エジプト編・第1話 『愚者(ザ・フール)』のイギーと『ゲフ神』のンドゥール
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「ぐはっ!」
矢が当たるほんの手前で軌道をずらしたため顔面へに刺さることは防げたものの、矢はンドゥールの頬を深く抉って飛んで行った。
そして体勢を崩したせいで杖をどこかに転がしてしまった。
「高瀬里美・・・なんて女だッ!自分では私の位置が捉えることができないからといって・・・まさか承太郎のスター・プラチナに『自分のスタンド能力を使わせる』とは!!
しまった!今の攻撃で奴らの位置を見失ってしまった!どこだッ、どこに行ったのだッ!」
そして杖がないことに気づいて慌てて探し出す、幸いにも遠くには飛ばされていなかったようですぐに見つけられたが、肝心の承太郎たちの居場所が確認できない。
「動いてはいない・・・どこかにじっとしている・・・・くっ!奴らの作戦か!
ど・・・どこだ、どこにいる!承太郎、高瀬里美・・・」
「「・・・・」」
「つっ!」
ンドゥールは何かの気配に気づいた。
「ククク・・フハハハハ・・・、そうか・・・・」
愉快そうに笑いだすンドゥール。
「もうそこまで近づいていたとはな・・・もしこの水のスタンドを自分のところまで戻して周囲をガードしていなかったなら、承太郎・・・お前に背後から倒されていたという事か・・・。
そして、高瀬里美・・・・今、私の前でわざと動いたのは囮になるためだな。
氷のガードを覆っているから攻撃されても防げるのを見越して、わざと動いたなッ・・・」
「・・・・そうよ」
「では、もはやこの杖で音を探知する必要はなくなったようだ・・・」
ンドゥールは杖から手を離した、傾いて砂の上に倒れる杖。
『オラァ!』
スター・プラチナの拳を食らわせようとした時だ、ンドゥールの水のスタンドがンドゥール自身の頭を貫いた。
「ゲフッ!」
「なにッ!?」
「つっ!?」
「フフフ・・・お前たちの考えていることはわかっている、私からこれから出会う8人の仲間のこと聞き出そうとする気だろう・・・?
生憎、私は敵にそこまでお人よしではない・・・・『3人』も射程距離に入られた時点で私は既に敗北している・・・最強ともいえる攻撃力のスター・プラチナをもつお前と最強ともいえる防御力のアイス・フェアリーの高瀬里美がここに来たことで私の敗北は決まった」
「なんてこと・・・すぐに治療を!」
「寄るなッ!!」
まだ形残る水のスタンドで威嚇をするンドゥール。
「私は何も教えん!1つでもあの方・・・・DIO様の不利になることはな・・・」
「てめーら、なんだってそんなにしてまでDIOに忠誠を誓う?死ぬほどにか・・・」
「承太郎・・・私はな、死ぬことなんかこれっぽっちも怖くはないね・・・。
フフ・・・スタンドの能力のせいで子供の頃から死の恐怖なんか全くない性格だったよ・・・、どんな奴にだって勝てたし、犯罪や殺人も平気だった・・・警官だって全く怖くなかったね・・・・」
そう言ってイギーの方を見る。
「あの犬は俺の気持ちがわかるだろうぜ・・・そんな私が、初めて『この人にだけは殺されたくない』と心から願う気持ちになった。
その人はあまりにも強く、深く、大きく、美しい・・・そしてこの私の価値をこの世で初めて認めてくれた・・・この人に出会うを私はずっと待っていた・・・。
『死ぬのは怖くない、だが・・・あの人に見捨てられ殺されるのだけは嫌だ』
この意味が分かるか・・・?フフフ・・・」
「悪には悪の救世主が必要ってこと・・・?」
「そうだ・・・正義と悪は紙一重、お前たちにとってあの人は悪でも私たちにとっては正義なのさ・・フフフ・・・」
里美の答えに満足そうに笑うん。
「最期に良いことを教えてやろう・・・・私の名はンドゥール。
スタンドはタロットの起源ともいうべき『エジプト9栄神』のうちの1つ『ゲフ神』の暗示・・・大地の神を意味する!
お前たちは私を倒した者たちだ、だから私のことだけは教えてやる・・・」
そう言ってンドゥールは息絶えた。
「『エジプト9栄神』・・・」
「やれやれ・・・タロットカードの起源ともいうべき土地の神々の暗示か」
承太郎と里美はンドゥールを砂漠に埋めて杖を墓標のように突き立てる。
「人を狂信的に操るDIOというのはいったい・・・どんな男なんだ・・・」
「さあ・・・?でも、あのンドゥールや今まで戦ってきた敵のスタンド使いを思い出してみると何かしら逆らえない・・・魅入ってしまうところがあるんだと思う・・・」
ンドゥールの墓に手を合わせる里美。