第7話 力~ストレングス~
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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偽テニールによって船を爆破されてしまった承太郎たちは海を漂流していた。
「水を飲むといい、救助信号はうってあるからもうじき助けが来るだろう」
ジョセフはアンに水を差しだした。
「・・・・・」
先ほどの船での出来事といい、不可思議なことが目の前で繰り広げられている。
何も知らないアンには警戒せずにはいられなかった。
「なにがなんだかわからないけど・・・あんたたち一体何者なの?」
「君と同じく旅を急ぐ者だよ、もっとも君は父さんに会いに・・・わしは娘のためにだがね」
「・・・・・・」
訝しげながらも水筒に口を付けたアン、しかし、次の瞬間、口に含んだ水を思いっきり噴出した。
「こらこら大切な水じゃぞ、吐き出す奴があるか」
「ち、違う・・・み、み、みん・・・みんみんみんみん、みんなあれを見て!!」
アンのあまりの動揺ぶりに全員、彼女の視線の先を見た。
そこには大きな貨物船が一隻あった。
「おおおおーーっ!」
「いつの間にこんなに近くまで来ていたんだ!」
「気づかなかった!」
「タラップがおりているぞ!救助信号を受けて救助に来てくれたんだ!」
それぞれ救助がきたことに喜んでいたが承太郎は視線を鋭くしていた。
「空条くん・・・どうかした?」
「ん?」
「なんだか気にしてるみたいだから・・・」
「いいや・・・ただ、タラップがおりているのに何故、誰も顔を覗かせないのかと考えていた」
それを聞いた他のメンバーも言われてみればと船を見上げた、確かに貨物船にしては静かすぎる。
「どうしましょうか?ジョセフさん」
「ふむ・・・」
ジョセフは考え込むが・・・。
「ここまで救助に来てくれたんだぜ?誰も乗ってねぇわけねぇだろーが!!」
ポルナレフが真っ先にタラップに飛び移った。
「俺はこの船に乗るぜ!例えこの船の奴らが全員スタンド使いでもな!」
そう言って上に上がって行ってしまった、そして次々とタラップを登っていく。
「つかまりな、手を貸すぜ」
アヴドゥルや花京院も上がった。
「ほら、ジュナ」
ジュナは花京院に手を借りてタラップに上がった。
ジョセフと承太郎もタラップに飛び移る、そしてアンを降ろそうと手を差し出す。
「・・・・・」
しかし、アンは自分でボートからジョセフに飛びついた。
「べーっ」
「・・・・やれやれだぜ」
「ふふふ、嫌われちゃったね」
その光景を見て、つい笑ってしまった里美。
「・・・・・フン」
承太郎は里美の腰に手を伸ばす。
「きゃっ!?」
「馬鹿言ってねぇで早く上がれ」
「ちょ、ちょっと空条くん!自分で歩けるってば!!」
里美はそのまま脇に抱えられていかれた。
「もう!信じらんない!!これでも私、女なんだけど!」
「ああ、そういえばそうだったな」
「なっ!ホントに私の扱いだけひどくない?空条くん」
「いいや、そんなことはねぇぜ。今だって親切にボートから降ろしてやっただろうが」
「人を荷物か何かみたいに抱えてたくせに!!」
「んじゃ、お姫様抱っこの方がよかったのか?」
「・・・・・・・それも嫌」
「フン・・」
「おい!言い争いなんぞしとらんでこっちに来い、2人とも!」
2人がジョセフのところに行ってみるとやはり人の姿が見当たらないようだ、操舵室もエンジンはかかって計器などは正常に作動しているが、やはり人だけがいない。
「ねぇ、お姉さん」
「ん?どうしたの?」
アンが何か見つけたようだ。
「みんな、こっちへ。あの子が何か見つけたみたい」
アンの案内で船室に入ってみるとそこには大きな檻があった。
そして中にはこれまた大きなオラウータンが入っていた。
「こんなところにオラウータンが・・・」
「猿なんぞどうでもいい!こいつに餌をやっている奴がいるはずだ、手分けして探すぞ!」
そういってジョセフたちは外へ出てしまった。
「確かに生き物がいるなら餌をやっている人がいるはずよね」
「うん、行こう。お姉さん」
「うん」
そう言って行こうとしたが・・・。
「!」
何やら視線を感じて振り返った。
「・・・・・・」
オラウータンがじーっとこちらを見ていた。
「っ・・・」
「どうしたの?お姉さん」
「え?う、ううん・・なんでもない」
里美はオラウータンのことが気になりつつもその場を後にした。
「どうしたんだい?遅かったね」
「え?あ、うん・・ちょっとね」
外に出ると花京院が話しかけてきた。
「やっぱり、こっちにも人の気配はなかった?」
「ああ、今のところはね」
「里美ちゃん、何か気になったことでもあったの?なんだかさっき歯切れが悪かったけど」
ジュナも心配そうに聞いてきた。
「あー・・・ちょっとね・・・さっきのオラウータンが・・・」
そう言いかけた時・・・。
「アヴドゥル、その水兵が危ない!!」
ジョセフの声がしたので振り返った次の瞬間、出来事はあっという間だった。
クレーンが近くにいた水兵の1人の頭を後ろから刺し破り、そのまま空中に引き上げたのだ。
「やれやれ、こういう挨拶は女の子にゃあきつすぎるぜ」
あまりにもグロテスクなので承太郎はすぐにアンの視界を手で覆った。
「誰も触っていないのに・・・」
そう・・・誰も操作レバーには手を触れていない、クレーンが勝手に動き水兵を刺殺した。ますます貨物船が不気味さを増した。