本編主人公の出番少なめ、原則名前のみ出演です。
海野家の千寿郎くん その7
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「愼寿郎殿」
「?」
その頃、海野家本家で休んでいた愼寿郎の所に瀬津寿がやってきた。
「今、お話をいいだろうか?」
「ああ」
書き物をする手を止めて瀬津寿の方に向き直る、瀬津寿も部屋に入ると障子を閉めた。
「単刀直入に言おう、例の日取りが決まった」
「例の日取り・・・ではっ!」
「そうだ、千寿郎くんの鬼殺隊の復帰試験だ」
実は千寿郎が炎の呼吸を体得する訓練を始めた数日後に瀬津寿は産屋敷家に赴いていた。
目的は『煉獄千寿郎の鬼殺隊への復帰』と『正式の階級を与えて欲しい』ということだ。
海野家が千寿郎を屋敷で預かっていることは事前に知らされており、輝哉もあまねも知っていた。そして数ヶ月の鍛錬の結果、千寿郎の炎の呼吸の体得は想像以上に速い。
しかし千寿郎は鬼殺隊には入隊はしたものの任務を受けたことがほとんどない、つまり実践不足なのだ。
そこで彼を強制的に経験を積めるために瀬津寿が提案したことが最終選別の行われる藤襲山での個人訓練だ。
決まりは最終選別と変わりなく七日七晩、鬼を斬って生き残ることだ。
今までの最終選別で唯一違うことは千寿郎一人でこの試練を乗り越えることだ、仲間のいない状態で鬼の巣窟に放り込まれる。
普通なら無謀、愚行と言われることであろうが千寿郎に足りないのは『実戦経験』だ。いきなりのことで彼も困惑するだろう。
だが、鬼舞辻と戦うというのはそういうことなのだ。鬼に有利な夜の時間の中で自分の命が危機にさらされようとも自力で回避し、敵を倒し生き残る術を見つける。
それはこれから鬼殺隊に入るために必要不可欠のことなのだ。
「日時は霧香たちが刀鍛冶の里から帰る前日の夜からだ、七日七晩、彼は一人で試練に立ち向かうことになる」
「・・・・・・」
愼寿郎の表情が少し曇った。
「杏寿郎には伝えたのか?」
「ああ」
「そうか・・・」
愼寿郎はゆっくり腰を上げると障子を開けて空を見た、綺麗な夕暮れだった。
「海野家の使役鬼たちを配置してくれるのだろう?」
「ああ、だが余程の事がない限りは助けない。私たちが出る時は千寿郎くんが『失格』と見なした時だ」
「・・・・・・」
愼寿郎は目を瞑った、何かを少し考えたようだがすぐにそれを止めた。
「わかった、お前に任せよう」
「ああ」
瀬津寿も立ち上がった。
「大丈夫だ」
「?」
ポンッと愼寿郎の方に手を置く瀬津寿。
「千寿郎くんはお前に似て強い子だ、剣の技術もお前と杏寿郎くん仕込みだ。彼なら成し遂げてくれるさ」
「・・・・・ああ、そうだな」
友人の心強い言葉に背中を押されて決心がついた愼寿郎。
千寿郎強化計画の完了は少しずつ近づいているのであった。
続く
「?」
その頃、海野家本家で休んでいた愼寿郎の所に瀬津寿がやってきた。
「今、お話をいいだろうか?」
「ああ」
書き物をする手を止めて瀬津寿の方に向き直る、瀬津寿も部屋に入ると障子を閉めた。
「単刀直入に言おう、例の日取りが決まった」
「例の日取り・・・ではっ!」
「そうだ、千寿郎くんの鬼殺隊の復帰試験だ」
実は千寿郎が炎の呼吸を体得する訓練を始めた数日後に瀬津寿は産屋敷家に赴いていた。
目的は『煉獄千寿郎の鬼殺隊への復帰』と『正式の階級を与えて欲しい』ということだ。
海野家が千寿郎を屋敷で預かっていることは事前に知らされており、輝哉もあまねも知っていた。そして数ヶ月の鍛錬の結果、千寿郎の炎の呼吸の体得は想像以上に速い。
しかし千寿郎は鬼殺隊には入隊はしたものの任務を受けたことがほとんどない、つまり実践不足なのだ。
そこで彼を強制的に経験を積めるために瀬津寿が提案したことが最終選別の行われる藤襲山での個人訓練だ。
決まりは最終選別と変わりなく七日七晩、鬼を斬って生き残ることだ。
今までの最終選別で唯一違うことは千寿郎一人でこの試練を乗り越えることだ、仲間のいない状態で鬼の巣窟に放り込まれる。
普通なら無謀、愚行と言われることであろうが千寿郎に足りないのは『実戦経験』だ。いきなりのことで彼も困惑するだろう。
だが、鬼舞辻と戦うというのはそういうことなのだ。鬼に有利な夜の時間の中で自分の命が危機にさらされようとも自力で回避し、敵を倒し生き残る術を見つける。
それはこれから鬼殺隊に入るために必要不可欠のことなのだ。
「日時は霧香たちが刀鍛冶の里から帰る前日の夜からだ、七日七晩、彼は一人で試練に立ち向かうことになる」
「・・・・・・」
愼寿郎の表情が少し曇った。
「杏寿郎には伝えたのか?」
「ああ」
「そうか・・・」
愼寿郎はゆっくり腰を上げると障子を開けて空を見た、綺麗な夕暮れだった。
「海野家の使役鬼たちを配置してくれるのだろう?」
「ああ、だが余程の事がない限りは助けない。私たちが出る時は千寿郎くんが『失格』と見なした時だ」
「・・・・・・」
愼寿郎は目を瞑った、何かを少し考えたようだがすぐにそれを止めた。
「わかった、お前に任せよう」
「ああ」
瀬津寿も立ち上がった。
「大丈夫だ」
「?」
ポンッと愼寿郎の方に手を置く瀬津寿。
「千寿郎くんはお前に似て強い子だ、剣の技術もお前と杏寿郎くん仕込みだ。彼なら成し遂げてくれるさ」
「・・・・・ああ、そうだな」
友人の心強い言葉に背中を押されて決心がついた愼寿郎。
千寿郎強化計画の完了は少しずつ近づいているのであった。
続く
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