・第8話 ヘブンズ・ドアー~岸辺露伴~
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「てめーをどうやってブッ殺そうか考え中なんだよッ!」
「フフフ、それも正しいな・・・・だが、正確な『答え』ではないよ。
正確な答えはね、『このまま自分たちだけ、この屋敷から逃げ出すというのはどうか』・・・と考えている!」
「仗助くんと里美さんはそんなことしないよ!!」
康一が叫ぶと露伴は『まさに、その通り』とでもいうように笑う。
「そうだな、康一くん。
君の『ファイル』には彼らは君たちを見捨てるようなことはしない性格だと書かれている。
だがね・・・漫画家というのは職業柄、いつもあらゆる状況の可能性ってやつを考えるのがクセなんだ。
『マンガの主人公はこの状況で、一体どんな行動が可能だろうか?』・・・とね?
この場合、正体を知られたからには、僕は彼らをこの屋敷から出すわけにはいかないんだよ、逃げられては非情に困るんだ・・・・」
「逃げる・・・そーか!そりゃあいいかもしんないっ!承太郎さんを呼べるしよお―――、由花子が康一のことを知ったら、あの女、怒りまくるぜェ~~~!」
「確かに!あの髪の毛なら助かるかもしれない!!できれば会いたくないけど・・・!」
山岸由花子の『ラブ・デラックス』には以前、散々な目に遭ったことを思い出した康一だが、ここから助かるのなら、もう方法など選んではいられなかった。
「そうしろッ、仗助!早く外にっ・・!」
「マヌケかッ!」
露伴が億康の腕を踏みつけた。
「それをさせないためにお前らに説明してるんだよッ!
億康くん、君には既に書き込んでおいたのさッ!」
そして資料にした億康の腕を掴み、康一の前に放る露伴。
「そこに書き込んだことを彼らに読んで説明することを許可するよ、康一くん。
大きな声で読み上げるんだ・・・」
恐る恐る書き込んだ文字を黙読した康一。
「あ・・ああああ!そんな!!」
絶望の淵に叩き落されたような表情になる。
「な、何だよ、康一!?何て書いてあんだよ?」
「こ・・・こんなことッ!そんなッ!
決して逃げられないんだ、もう・・・このことからは君は逃げられないんだよ!億康くん!!」
「だから!何て書き込まれたのか聞いてんだよ!康一ィ―――ッ!」
康一は震える声で読み上げた。
『東方仗助と空条里美たちが岸辺露伴を困らせた時、私は焼身自殺します』
「じ、じじ自殺うぅぅ―――っ!!!」
「そうだよ!君が自殺しちゃうんだよ!
仗助くんや里美さんたちが僕らを助けようとしただけでもッ!」
「「・・・・っ」」
2人のやり取りは当然、仗助たちにも聞こえていた。
「おいおい!俺が焼身自殺?
ギャハハハッ!バカ言ってんじゃねーよッ!この俺がンな恐ろしい死に方するわけが・・・・え?」
意識とは裏腹に億康の右手がライターを手にして着火している。
「おおおおおおおお―――ッ!?
何で!?俺の右手がライターを掴んで火をつけてんだァ―――?!」
「『しちゃうんだよ』・・・無敵なんだ・・・絶対に逆らうことはできないんだッ!!」
「うおあああァァ―――ッ!!?」
億康の体に火が近づいていく・・・その時だ。
「!」
「出てきたか、東方仗助」
仗助がドアの陰から姿を現した。
「『出てきた』というより・・・これじゃあ、まさに『引きづり出された』という感じだよ~~っ!」
「空条里美はどうした?」
「安心しなさい、まだいるよ」
壁越しに手をひらひらさせる里美。
「君は出て来ないのかい?」
「2人相手するのはなかなか厳しいんじゃない?あなたのスタンドは『パワー』タイプではないし、『遠距離』タイプでもない。
だとしたら正体を知られ、スタンドのスイッチがわかった今、私と仗助くんの2人同時に闘うのはあなたにとって不利じゃないのかな?」
「ふむ・・・確かにな」
「それに・・・あなたを困らせたら、億康くんが自殺しちゃうんでしょ?それはゴメンだわ」
「フフフ・・・康一くんの資料通りで助かるよ」
そう言うと露伴は仗助に向き直った。
「原稿を見ない様に目を瞑って攻撃するつもりか・・・幼稚で単純な作戦だが、結構効果があるかもしれないな。
部屋は狭くて逃げ場がないし、一撃で僕を倒せば『天国への扉(ヘブンズ・ドアー)』が解けて、億康くんは自殺しないわけだし・・・」
「そういうこったあ―――っ!」
仗助は突っ込んだ。