本編主人公の出番少なめ、原則名前のみ出演です。
海野家の千寿郎くん その5
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「そうか・・・使役鬼と対面を」
「ええ、彼が強く願い出たので――・・・どうやら霧香の使役鬼が記録していた日誌を香炉家の療養所で見たようでして」
「日誌?」
「ええ、霧香の使役鬼の習慣の一つでして・・・いくら使役しているとはいえ常々、鬼灯を訪れるということはありません。
主がいない間のことは結界内で鬼たちの好きにさせています。
その間のことを日誌に書いて霧香が来た時に見せていたのだと思います」
「そうか・・・」
日誌を書いてそれを訪問してきた主に読み聞かせるとは―――・・・・何というか。
「『人間らしい鬼』って思ったかい?」
「!?」
那津蒔に言われて肩が少し動く槇寿郎。
「やっぱりな、霧香も言ってたぜ」
「そう、なのか?」
「ええ、自分が人間だった頃に書いていた小説を後生大事に保管していたらしいですから」
「自分の書いた小説を・・・」
鬼になれば人間だった頃の記憶など無くなってしまうはずなのに――・・・。
「不思議だな、鬼というものは・・・」
今まで欲望のままに人間を喰らう鬼しか見て来なかった槇寿郎にとって霧香の使役鬼の存在は認識を変えるきっかけになったかもしれない。
「よろしければ、会われてみますか?我が家の使役鬼たちに」
「・・・・・・」
少し考え込むが首を横に振った槇寿郎、今はまだその時ではない。
「そうですか」
晴哉は残念そうに言うと話を元に戻す。
「では明日から日中は剣術の稽古、夕方と夜には体術稽古に切り替えましょう」
「ああ、わかった」
「それからあなたもお酒を飲む回数が減ったとはいってもまだ体調が芳しくない。教える合間にも休息を取って下さいね」
「ああ、そうしよう」
そこへ安岐の『ご飯よー!』という声が聞こえた。
「昼餉が出来たようですね、少し休みましょう。那津蒔、千寿郎くんを連れてきてくれ。私たちは先に行っているから、きちんと汗を流してくるようにな」
「おう」
那津蒔を千寿郎たちの方へ向かうのを見届けると晴哉は槇寿郎と共に部屋に向かうのだった。
続く
「ええ、彼が強く願い出たので――・・・どうやら霧香の使役鬼が記録していた日誌を香炉家の療養所で見たようでして」
「日誌?」
「ええ、霧香の使役鬼の習慣の一つでして・・・いくら使役しているとはいえ常々、鬼灯を訪れるということはありません。
主がいない間のことは結界内で鬼たちの好きにさせています。
その間のことを日誌に書いて霧香が来た時に見せていたのだと思います」
「そうか・・・」
日誌を書いてそれを訪問してきた主に読み聞かせるとは―――・・・・何というか。
「『人間らしい鬼』って思ったかい?」
「!?」
那津蒔に言われて肩が少し動く槇寿郎。
「やっぱりな、霧香も言ってたぜ」
「そう、なのか?」
「ええ、自分が人間だった頃に書いていた小説を後生大事に保管していたらしいですから」
「自分の書いた小説を・・・」
鬼になれば人間だった頃の記憶など無くなってしまうはずなのに――・・・。
「不思議だな、鬼というものは・・・」
今まで欲望のままに人間を喰らう鬼しか見て来なかった槇寿郎にとって霧香の使役鬼の存在は認識を変えるきっかけになったかもしれない。
「よろしければ、会われてみますか?我が家の使役鬼たちに」
「・・・・・・」
少し考え込むが首を横に振った槇寿郎、今はまだその時ではない。
「そうですか」
晴哉は残念そうに言うと話を元に戻す。
「では明日から日中は剣術の稽古、夕方と夜には体術稽古に切り替えましょう」
「ああ、わかった」
「それからあなたもお酒を飲む回数が減ったとはいってもまだ体調が芳しくない。教える合間にも休息を取って下さいね」
「ああ、そうしよう」
そこへ安岐の『ご飯よー!』という声が聞こえた。
「昼餉が出来たようですね、少し休みましょう。那津蒔、千寿郎くんを連れてきてくれ。私たちは先に行っているから、きちんと汗を流してくるようにな」
「おう」
那津蒔を千寿郎たちの方へ向かうのを見届けると晴哉は槇寿郎と共に部屋に向かうのだった。
続く