エジプト編・第9話 『アトゥム神』のテレンス・T・ダービー
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「なァにいィィィ~~~!!」
思わず立ち上がったテレンス。
「「里美――――――っ!!」」
「GOOD!なかなか良い手応え!」
打ち返されたボールは空中をのびてのびて・・・・。
「おい、どんどんのびるぞ!嘘じゃろ?嘘じゃろッ!!」
ボールを掴もうと他の選手が走るも虚しく打球はフィールドの外へ落ちた。
「ギャハハハ!!」
『ホームラン!!』
ゲームの実況通り、ホームランだったのだ。
「ホームラン!ホームランじゃッ!!うわははは――――っ!!」
「ナイスだぜ、里美」
「イエーイ!」
はしゃいでいるジョセフとハイタッチをしている承太郎と里美。
「くっ!里美!」
「はい?」
「今、何と言ったんだ?
『覚えた』、『バッティングは覚えた』と言ったのか!?」
「2度言う必要がありますか?」
「ぐっ・・・」
テレンスは一瞬たじろぐ。
〈確かに初心者だった、自分では『途中放棄した』などと言ってはいたが、こいつは間違いなく初心者だった。
だが、先ほどの・・・・たったの8球ばかりのスウィングで覚えたというのか?
こいつ・・・・見た目は品も良さそうな女だが、さすが空条承太郎の女というべきか。
パワーやスピードはさほど無くともスター・プラチナに負けず劣らずの精密さ、そして絶対的な遠距離戦闘能力を持つスタンドの使い手の高瀬里美!
DIO様が問題視していることがようやく、今、実感としいてわかった・・・・・。
しかし私の敵はこうでなくては面白くない・・・お前のその恐るべき能力を1回表という始まったばかりのこのタイミングで出したことを後に後悔することになるのだからなぁ・・・フフフフフ・・・・〉
その後も里美はホームランを連発。
「いいぞ!!これで1回表、4対0!
どうやらタイミングやコツは掴んだようじゃな!!そのまま行くんじゃあ!そのままああ!!」
「ジョースターさん、声が大きいです・・・」
「・・・・ったく」
「フン!仕方なかろうが!これで心配が吹き飛んだんじゃからなぁ!
おい、ダービー。聞く気はないだろうが、一応親切心で言ってやる。
今すぐに花京院の魂を戻し、わしらをDIOの所へ案内するなら・・・・命だけは助けてやるぞ」
「・・・・・」
するとテレンスはコントローラーを置いた。
「私の兄はギャンブルの天才だった・・・そしてイカサマの天才だった・・・」
「?」
「兄はスリルのあるギャンブルを求めて世界中を旅していた。
大金を稼ぎ、魂をコレクションにしては自分の生きがいこそギャンブルにあると思っていた・・・・しかし、この私に対して生まれてこの方、1度として・・・
『おい、弟よ・・・いっちょ、ポーカーゲームをしてみようぜ』
と言ってきたことはなかった、1度としてね。
何故だと思うね?」
「何の話をしているんだ、てめー」
「普通は兄弟ならゲームくらいはするだろう?私も子供の頃は学校の友達としたぐらいだ、兄弟なら一緒にいる時間が長い。
それなら遊ぶだろう?トランプであろうが電子機械だろうが至極当たり前のように・・・・しかし、兄はしなかった。
恰好の勝負相手がいるのに1度としてないんだ、1度としてね」
「「「・・・・・」」」
「私が15歳の時、私のガールフレンドに兄がちょっかいを出した事があった。
10歳年上の兄をしこたまブチのめしてやった!
アバラをへし折り、血反吐を吐くまで蹴りを入れてやった。
その時も兄は『俺が悪かった』と言ったきりさ・・・何故だと思うね?」
「さあ?
・・・・でも、そのしこたまブチのめしているのを知った彼女さんは心底あなたが怖くなったでしょうね。
私だったらドン引きだわ、お兄さんもお兄さんだったけどあなたもあなたね。
それで結局あなたは何が言いたいの?簡潔に言うなら『お兄さんより自分の方が強い』と言いたいの?」
肘をつきながらため息をつく里美。
「ええ、兄は私には決して勝てないと子供の時から知っていたということだ・・・・兄には勝てない理由があるということだ。
そして里美、君もだ。
一軒調子づいてかっ飛ばしているかに見えるが・・・・実は怖がっている。
子供の時の兄のようにとても不安がっている。
私の能力に不安を抱いている・・・・「まさかな」、「いや・・・ひょっとして」と思っている。
そうじゃないかな?里美・・・違うかな?」
笑いながら見てくるテレンス。