「き、貴様・・・『恋人（ラバーズ）』のカードの暗示とかいったな・・・。い、いったいなんだ、それは！？」

同じく吹っ飛ばされて血を吐いたジョセフ。

「もう戦いは始まっているのですよ、ミスター・ジョースター」

そう言われて周りを見回す一同。

「愚か者どもが・・・探しても私のスタンドはすぐには見えはしないよ。
だが、イシズ・・・お前はだいたいの想像はついているんじゃないか？」

「・・・っ」

「まあ。実際に見なければわからんだろうな。
そこで・・・おい、小僧。駄賃をやる、その箒の柄で私の足を殴れ」

紙幣を渡された男の子がダンの足を箒の柄で叩こうとする。

「はっ！まさかっ！！」

「殴れッ！」




バシッ！！



「うがあッ！！」



叩かれたところと同じ場所が痛みだす。

「ど、どうしたんですか・・・？ジョースターさん・・・？！」

「わからん！わからんが激痛がッ！！」


「気づかなかったのか！？ジョセフ・ジョースター、私のスタンドは体内に入り込むスタンド！
さっきエンヤ婆が死ぬ瞬間、耳からあなたの脳の奥へもぐりこんでいった！」

「体内に・・・入り込むスタンド・・・」

「イシズさん、あなたが言おうとしていたのは・・・」

「そうよ、こいつのスタンドは言っての通り『体内に入り込むスタンド』よ。
でも、承太郎が攻撃する前じゃ誰に入り込んだのかわからなかったから！
だからむやみに攻撃するなって言おうとしたのよッ！！」

「っ・・・」

「ふふふふ・・・・後悔しても遅かったな、承太郎。
つまりスタンドは一心同体！スタンドをキズつければ本体もキズつく。
逆も真なり！この私を少しでもキズつけてみろッ！同時に脳内で私のスタンドが私の痛みや苦しみに反応して暴れるのだ！
同じ個所を数倍の痛みにしてお返しする！
しかもラバーズはDIO様の肉の芽を持って入った！脳内で育てているぞ！
そして十数分もすればエンヤ婆のように内面から食い破られて死ぬのだ！」


するとまた男の子が駄賃欲しさに箒の柄でダンの足を叩いた。
しかし、ダンは「誰が２回殴って良いと言った？」と怒り、男の子を殴って退散させた。

「フン・・・まあ、はっきり言って私のスタンド『恋人（ラバーズ）』は力が弱い。
髪の毛１本動かす力もできない史上最弱のスタンドさ・・・・・。


だがね・・・、人間を殺すのに力なんぞいらないのだよ。わかるかね？諸君！」

ダンはニヤリと笑う。

「もし・・・この私が交通事故にあったり、偶然にも野球ボールがぶつかって来たり、躓いて転んだとしても・・・・ミスター・ジョースター、あなたの身には何倍ものダメージとなってふりかかっていくのだ・・・」

手をポキパキ鳴らすと義手のはずが生々しいく感覚が襲う。

「手がッ・・・義手のはずの右手にまで本物の感触のように・・・！！」



ガツッ！！


承太郎がダンに掴みかかった。

「承太郎！落ち着けッ！馬鹿はよすんだッ！！」

花京院が止める。

「いいや、こいつに痛みを感じる間を与えず瞬間に殺して見せるぜ」

「痛みも感じない間の一瞬か・・・ほう～～～、いいアイデアだ・・・やってみろ、承太郎。

面白いな・・・どこを瞬間にぶっ飛ばす？
ホレッ、言ってみろ？顔か？それとも喉か？

ほれ、どうした！試してみろよ！どうなるかやってみろよ、胸に風穴をあけるってのはどうだ？
それともスタンドは止めて、石で頭を叩き潰すってのはどうだ？
ほら、石を拾ってやるよ。このぐらいのでかさでいいか？」


調子に乗ったダンが人の頭くらいの石を掴む。


「調子乗って、あんまりなめた態度をとるんじゃあねーぜ、俺はやると言ったらやる男だぜ」

承太郎がまた掴みかかる、しかしダンのスタンドが体内に入り込んでいるジョセフは首を絞めつけられているような苦しみを感じる。

「駄目だってば！承太郎！！そんなことしたらジョースターさんが死んじゃうよ！！」

「そうだ！こいつの能力はすでに見ただろう！自分の祖父を殺す気か！！」


里美と花京院が承太郎を、アイス・フェアリーとハイエロファント・グリーンがスター・プラチナを取り抑える。