エジプト編・第1話 『愚者(ザ・フール)』のイギーと『ゲフ神』のンドゥール
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「こ・・・これ、さっきの・・・」
「スピードワゴン財団のヘリコプターね・・・でもこの有様はただごとじゃあないわ!」
「まさか・・・スタンドか!敵のスタンドの攻撃が当たって墜落したのか!」
「ねえ・・!」
ジュナが声を発して何かを指している。
そこには先ほどの操縦士のうちの1人がいた、体をヘリコプターに挿まれている。
どうやら逃げ出そうとしたようだ、機体の壁を掻きむしっているような恰好をしている。
「死んでいるみたいだな・・・」
「だが、用心しろ・・・何かが機体の中に潜んでいるかもしれん」
「ああ」
承太郎は用心をして近づき、機体の中を確認した。だが何かいる痕跡はなかった。
そして操縦士の様子を伺うと口の中に水が溜まっていた。
「水?」
顔を横向けにして出させるとかなり大量にあるらしくどんどん砂漠を濡らしている。
しかも水と一緒に小魚まで出てきた。
「この人・・・死因は墜落したときの外傷じゃないくて、溺死・・・?」
「ああ、しかしこんな砂漠のど真ん中でどうやってだ!いったい、何に襲われたんだ!?」
「おい!」
少し離れたところからポルナレフが呼んでいる。
「もう1人はこっちにいるぜ!幸いにも生きてる!」
「でも怪我をしてる!待っててくださいね、今治しますから!」
里美がスタンドで傷を癒す。
「大丈夫かッ!しっかりしろっ!!」
ジョセフたちも駆け寄ってくる。
「一体何があったの?何に襲われたの?」
治療中もその操縦士はガタガタブルブルと震えていた。
「み・・・」
「え?」
「み・・ず・・・」
「水?」
「水が欲しいのか?ポルナレフ、そこに転がっている水筒を持ってきてくれ」
「あ、ああ・・・」
「ほら、しっかりしろ。水だ、ゆっくり飲むといい」
ジョセフが起こし、水筒の蓋を開けて飲ませようとするが、飲み口を見た瞬間、操縦士の顔色が変わる。
「ヒ、ヒィィィッ!!違うゥゥゥ~~~~ッ、水が襲ってくるんだあぁぁぁぁ!!!」
すると水筒から水の手が出てきたかと思うと操縦士の顔を掴んで捩じり切り、水筒の中へ引き込んだ。
「「きゃあぁぁぁッ!!」」
「敵のスタンドだ!離れろ!!」
固まっている里美は承太郎が、ジュナは花京院が掴んで水筒から二手に分かれて距離をとる。
「す、水筒から・・手が・・・」
「ああ、俺も見たぜ」
「しかしスピードワゴン財団は無関係の者なのに襲いおった!おのれッ・・・アヴドゥル、どんなスタンドか見たか?」
「見えたのは『手』だけでした、しかしまだ水筒の中にいます、出て行ったところは見ていませんからね」
「イシズ・・・本当に知らないのかい?」
「ええ、私の知りえるスタンド使いでDIOの近くにいる者はタロットの大アルカナの暗示を持つ連中だけよ。こんなスタンド使いがいることなんてエンヤ婆からも他の顔見知りのスタンド使いたちからも聞いたこと・・・いいえ、ちょっと待って・・・・もしかして・・・」
「何だ?どうした?」
「もしかして私たちタロットカードの暗示にこだわり過ぎているんじゃない?
タロットカードの発祥は諸説あってどれかは不明とされているけどエジプトが発祥と言う説もあるわ」
「だから何だってんだよ?」
「『9栄神』・・・」
「きゅ、キュウエイシンだァ~?」
「数字の『9』に『栄える神様』と書いて『9栄神』、私はマジシャンでいろんな国を回っている、その時、その国の伝説とか言い伝えとか文明みたいなのにも触れることがあるのよ。
DIOに出会う前にエジプトに来た時、エジプト文明の有名な神様の名前を聞いたことがあるわ」
「それが『9栄神』・・・」
「そうよ、私が聞いた名前は『エジプトの9柱の神々』っていわれていてヘリオポリス創世神話に登場する神様たちだったわ。
もしかしたら今現れているスタンドはその9つの神々のどれかの暗示を持つ者かもしれないわ」
「なるほどなァ、ちなみにその『9つの神々』ってのは名前はなんていうんだ?」
「たしか・・・ゲフ神、クヌム神、トト神、アヌビス神、バステト神、セト神、オシリス神、ホルス神、アトゥム神・・・だったかしら・・・」
「能力はわからないのか?」
「ごめんなさい、能力まではわからないわ・・・何しろエジプト神話の神様はギリシャ神話や北欧神話、日本の神話みたいに何の神様なのか詳細がわからないものが多いから。
せめて今襲ってきているのが何の神の暗示をもつのかが解ればよかったんだけど」
悔しそうにしているイシズ。