杜王町編・第1話 クレイジー・ダイヤモンド~東方仗助~
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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1999年も早3ヶ月が過ぎた。
今年はあの有名なノストラダムスの恐怖の大予言の年とかで日本や世界のマスコミは大騒ぎだが大抵の人々は晴れ晴れとした気分ではないにしても、いつもの生活をしているように春を迎えた。
〈僕の名前は広瀬康一、15歳・・・・まあ、覚えてもらわなくてもいいんだけど・・・。
僕の場合は受験の合格と、これから通う新しい学校の期待と不安で頭が一杯の3月だった。
そして入学式の初日、僕は3人の奇妙な人たちに出会った・・・・・〉
――――――――――――
場所は杜王町駅・・・
「うわっ!」
冒頭でこの物語の登場人物の1人である高校生、広瀬康一。
ご丁寧に自己紹介も踏まえて近況を伝えてくれた彼だが、本日でめでたく高校1年生である。
入学式のため期待と不安にぎこちなく、周囲の注意が散漫だったせいか前方にいる人物とぶつかってしまった。
ただでさえ小柄な彼は弾き飛ばされ、持っていた鞄からは文房具やらノートやらがぶち撒かれる。
「え!?」
しかし次の瞬間、康一は倒れていなかった、鞄もしっかり手に持っていた。
「あっ・・あれェ~~~・・・・?
おかしいな・・・今、僕・・・確かにぶつかって転んだかと思ったのに・・・?
それに鞄も・・・あれ?ちゃんと持ってる・・・?」
「君、大丈夫?」
「え?」
康一が顔を上げるとそこにはスレンダーな女性とがっしりとした体格の男性が立っていた。
「よそ見をしててすまなかったな・・・・この町の地図を見ていたもんでな」
どうやら自分がぶつかったのは男性の方だったようだ。
しかし、この男性・・・・デカい。
『身長が自分の何倍あるんだ?』と思うくらいにデカい。
〈ひい~~~!!ひゃっ、190以上はあるんじゃないのかァァ!?〉
男性の身長と体格の良さにすっかり困惑と怯えてしまっている康一。
「ちょっと?大丈夫?」
「へ?」
すると男性の後ろから女性が出てきて康一に目線を合わせるように屈んできた。
「怪我はしてない?」
「え!あ、はい・・・大丈夫ですッ!」
「よかった~、見たところ本当に大丈夫みたいね。本当にごめんなさい」
女性はニコリと笑った。
「い、いえ・・・気にしないでください・・・」
ふいにもドキリとしてしまった康一。
「君、この町の人?」
「あ、はい」
「よかった!私たち、この町が初めてで困ってたの。
訪ねたいんだけど、この町で『東方』って名字の家を知らない?」
「『東方』ですか・・・?いいえ、わかりません・・・なんせこの町の人口は53000人もいるので・・・
」
「ああ・・・そうよね、ごめんなさい。無理なことを聞いちゃって・・・じゃあ住所はどうかな?
承太郎、住所教えてあげてくれない?」
女性はそう言って男性は手帳を取り出した。
『空条承太郎』・・・手帳に明記してある名前、これがこの男性の名前だろう。
「『定禅寺1-6』だ、知らないか?」
「あ!定禅寺に行くなら、あそこから3番のバスに乗ればいけますよ。この時間タクシーはあんまり来ないのでバスで行った方が早いです」
「そうか、ありがとう」
「いいえ」
「そういえば・・・君、高校生?」
「は、はい!」
「じゃあ、今日は入学式ね。引き留めて悪かったわね」
「い、いいえ!こちらこそ、すみませんでしたッ!」
ぶつかってしまった手前もあり申し訳なさそうに頭を下げる康一。
「いいのよ、こちらも悪かったんだし、お相子!」
「行くぞ、里美」
「はーいッ、じゃあね」
〈出会った奇妙な3人のうちの2人がこの人たち――――
名前は空条承太郎と空条里美夫婦だ。
年齢は2人とも28歳で承太郎さんは海洋冒険家でクジラだかサメだかの生態調査で有名な人らしい。
里美さんはフリーのイラストレーターをしているそうで、夫である承太郎さんが執筆した本の表紙や挿絵デザイン作成やその他、幼児の教材本や広告キャラも数回担当したことがあるとか・・・。
ちなみに教材本の中には僕が見たことあるものも結構あった・・・・・。
不思議と恐怖はなかった。
承太郎さんはワイルドな風貌はしているが知性と物静かな態度だったし、里美さんも優しい印象だけど芯があるしっかりした女性という感じだった。