本編主人公の出番少なめ、原則名前のみ出演です。
海野家の千寿郎くん その2
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「千寿郎くんは今日から特訓だったね」
「はい」
「緊張しているかい?」
「・・・・はい」
まだ何も分からない千寿郎、しかし朝、薪拾いをしたあの山を使うのは確かなようだ。
「心配いらないよ、那津蒔がやり過ぎないように父上も監督するからね」
晴哉が瀬津寿の方を見る、
「私も実践を退けたが腕を鈍らせるわけにはいかないからな、しっかりと見させてもらうよ」
「はい、よろしくお願いします!」
元気な返事にニッコリ笑う瀬津寿。
「千寿郎、食べるのはほどほどにしとけよ。特訓の最中しんどくなるからな、最初のうちは腹八分目までにしとけ」
ガツガツ食べている那津蒔が忠告してくる。
「あなたが言っても説得力ありませんよ」
ため息をつく葉月。
「俺は千寿郎よりも体がデカい分、八分目の量も違うからな」
『その八分目の量を飯を作るのに苦労しているのは海野家の女たちなのだが・・・』と思っている長男次男嫁と椛だった。
―――――――――――――――
そして朝餉の後、少し体を休ませると山に向かった千寿郎と那津蒔、今度は瀬津寿も一緒だ。
「それじゃあ、これから特訓に入るぞ」
「はい!」
「分かっていると思うが激しく動くこともあるから俺たち『水龍(すいりゅう)』の奴らが修練の際に使用している服を着てもらうぞ。
亀甲門岩倉家の育てた特殊な蚕の糸で作った着衣だから滅多なことじゃ破れない。
『壊す』とか『破る』とかそういう心配はしなくても良いぞ、思いっきり存分に使ってくれ」
「はい!ありがとうございます!
・・・・あの、それで・・・どんな特訓をするんでしょうか?」
「山に登って降りる」
「え?」
「朝、薪拾いに行っただろう?朝、登った道順をまた登って、下山した道をまた降る。
数日はこれを繰り返すぞ」
「?」
『そんな単純なことでいいの?』と思った千寿郎だが次の那津蒔の言葉に顔が真っ青になる。
「朝と違う点と言えば、一つはお前が一人で登って降りてくること。二つ目は通る道のあちこちに罠が仕掛けてあるから避けながら進むことだな」
「へ?罠?」
「ああ、さっき通ってきた来た道にな。朝もあったんだぞ」
「!?」
軽く言ってのける那津蒔。
「鬼灯にいる俺の使役鬼の術で目に見えなくしておいて、俺が避けて通ったからな。お前は俺の後ろをついてきたから落ちなかったんだよ」
「・・・・・」
「だが、今度は俺の鬼の術はないし、俺も親父も引率はしない。お前が自分の感覚を駆使して登って降りるんだ。身体能力と感覚能力の向上の特訓だな。煉獄家の庭先でやってた筋肉強化とは違うからな、下手すりゃ大怪我するぞ」
「・・・・・」
自分一人と言われたら急に不安になってくる千寿郎、山を見上げる。
「千寿郎くん」
不安そうな表情の千寿郎に瀬津寿が声をかける。
「心配するな、私も那津蒔も視覚には見えなくとも君の様子をちゃんと見ているからな」
「瀬津寿さん」
「それに『本当に死にそう』になったときは助けるから、それまで頑張りなさい!ハッハッハッハッ!!」
「親父・・・気休めにもなってねぇぞ」
〈死にそうになったらって何ですか!?〉
笑顔でポンポンと千寿郎の肩を叩く瀬津寿に対し、ますます不安な顔をする千寿郎とため息をつく那津蒔だった。
そして那津蒔に『最初の一歩が肝心だ!男になって来い!千寿郎!』と背中を押されて山の中に入り込んだ千寿郎。
最初は順調に山を駆けていた、杏寿郎の教えもあり、周囲に気を配り、罠に警戒する。
しかし自然というのは厄介なもので・・・・。
プチン・・・ベシンッ!
