エジプト編・第9話 『アトゥム神』のテレンス・T・ダービー
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「ブロックされた!」
「ふふふふ」
テレンスは花京院のマシンを先に行かせない様に操作をする。
「ここさえ決めてしまえば、もう私の勝利です。
何故なら同じ能力のマシンで同じスピードならこの状態で追い越すことは不可能ッ!
そして残念ながらこのダービーがレース中に操作ミスをすることは絶対にないッ!
甘かったですね、花京院!!」
「そうかな?」
「何?」
勝利を確信したように言うテレンスを笑う花京院。
そしてコントローラーの十字の方向キーを『法皇の緑(ハイエロファント・グリーン)』がグルグルと押しまくる。
すると花京院のマシンは回転してテレンスのマシンに体当たりした。
テレンスのマシンはカーブに激突する。
「これで仕切り直しだ」
「十字ボタンを回転させるように押したッ、このテクニック・・・!マシンがスピンして私のマシンを弾き飛ばしたッ・・・!
花京院・・・貴様、このゲームやり込んでるなッ!」
「答える必要はない」
マシンは再びスタートするため、並んだ。
今度はテレンスと花京院、2人ともアクセルボタンを連打して力を貯めている。
「なんということだ・・・一歩間違えれば自分がコースアウトの危険があると言うのにッ・・・それを恐れずにあえてスピンをさせて私のマシンのブロックを崩すとはッ!
ただこの『F-MEGA』をやり込んでいるだけではない、その外見からは想像もできないほどのとても大胆な性格を持った奴だ!」
「花京院!早くマシンをコースに戻し、スタートするんじゃ!」
再びレースがスタートする。
「おお!今度は同時じゃ!同じパワーでスタートしたぞッ!並んでいるッ!」
「いや・・・花京院の方がアウト側になってしまっている。
このまま並んでコーナーに突っ込めば外側の方が不利だぜ」
「心配無用だ、承太郎。
時速355・・・358・・・360・・・。
第1コーナーまであと3秒!このスピードでのコーナリングは可能ッ!
フルスロットルでコーナー突入ッ!2秒・・・1秒!」
十字ボタンの右方向機ボタンを持つ。
ギュルルルルルルルッ!!
「同時じゃッ!
同じ速度で同時に曲がったぞ、並んでいるッ!!」
「すごい・・・」
「気に入りましたよ、花京院ッ!
魂を賭けているというのに少しもビビらない、恐怖を乗り越えたゲーム操作!
あなたのように手応えのある相手じゃあないと私の人形コレクションに加える価値がない・・・!」
花京院典明は思った・・・。
〈僕が恐怖を乗り越えているだって・・・?
フフフ、ありがとうよ。
鍛えられたからな・・・6カ月前、お前の主人のDIOに出会って脳ミソに肉の芽を植え付けられた時に恐怖に対して鍛えられたからな・・・〉
以前来たエジプトの記憶が蘇る花京院。
〈あの時、DIOに出会った時、正直言ってDIOという怪物に僕はビビった・・・。
足がすくんで体中の毛が逆立ち、全身が凍り付いた。
DIOを見て、動けない自分に気づき『金縛りにあっているんだろうな』と思うとますます毛が逆立ったのがわかった・・・。
胃が痙攣して、胃液が逆流した。反吐を吐く1歩手前さ!
DIOはそんな僕を見ながらこう言った・・・しかも小さい子供に優しく言い聞かせるように・・・。
『花京院くん・・・恐れることはないんだよ、友達になろう』
その言葉を聞いたとき僕はホッとしたんだ・・・正直言って心の底から安心したんだ。
まだまだ生きられるんだと、そう思った・・・。
しかし・・・・屈辱だ!許せない!!
これ以上の屈辱はないッ、自分が許せなかった!
奴に精神的に屈した自分を呪った!承太郎や里美に助けられて、この旅に出た理由もそれだ!
2度とあの時の惨めな花京院には戻らないッ!ダービー、お前と魂を賭けて闘うのもそれが動機さ!
だから、このゲームで『この花京院典明に精神的動揺による操作ミスは決してない!』と思っていただこう!!〉
『第2コーナーまであと1秒30ッ!』
「3・・2・・1!」
「また同時に曲がった!」
その後、第3コーナー、第4コーナー、第5コーナー、全部同時に曲がっている。
「同時じゃ!全部同時に曲がっているぞッ!」
「くうう・・・」
テレンスも厳しそうだ。
「次は第6コーナーじゃッ!」
「そしてすぐ後には加速トンネル!でも幅は1台ずつしか通れないッ!」
「このまま並んで走っていてはどちらかの車がはみ出るぞ!!
第6コーナー、これも同時だァァ!!」
どんどんトンネルが近づいてくる。
「花京院、押し負けるな!!」
「気づいていないようですね、花京院!私に押し勝つつもりですか?
君の28番のパワー残量数値を見てごらんなさい」
「!」
両方のマシンのパワーゲージを見ると花京院の方がわずかに少ない。