「親父～！千寿郎～！昼飯だ！」

そこへ晴哉の娘たちを腕に抱えた那津蒔がももと葉月を連れて戻ってきた。

「ふむ、では行こうか」

「はい！」


千寿郎は立ち上がって那津蒔たちに駆け寄っていった。



その後、昼ご飯の最中、始終ニコニコしていた千寿郎を不思議に思った那津蒔から問いかけられたので瀬津寿に教えてもらった那津蒔の過去を打ち明けた結果・・・。



「何話してくれてんだ！！このクソ親父ッ！！（顔真っ赤）」


「こらこら、品の悪い言葉遣いを使うんじゃない、那津蒔」

「うるせーよっ！俺の口の悪さはアンタに似たんだ！！」

「人聞きの悪いことを言うんじゃない、晴哉は大人しいじゃないか」

「兄貴もちゃんとアンタに似てるんだよ！腹黒いところとか、いざとなった時に恐ろしくなるところとかな！！」

「腹黒いとはまた人聞きの悪い・・・」

「事実だろうが！！」


瀬津寿と那津蒔の鬼ごっこが始まってしまった。

「あらあら」

葉月は微笑ましそうに見ている。

「あわわわわっ・・・」

自分のせいで二人が喧嘩になってしまったと思った千寿郎は焦っている。

「大丈夫よ、いつも父子喧嘩はあんな風なんだから」

「で、でも・・・」


瀬津寿が山に逃げ込んだので那津蒔も後を追って入ってしまった。


「大丈夫よ、しばらくしたら帰ってくるわ」


葉月の言う通り、しばらくした後に二人は戻ってきた。

「ゼェ―・・・ゼェ―・・・」

「（微笑）」


疲れ切って肩で息をしている那津蒔と『フフフ・・・』と笑みを絶やさずにいる瀬津寿。

「千寿郎くん、呼吸を使いこなせれば私と那津蒔のように疲労の差が出てくるよ。
今の君は最初から全力投球して精魂尽き果てた那津蒔と一緒だ」

〈このクソ爺っ・・・（怒）〉

「ということだ、しっかりと呼吸を極めような？」

疲れながらもギリギリと歯軋りして瀬津寿を睨む那津蒔と気づいているが知らんぷりしている瀬津寿。


『瀬津寿には絶対逆らえないな』と苦笑しながら確信した千寿郎だった。


























続く