エジプト編・第3話 アヌビス神
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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〈うおわあ――――っ!やった!!
船が現れた!助かった―――っ!!船体に当たれば船頭が不思議に思って抜こうとするだろう!そうしたら心を乗っ取ってやるッ!!
船頭の心を乗っ取って、承太郎に反撃開始だァ――っ!!〉
と、意気込んでいたはよかったが実際に突き刺さった場所は・・・。
「モオォ――――ッ!?」
牛のお尻だった。
〈ゲ――――ッ!!牛が乗っていた―――ッ!〉
いきなり自分の尻に刃物が突き刺さったのと、あまりの痛さに牛は暴れまわる。
船体は大きく揺れて、牛はというとマストに頭突きをしだす。
〈ま・・・まて!暴れるなっ!!落ち着け―――っ、この牛ィィ――――っ!〉
アヌビス神も焦る。
〈そ、そうだっ!牛の心を乗っ取ってやるッ!〉
しかし船の一部が壊れ、牛が後ろ向きで落ちる。
〈ぎゃあぁぁ――――っ!!乗っ取るのが間に合わない―――っ!!!〉
船頭も牛が落ちない様に手綱を引っ張る、牛も落ちまいと前足を踏ん張る。
しかしアヌビス神の突き刺さっている尻の方はというと完全にナイル河に浸かってしまっている。
「おい、見ろよ!あそこの牛、やけに荒れてるぜ!」
遠目から見ていたポルナレフ、承太郎、里美。
「ポルナレフ・・・・今は牛より私の方が重症なんだけど・・・」
「ああっ、そうだったな!!わりー、わりーッ」
「本当に悪いと思ってる・・・?」
「思ってるよ!お詫びに俺が抱っこしてやるからよ!」
「待て、ポルナレフ」
見ると承太郎の空気が・・・。
「わ、わかったよ承太郎・・・そう怒るなって・・・」
ポルナレフは冷や汗ダラダラである。
自分が心底惚れた女は絶対に誰にも触れさせたくないという独占欲の塊・空条承太郎である。
〈ヒエエエエエエ!!〉
敵を倒して一件落着感満々の承太郎たちとはうって変わり牛が暴れてナイル河に落ちて、尻からもすっぽ抜けて河底に落ちてしまうアヌビス神。
〈お――い!誰か助けてくれッ!
お・・・おい、魚ども!ちょっとこっちへ来な!ちょいと俺の体に触ってみてくれ!!
おッ!そこのカニさん、お願いだ!俺を河岸まで連れて行ってくれっ!美味しいエサをあげるよ、いくらでも!!〉
しかし、生物の本能からなのか魚もカニも近寄らず、そっぽを向き、逃げて行ってしまう。
〈あっ!待って―――ッ!どこ行くの!?見捨てないで!!2、3日で錆びてしまうんだッ、助けてくれ――――っ!〉
いくら叫んでも水の中の生物たちは無反応である。
〈ヒィィィィィ!孤独だよ――――っ!〉
こうして冥府の神、墓地の守護神の暗示の『アヌビス神』のスタンドは再起不能になったのだった。
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「そうか、そんなことがあったのか。災難だったな、承太郎、里美」
「ああ」
「全くね、女の子のお腹にこんな傷なんか作らせて・・・」
ジョセフとアヴドゥル、イシズに合流し、とりあえずカフェで休むことになり自分のスタンドで治療を開始する里美とアヴドゥルに貼り薬を貼ってもらう承太郎。
原因を作ったポルナレフはというとまたイギーにちょっかいを出して顔に飛びかかられ、屁を浴びせられていた。
「くっせ――――っ!!おい、何を食ったらこんな屁が出るんだッ!!」
「ぐふふッ!」
イギーはしてやったりという顔である。
「もう2度とあいつとトコ屋には行かねー・・・」
「「うむ」」
ジョセフもアヴドゥルも同意見のようだ。
「さて・・・次はルクソールだな」
―――――――
かつてファラオ(エジプトの王様)たちは墓泥棒からの盗掘を防ぐためナイル中流の奥深い険しい谷に死後の安住の地を求めた、これが王家谷である。
しかし、それでも何十とある王墓の盗掘は相次いでいる。
だたその中でもたった1つ盗掘を免れて近代まで残っているのが有名なツタンカーメン王の王墓である。
そしてそのツタンカーメン王の墓地も含まれる王家の谷がある場所こそ、これからジョセフ達の向かうルクソール(旧テーベ)である。
「ルクソールってどんなところなんですか?」
「王家の谷って聞いたことあるでしょ?」
「はい、エジプトの王様のお墓ですよね」
「ああ、その王家の谷がある地域がルクソールだ。
大きな声では言えんがあの岩山にある村は墓泥棒たちの子孫の村だ。
いまだにどこかの家の地下では金銀財宝を求めて政府に内緒で洞窟を掘っている奴がいるということだ」
「まだ発見されていない墓や財宝があるってことか?」
「ひょっとしたらな」
「でも死者からしたらいい迷惑よね、静かに眠りたいのに寝床にまで来て騒がれちゃあね」
「それにお墓に遺骨と一緒に埋葬した物品も権威の象徴っていうのもあるかもしれないけど御守りという意味で埋めたものもあるわけでしょ?それを盗られちゃうって嫌だなあ」
「里美は優しいのう、わしも墓地まで来ても騒がれたらかなわんわい!」
カフェで治療しながら暢気に話をしている一行、しかし――――ルクソールに厄介なスタンド使いが2人も待ち受けているのをまだ知らない。
続く