杜王町編・第8話 ヘブンズ・ドアー~岸辺露伴~
名前変換
この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「『助けを呼ぶこともできない』のか!
こんな・・・こんなに『恐ろしいスタンド』があるだろうかッ!」
力があるわけでもないのに、ここまで精神的に追いつめられている。
じわじわと絶望へ落とされていく、こんな恐ろしいスタンドはないと康一は強く思った。
目の前にいる岸辺露伴は一心不乱に続きを描いている。こいつには敵わない、康一がそう思った瞬間だった・・・。
クルッ!
露伴が急に手を止めてこちらを振り向いた。
「誰かがこの屋敷内に入ってきた・・・・今!!玄関で『何をやってきたんだッ!!』康一くんッ!!」
「え?何をって・・・僕は何もッ・・」
その時だ、窓に影が射したのは・・・。
「お、億康く~~~んッ!!」
「!」
「おお~~~っと!振り向くんじゃあねーぞォ―――ッ!
妙な動きをしてみろよ~~~、スタンド叩き込むぞ、このダボがァ!」
窓から乗り込む億康。
「億康くんっ、何故、僕が危ないってわかったのかは知らないけど!!嬉しいよォ~~~ッ!!」
康一は歓喜の涙を流した。
「どうやら偶然悟られたらしいな。
康一くん・・・今気づいたことだが君のその手の傷が異常事態の合図となってしまったようだ。
這いずっているときに擦れたか、引っ掛けたかで手をケガして血が出ている。
それで空条里美あたりが気づいたんだろ?なあ、虹村億康くん?」
「!」
露伴が自分の名を呼んだことに驚く億康。
「スタンド名は『手(ザ・ハンド)』、君は死んだ兄の形兆にコンプレックスを抱いており、何かを決断する時にいつも・・・『こんなとき兄貴がいればなあ~』と思っている」
「つっ!」
言い当てられた億康はたじろいでいる。
「何だ?こいつは・・・何モンなんだぁ~~っ!
おい、康一!こいつのスタンドの正体を教えろ!」
億康の問いに康一は答えられない、今の彼は答えられないんだ。
「フフフ・・・・」
露伴がゆっくりと振り向く。
「おいッ!動くなっつってんだぞ―――ッ!!」
「億康くん、君には興味なかったが・・・この家に来ちまったものはしょうがない、君も『資料』にしなくてはな!」
「野郎ッ!」
億康がザ・ハンドで攻撃する。
しかし、それよりも早く露伴が原稿を見せるのが早かった。
「『天国への扉(ヘブンズ・ドアー)』!!」
「!!」
原稿を見た瞬間、ザ・ハンドの腕が『本』になった。それは本体の億康も同じことだ。
「うああああああああああ!!」
「億康く~~~んッ!」
「うげああああああ~~~っ!」
『本』にされたことでバランスを失い、転げる億康。
「東方仗助、空条里美、そこにいるな?」
自分の仕事部屋の扉の方を見て言う露伴。
「「・・・・」」
仗助はドアの影、里美とハトホルは壁側から聞き耳を立てていた。
「な、なんじゃこりゃあぁぁあっ!なんなんだァ――、そのマンガはよぉ~~ッ!」
「うるさい奴だな・・・・さて、康一くん。君に質問があるんだ」
「!」
「何故、東方仗助と空条里美は、あのドアに隠れていると思うね!?
どう思うね?何故、出て来ないと思う?君の意見を聞かせてくれないか?康一くん」
「仗助くんと・・・里美さんは・・・あなたのその原稿を見ないために、今・・・隠れている・・・」
「そうだな、正解だ!なかなか賢いぞ!
そこの虹村億康は僕の『天国への扉(ヘブンズ・ドアー)』の正体を知らなかったから術中に落とせたが、まずいことに・・・そのことによって東方仗助と空条里美に正体がバレてしまった。
その点はマジにまずい事になった、いや・・・実際のところ僕の方が相当不利のような気がする。
そして東方仗助と空条里美があそこから出て来ない理由が他にもあるんだ。
それは何だと思うね・・・?それをさせないために僕は何としても彼らをドアの陰から引きずり出さなければならない」
足を組む露伴。