杜王町編・第2話 アクア・ネックレス~片桐安十郎~
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「『ヤツ』のデータが来たぜ」
杜王グランドホテルにチェックインした夕方、スピード・ワゴン財団より例の男の資料が届いた。
封筒から資料を取り出した承太郎は読み上げる。
「男の名前は片桐安十郎・・・新聞では『アンジェロ』とあだ名されているな」
「え?待って・・・片桐安十郎って確か・・・」
「ああ、俺も聞いたことがある『日本犯罪史上最低』ともいえるムナくそ悪い犯罪者だ。
1964年、奴はこの町で生まれている、IQは160。
12歳の時、早くも強盗と強姦罪で施設送りになり、その後、日本全国を転々とし刑務所を出たり入ったり、あらゆる犯罪を繰り返し
、その青春のほとんどが刑務所の中だそうだ」
「う~ん、それはまたなんというか・・・家庭環境に問題があったのかしらね」
「現在、34歳までに刑務所で費やした時間は20年だとよ」
「うわ~・・・」
里美もドン引きである。
「こんなの序の口だぜ、奴の最後の犯罪、見て(読んで)みろよ」
「いや・・・見る勇気ないから承太郎が読んで」
資料を差し出されたが手で制す里美。
「まあ、俺もざっと目を通しただけだがな。便所のネズミもゲロを吐くようなドス黒い気分になるぜ」
「・・・・・・なんかそれだけで『年齢を重ねるにつれてえげつなさが過剰して、更には何かに取り憑かれたような常軌を逸した犯罪行為』っていうのは想像できる。
ちなみに被害者って・・・女性?それとも子供?」
「子供だ」
それを聞いた時、クッションで顔を隠した里美。
「どうする?聞くか?」
「・・・・・うん、聞く」
「吐きそうなら言えよ」
「うん・・・」
そう言うと承太郎は読み上げる。
「1994年、アンジェロは3人の14歳の少年に出会った。
そのうちの2人の少年を強姦し殺害、金品を奪った。
残ったもう1人の少年は金持ちの家の子供だったことを知ったアンジェロは急遽、身代金を要求した。
身代金を受け取る際に逮捕される。
この時に、1人の警官を刺し殺している」
「子供は?」
「すでに殺害されていたそうだ、さらに局部を切り取られて死体のそばの柱に針で打ち付けてあったらしい」
「ごめん、承太郎・・・」
そう言って急いでトイレに駆け込む里美。
「・・・やれやれ」
承太郎は資料を一旦、テーブルに置くとトイレに向かった。
案の定、里美は話の内容に我慢できずに吐いてしまっていた、承太郎は背中をさすってやる。
「うう・・・」
「大丈夫か?」
「・・・ごめん、まだ・・・ううっ!
」
しばらく嘔吐は続いた。
――――――――――――
「ありがとう・・・」
ようやく落ち着いた里美は口を濯いでソファーに座った。
「駄目だね・・・エジプトのことで『こういう』ことには慣れているつもりでいたんだけど・・・」
「慣れる必要なんてねーよ、俺だって慣れてるわけじゃあない」
「うん・・・」
「『続き』は掻い摘んで話すぜ。
アンジェロへの判決は死刑、1998年の10月にその刑が執行されたが延期された」
「どうして?」
「死ななかったんだよ、アンジェロの奴がな。絞首刑実行後、20分にわたってロープにぶら下がっていたのにヤツの心臓は動いていた」
「それじゃあ、その時にはもう・・」
「ああ、スタンドが発現していたとみていいだろうな。
実際、アンジェロはその後、刑務所を脱走している。死刑の時にヤツは『スタンド使い』になったんだ」
「でもどうやって?アンジェロは生まれながらスタンド能力を身につけていたわけではないんでしょう」
「ああ、アンジェロの経歴を調べさせたがそんな記載はない。
どういうわけでヤツがスタンド使いになったのは知らんが・・・こいつは後々、仗助や俺たちにも関わり合いがでてくるかもしれん」
承太郎は苦い顔をして資料を封筒に閉まった。