第6話 暗青の月~ダークブルー・ムーン~
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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ポルナレフとジュナを新しく仲間に加えた承太郎たちはスピードワゴン財団に手配した船でシンガポールに向かっていた。
「この船には船員と我々しか乗っていない、もし事故が起こったらまずいからな。
しかし、驚いたわい。まさかこのレディーのスタンドの催眠能力で船員たちが眠らされていたとは・・・」
ジョセフがラウンジベッドに座っている、ジュナを見た。
「しかし、ジョースターさん。彼女は肉の芽を植え付けられ、DIOに言葉巧みに洗脳されていただけですから」
「うむ、それもそうなのだが、華奢なわりには強力なスタンドの持ち主だと感心せずにはおれんのだ。
それにポルナレフの話では、まだ15歳だというじゃないか。16歳であれだけのコントロールができるのじゃから大したものじゃよ」
戦闘のことでわかったことだがジュナもポルナレフと同様、肉の芽を植え付けられた1人だった。
彼女の話では自分は孤児でつい先日までお寺にお世話になっていたそうなのだが、つい先日、お寺の住職が何者かに殺害されたのだという。
自分はお使いを頼まれていたので無事だったのだが、誰一人いなくなったお寺には住み続けることはできずに出てきたそうだ。
その後はお寺にお世話になっていた街の人たちに助けてもらいながら生活していた。
そしてちょうど花京院がエジプトへ家族旅行をしていた時期にジュナも面倒を見てもらっていた知人のお手伝いとしてエジプトへ渡ったそうなのだ。
そこで彼女は・・・DIOに出会ったのだという、DIOは彼女の心の闇に言葉巧みにつけ込み、肉の芽を植え付けた。
そしてほんの1週間前にエジプトで承太郎たちを殺し、里美を連れてくるように言われたのでペアを組んだポルナレフを気づかれないように知人の船に潜り込ませ、中国に戻ってきたのだという。
「痛みは大丈夫かい?」
「っ!」
「ああ、驚かせてしまったかい?
すまない、でも女の子に額に傷を残したままというのは僕も心苦しくてね」
「あ・・大丈夫、そんなに痛くないから」
「ふふ、そうかい。ならよかった」
「花京院は世話を焼くのが好きなようですね」
「まあ、同じ肉の芽を付けられたもの同士じゃ、しかも女の子。心配なんじゃろうよ」
花京院はジュナの同行が決まった後、何かと声をかけたり、手助けをしたりと気遣いを欠かさない。
「花京院くんと仲良しだね、ジュナ」
「ああ、高瀬さん。彼女はまだ加わったばかりだからまだ不安に思うこともあるだろうしね」
「そうだね、それに同性だけじゃなくて異性とも打ち解けた方がいいしね。というわけで、空条くん」
そこに承太郎を連れてきて隣のラウンジベッドに座らせる。
「おい、何のつもりだ?」
「空条くんもジュナに話かけてあげてよ」
「・・・・・」
「ビク!!」
承太郎の顔に怯えて花京院の背後に隠れてしまったジュナ。
「空条くん・・・睨んじゃダメだよ」
「俺は別に睨んじゃあいねぇぜ、そいつが勝手に怯えてるんだ」
「JOJO、君の自分の顔が強面だってこと自覚あるかい?」
「花京院・・・」
「ふむ・・・・」
学生同士(ジュナは同年代)が談笑しているとジョセフが割り込んできた。
「しかし、お前たち・・その学生服はどうにかならんのか~~!その格好で旅を続けるのか?くそ熱くないのォ?」
学生服を着た3人はいかにも平然としている。
「これから3日は海上じゃぞ、見てるこっちが熱いわぃ!!」
「そういわれても私たちは学生ですから、ねえ?」
「ええ、学生は学生らしく、ですよ・・・という理由はこじつけか」
「フン」
「・・・・・」
そのときジュナが里美の制服を見ている。
「ん?どうしたの?」
「え・・・あ、うん」
妙に歯切れが悪い、そこで里美はひらめいた。
「もしかしてセーラー服、着てみたいの?」
「!」
どうやら図星だったらしい。
「中国には制服ってないの?」
「・・・私、お寺で習ってたから・・・学校には行ってないの。だから・・・制服って憧れてるの」
「そっか・・・じゃあ、時間ができたら貸してあげる」
「っ!本当!!」
「うん」
「謝謝!(ありがとう!)」
ジュナはそのまま里美に抱き着いた。
それが微笑ましく、穏やかな空気が流れていたが・・・ある声で一気にかき消された。
「はなせ!はなしやがれ!!このボンクラが~~~っ!」
見ると1人のクルーが少年を引っ掴んで連れてきた。
「おい、どうした?わしらの他には乗客は乗せん約束だぞ!」
「すみません、密航です。このガキ、下の船倉に隠れてやがったんです」
「密航?」
少年はじたばた暴れている。
「こいつっ・・海上警察に突き出してやる」
「え?警察?
ま、待ってくれよ!お、お願いだ、見逃してくれよ!!シンガポールにいる父ちゃんに会いに行くだけなんだ、何でも仕事するよ、扱き使ってくれよ!!」
「ねえ、里美。あの子、一緒には連れて行ってあげられないの?」
「うん、ジュナには話したと思うけど、私たちはDIOに命を狙われてる、敵のスタンド使いは容赦ないから、もし一緒にいたら巻き添えになっちゃかもしれない。
だから、あの子はクルーさんに警察に連れて行ってもらった方がいいと思う」
「そう」
必死に頼み込む少年を見て、ジュナはつい言葉にしてしまったのだが、自分たちの置かれている状況を考えれば仕方がない。