エジプト編・第2話 『クヌム神』のオインゴと『トト神』のボインゴ
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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北回帰線(北緯23度27分)が通過するところ――――
このナイル川流域を「ヌビア地方」と呼ぶ。
かつて古代エジプト人はこの地の花崗岩の石材から数々の神殿や彫刻、記念碑を造っていた―――。
そして現在、エジプト人はこの地に貯水量世界第2位のアスワン・ハイダムを1971年に完成させているのである。
そしてその地のある小道にマンガ本を開いて呼んでいる男の子がいた。
「めずらしいですねェ、エジプトにもコミックとかマンガなんてあったんですかァ~~」
その男の子に若い男性の旅行者が話しかけていた。
「ね、ねえ・・・恐縮だけどそのマンガ、ちょっと見せて貰えませんか?あ、お菓子食べます?
実は僕、取材旅行中の漫画家なんですよ。珍しい本や漫画に非常に興味があるんですよ!
古郷の家じゃあ本がいっぱいあり過ぎて重さで部屋が傾いてしまったんですよ」
男はお菓子の袋を取り出した、男の子は封を切ってポリポリ食べだす。
「美味しいかい?」
「・・・・(コクリ)」
「よかった!で~・・・どうですかね?代わりに僕のこの双眼鏡貸しますから」
「・・・・」
男の子はマンガと双眼鏡を取り換えっこして覗き込む。
「ありがとう!え~っと、なになに・・・タイトルは『オインゴとボインゴ兄弟の大冒険』」
男は煙草に火を着けてマンガを読みだす。
「へえ~、なかなか変わった絵だな~~、印刷は抜群にしっかりしてるぞ!
でも作者の名前はないのか・・・ふ~ん、内容は・・・・」
『あるところにとても仲のいい兄弟がいました―――』
そのくだりから物語は始まっていた。
『俺の名はオインゴ、ぼく・・・ボインゴ、弟のボインゴはとても内気なので兄のオインゴがいないと何もできません。
いつもひとりぼっちです。
兄のオインゴがでかけている時、ボインゴは知り合った旅人にとても親切にしてもらいました。
お菓子をもらったり、双眼鏡をのぞかせてもらったり・・・ボインゴはとても楽しい時を過ごしました。
しかしその親切な旅人は・・・・
「おっ、10時半だ!」
電柱に首が突き刺さって死んでしまいました』
「な・・なんか変なマンガだなあ、エジプトじゃあこんなのが喜ばれるの?」
ポリポリとお菓子を食べている男の子に男性は気味悪そうに聞いた。
「それにこの本、変だぞ?ここから先のページ真っ白だ・・・・何にも印刷されてない、落丁本だな・・・。
でも、ほんの数ページだが・・・奇妙な迫力と存在感がある。
不躾なお願いだけど、この本、ぜひ僕に売ってくれませんか?」
男性が男の子に詰め寄ると後ろから声がする。
「だめだね、売り物じゃあねえ!」
「え!」
「弟の本は売り物じゃあねえ・・・・とっとと消えな・・・」
「お、弟さん・・・?」
男は後退る。
「てめー、聞こえなかったのかッ!とっとと消えろと言ってるんだッ!」
「ヒエッ!!」
男はびっくりして走り去ってしまう。
「弟よ、知らねー奴と口をきくなと言ったろうが・・・世の中、悪い奴がいっぱいいるんだからな」
兄は弟である男の子に言って聞かせる。
そのときバスのアナウンスの流れる。
「急ぐか・・・奴ら負傷した仲間のためにアスワンの病院に来るというからな」
しかし、男の子が肩に飛びついて、兄にマンガを見せた。
「なるほど、しょうがねーな・・・4時間待って次のバスで行くか」
バスを見送った兄弟。
しかし、次の瞬間・・・・そのバスはトラックと正面衝突し、転倒していた。
そしてあの男性も電柱の釘に体を貫かれて亡くなっていた。
「おい、事故みたいだぜ」
「バスとトラックか・・・」
「メチャメチャ・・・」
「バスが倒れて人が外まで飛ばされてるわ、亡くなった人もいるわね」
事故現場を車で走行していたジョースター一行、急いで病院に向かっていた。
花京院とアヴドゥルが負傷し、里美がスタンドで治療をしていたがンドゥールとの戦いで気力が減ってきたため倒れてしまったのだ。
「ひとまずわしらはアスワンの病院へ急ごう、20~30㎞だ」
「すみません・・・ジョースターさん・・・私がもっと継続出来たら・・・」
「いや、里美はよくやった。君の精神を削ることになるのだから気力体力を奪うことになる。今はゆっくり休むといい」
イシズに寄りかかりながら休む里美。
ジョースターたちはそのままアスワンにある病院へ急行するのだった。