エジプト編・第10話 亜空の瘴気・『クリーム』のヴァニラ・アイス
名前変換
この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
承太郎たちがテレンス・T・ダービーに勝利した頃、DIOの部屋の前には人影が1つ。
「お休み中失礼いたします。
ご存知だと思いますが・・・・10分ほど前、ジョースターたちがこの館へ侵入いたしました。
更に・・・ダービーが敗北したことをご報告いたします」
チクタク・・・チクタク・・・
大きな壁掛け時計は不気味に時を刻んでいる。
「ダービーは・・・・天才だった、勝てる実力を持ちながらダービーは負けた、何故だと思う?
中に入れ、ヴァニラ・アイス」
「失礼いたします」
ヴァニラ・アイスと呼ばれた男は静かに部屋を開けた。
部屋の中のベッドにDIOは枕を腰かけに寛いでいる、本を広げ、傍らには酒を置いて・・・。
「ジョースターたちは・・・・自分の娘、あるいは自分の母親の命を救うために自分らの命を捨ててもいいと心の底から思っている。
花京院やアヴドゥル・・・ポルナレフ、そしてジュナやイシズもな。
そして里美、あの娘が全員の中心といってもいい。
本来ならば関わる必要のない花京院、ポルナレフ、ジュナ、イシズも里美の言葉でこのDIOを倒すために協力したいと、それこそ命をかけてでもいいと思わせる影響力を持たせた。
さらにそれとは別にこのDIOから逃げることは、自分から逃げることだと思っている・・・バカげたことだ。
しかし、そのバカげたことが重要なのだ。
ダービーの奴は忠誠を誓うといっておきながら・・・・このDIOのために死んでもいいという覚悟ができていなかったということだ。
だから、あとほんのちょーっとというところで勝利を掴めなかった。
ダービーには自分の負けた理由が永久にわからんだろうな」
DIOはグラスを傾けながらヴァニラ・アイスを見た。
「アイスよ、私の首の傷を見ろ。
たぶん、あと1人・・・生き血を吸えばこの馴染まなかったジョナサン・ジョースターの肉体もすっかり我がものとなる、傷も完全に治癒するだろう。
アイス・・・・お前は私に自分の血をくれるか?」
DIOは試しているのだ、自分に対してこの男は命を捧げる覚悟があるのか・・・。
「はい・・・喜んで・・・」
ヴァニラ・アイスは迷いなく言い切り、部屋にあるツボを掴んで自らの前に持ってきた。
「どうぞ、お受け取り下さい!」
そして自分のスタンドで自らの首を切り落とした。
大量の血液が壺に流れ込んでいく。
その光景を見たDIOは起き上がった。
「自ら首を刎ねるとは・・・嬉しいぞ。
しかし、ヴァニラ・アイス・・・お前ほどの者の生き血は受け取れんな。
私の傷は里美の血で完治させることにするよ」
そう言って自分の手首に傷をつける。
「死ぬことはない・・・さあ、蘇るがいい」
ヴァニラ・アイスの首と胴体の繋ぎ目に血を垂らす。
「お前なら間違いなく勝てるだろう」
「っ!」
DIOの血によりヴァニラ・アイスは復活した。
「やはり自分の肉体というのが一番だな・・・・あっという間に馴染む。
奴らは任せたぞ、ヴァニラ・アイスよ」
「はい・・・DIO様、あなたの期待は満たされるでしょう・・・。
必ずや仕留めて、ご覧にいれます・・・」
そういうとヴァニラ・アイスは自分のスタンド体内に飲み込まれていった。
そして自分の体をも呑み込み、収縮したスタンドは壁の一部に空間を開けて出て行った。
「ドアくらい開けて出て行け・・・」
呆れながらも読書に戻るDIOだった。