エジプト編・第9話 『アトゥム神』のテレンス・T・ダービー
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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『JAGUARS』が先攻だ。
『ピッチャー、投球モーション!』
『RED DRADONS』の15番の選手がポジションにつく。
『第1球!』
投手が投げた。
ブオオォォン・・・
「「!?」」
『ストライク!』
空振った、バッターが空振ったのだ。
カチ!カチ!カチ!
「お、おい・・・里美、今・・・何をしたんだ?投手がボールを投げる前にバットを振ったぞ!?」
里美はジョセフの言葉を無視してスイングのボタンを打ちまくる。
「里美、お前・・・何でそんなにスイングしてるんだ?」
「いやぁ~・・・実はこのゲーム、タイミングが掴めなくて途中放棄したんだよね」
「っ・・・」
「な、何ィィッ!?やったことはあるが途中放棄しただとォォッ!?」
その後もタイミングが合わずに空振りしている里美、それを見て焦りまくるジョセフ。
「大丈夫、大丈夫」
「なあ―――にが大丈夫だぁぁ!?お前、全くタイミングが合っていないんだぞ!!」
「それでも大丈夫ですって、ゲームって操作はやって覚えるものですから。
これでも前に比べればタイミングの誤差がなくなった方で・・・」
「「そういう問題じゃあないッ!!」」
2人の怒声に耳を塞ぐ里美。
「分かってるのか?!お前は魂を賭けたんだ!!もう降りることはできないのだ!!」
「・・・・」
「分かってますよ、ジョースターさん。
承太郎もそんな不安そうな顔しないでよ、こういう時は励ますものだよ。
『まだ1回の表だ、焦るところじゃあない。頑張れ、里美』ってね」
「てめー・・・・」
「こんな雰囲気で応援なんぞする気になれん・・・一体何を考えているんじゃ、里美」
もはや呆れ顔の承太郎とジョセフ。
「里美」
「はい?」
「仮にど素人を装って私を油断せる魂胆なら『無駄だ』と忠告しておきますよ。
私はいかなる時でも油断はしない!
赤子であろうと魂を賭けた相手は全力でやっつける!」
「でしょうね」
里美はテレンスを睨みつけた。
「ジョースターさん、承太郎、私が何を考えているか教えてあげる。
私は今、目の前にいるこの天狗になっている男をコテンパンに打ちのめして、鼻っ柱をへし折り、花京院くんの魂を取り戻す方法しか考えていない」
「ふん、まあ強気になるのは勝手ですが・・・・まだ1回表1アウトです、試合を続行しましょう。
11点の差がつけばコールドゲームで試合終了となるということをお忘れなく」
「ご忠告どうも」
里美は黄色のボタンを押して次の打者を出す。
しかし次の打者もストライクを連発。
〈ふむ、マジにこのゲームに関しては里美はド素人のようだ、弱すぎる。
柔道の達人が相手の柔道着の着方を見ただけで実力を見分けるように手応えで感じて分かる〉
〈どうするんじゃ!承太郎!!このままでは里美の奴、魂を取られてしまうぞ!!〉
〈・・・・・〉
それぞれの思いが渦巻く。
しかし里美は動揺した様子はない、逆に何かを考えているようだ。
〈ふん・・・何を考えてそんなに真剣に画面を見ているのかは知らないが、このダービーは油断は決してしない。
このゲームのバッターの弱点は全て覚えている、次は・・・・外角の低めへ。
得意球の最高シュートボールを叩き込んで3者凡退といこう〉
コントローラーを動かすテレンス。
「1回表2アウト、2ストライク、ノーボール。続いて投げます」
「どうぞ、バッティングの方はだいたい覚えたので」
「!?」
投球ボタンを押した後、耳を疑う発言にテレンスは里美を見た。
〈今・・・何と言ったんだ、こいつ・・・。
バッティングの方は・・・何だと?
『だいたい覚えた』と言ったのか・・・・?一体何のことだ?何のことだ!?〉
テレンスが動揺している間もゲームは続けられる。ボタンを押したことにより投手のアトゥム神が投げる、投球は打者のアイス・フェアリーに向かっていく。
カキィィ――――ン!!
投球は見事に打ち返された。