海野家の千寿郎くん 鬼灯でこんばんは2

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この小説の夢小説設定
本編主人公の出番少なめ、原則名前のみ出演です。
煉獄ヒロイン
悲鳴嶼ヒロイン
海野家の先祖

「幸いにもその時は夜だったから、僕はそのまま家を出たよ。
街中ではなかったし、外へ出ればすぐに人気が無くなったから安心した。
直感でわかったんだ、僕は人間じゃなくなったんだってね・・・それでしばらくは獣の住処だった穴倉や大木の少し大きめの隙間とかに身を隠して獣たちを喰って生活してたんだ」

「そこを晴哉様に助けてもらったのよね?」

そこへ阿古夜がやってきた。
阿古夜は雲雀童子よりも少し前に晴哉の使役鬼になっていて彼が晴哉と契約を交わす時に一緒にいたのだ。

「たまたま近くで任務があってね、阿古夜ともその任務で出会ったんだよ。
その帰り道に『ある山に最近、猟師ではない獣狩りが出る』という噂を耳にしてね。
訪れてみたら彼がいたというわけだ、最初は警戒されてしまったけれども事情を聞いてみれば先ほどの経緯。
私が『鬼舞辻を倒すお役目をしている』と話したら協力させてほしいと願い出てくれたのでね、使役の契約を結び、我が家に迎えたというわけだよ」

ズズズッ・・・と茶を飲みながら話してくれる晴哉。

「僕は友人の最後をあんな形にした無惨が許せない、喰らってしまった自分にも罪はあるけれど・・・でも!アイツ(無惨)のしていることはそれ以上にひどいことだ!
僕の様な人をこれ以上生み出させたくない!だから晴哉様と一緒に討つと決めたんです!!」

「うん、その気持ちは嬉しいよ。だが今しばらく修練が必要だよ、雲雀。
お前も千寿郎くんと同じようにまだ自分の力を発揮しきれていないのだからね」

「はい!日夜、津雲さんにご教授賜っています!」

「うむ、そのおかげもあり最近は黒椎や紅虎にも挑めるようになった。
結果は毎回敗北しているが、最初の無鉄砲さに比べたらしっかりと戦い方を覚えてきている」

「そうかい、津雲がそう言うならば安心だよ」

「ちょっと津雲さん!!一言多いよ!!」

「何がだ?」

「毎回敗北してるって!引き分けてるときもあるのに!!」

「あれは二人が加減してくれているからだ」

「むむむっ・・・」

雲雀童子は口を尖らせてしまう。

「君はすごいね」

千寿郎は雲雀童子に言った。

「え?僕が?」

「だって僕とそんなに年が違わないのに頑張ってるんだから」

「そうかな?えへへっ!」

照れ臭そうに笑う雲雀童子だが千寿郎の肩を叩く。

「でも君も今、頑張るためにここに来てるんでしょ?」

「!」

「一緒に頑張ろうよ、鬼とか人間とかそんなのは関係ない!
頑張ろうとしている人はみんな心が強い人なんだからね!」

『ニシシッ!』と笑っう雲雀童子。

「そ~れ、晴哉様の受け売りでしょ?」

「ちょ、阿古夜!!バラさないでよ!!僕せっかく良い事言ったのに!!」

「だってホントのことで・しょ!」

「むむむ~~っ!!」

目の前で険悪な雰囲気になる二人だが外からの足音で睨み合うのを止めた。

「お、来たか?」


津雲が立ち上がると外へ出た、誰かと会話していると思っていると自分と体格に大差ない大きな男鬼を連れて戻ってきた。

〈ヒイッ!?〉

津雲の時のように固まってしまう千寿郎。


「こんばんは、響凱。よく来てくれたね」

「お招き感謝する、晴哉殿」


そこでようやく彼が霧香の使役鬼の響凱だということに気付く。

「あの鬼が霧香さんの・・・」

「?」

響凱がこちらを見たのでびっくりしてしまう千寿郎。
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