「!?」
撓(しな)った木の枝が千寿郎目掛けて向かってくる。
「はい」
「緊張しているかい?」
「・・・・はい」
まだ何も分からない千寿郎、しかし朝、薪拾いをしたあの山を使うのは確かなようだ。
「心配いらないよ、那津蒔がやり過ぎないように父上も監督するからね」
晴哉が瀬津寿の方を見る、
「私も実践を退けたが腕を鈍らせるわけにはいかないからな、しっかりと見させてもらうよ」
「はい、よろしくお願いします!」
元気な返事にニッコリ笑う瀬津寿。
「千寿郎、食べるのはほどほどにしとけよ。特訓の最中しんどくなるからな、最初のうちは腹八分目までにしとけ」
ガツガツ食べている那津蒔が忠告してくる。
「あなたが言っても説得力ありませんよ」
ため息をつく葉月。
「俺は千寿郎よりも体がデカい分、八分目の量も違うからな」
『その八分目の量を飯を作るのに苦労しているのは海野家の女たちなのだが・・・』と思っている長男次男嫁と椛だった。
―――――――――――――――
そして朝餉の後、少し体を休ませると山に向かった千寿郎と那津蒔、今度は瀬津寿も一緒だ。
「それじゃあ、これから特訓に入るぞ」
「はい!」
「分かっていると思うが激しく動くこともあるから俺たち『水龍(すいりゅう)』の奴らが修練の際に使用している服を着てもらうぞ。
亀甲門岩倉家の育てた特殊な蚕の糸で作った着衣だから滅多なことじゃ破れない。
『壊す』とか『破る』とかそういう心配はしなくても良いぞ、思いっきり存分に使ってくれ」
「はい!ありがとうございます!
・・・・あの、それで・・・どんな特訓をするんでしょうか?」
「山に登って降りる」
「え?」
「朝、薪拾いに行っただろう?朝、登った道順をまた登って、下山した道をまた降る。
数日はこれを繰り返すぞ」
「?」
『そんな単純なことでいいの?』と思った千寿郎だが次の那津蒔の言葉に顔が真っ青になる。
「朝と違う点と言えば、一つはお前が一人で登って降りてくること。二つ目は通る道のあちこちに罠が仕掛けてあるから避けながら進むことだな」
「へ?罠?」
「ああ、さっき通ってきた来た道にな。朝もあったんだぞ」
「!?」
軽く言ってのける那津蒔。
「鬼灯にいる俺の使役鬼の術で目に見えなくしておいて、俺が避けて通ったからな。お前は俺の後ろをついてきたから落ちなかったんだよ」
「・・・・・」
「だが、今度は俺の鬼の術はないし、俺も親父も引率はしない。お前が自分の感覚を駆使して登って降りるんだ。身体能力と感覚能力の向上の特訓だな。煉獄家の庭先でやってた筋肉強化とは違うからな、下手すりゃ大怪我するぞ」
「・・・・・」
自分一人と言われたら急に不安になってくる千寿郎、山を見上げる。
「千寿郎くん」
不安そうな表情の千寿郎に瀬津寿が声をかける。
「心配するな、私も那津蒔も視覚には見えなくとも君の様子をちゃんと見ているからな」
「瀬津寿さん」
「それに『本当に死にそう』になったときは助けるから、それまで頑張りなさい!ハッハッハッハッ!!」
「親父・・・気休めにもなってねぇぞ」
〈死にそうになったらって何ですか!?〉
笑顔でポンポンと千寿郎の肩を叩く瀬津寿に対し、ますます不安な顔をする千寿郎とため息をつく那津蒔だった。
そして那津蒔に『最初の一歩が肝心だ!男になって来い!千寿郎!』と背中を押されて山の中に入り込んだ千寿郎。
最初は順調に山を駆けていた、杏寿郎の教えもあり、周囲に気を配り、罠に警戒する。
しかし自然というのは厄介なもので・・・・。
プチン・・・ベシンッ!
「!?」
撓(しな)った木の枝が千寿郎目掛けて向かってくる。