本編主人公の出番少なめ、原則名前のみ出演です。
海野家の千寿郎くん 鬼灯でこんばんは
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『大正○○年 〇月×日
霧香、今日から大きな任務に就くと聞いた。那田蜘蛛山ではお前に庇われて傷を負わせてしまったが、今度こそ小生はお前を守ってみせる。
小さな任務では小生の手を借りずに済んでいるようだが、那津蒔の話では今回の任務は復帰してからこなしているものとは比べ物にならないほどの危険なものだと・・・。
小生はお前と契約を結び、海野家の力を与えられてから戦い方にも努力を重ねてきたつもりだ、もっと小生を頼ってくれ。小生にとって大事なのは何よりも霧香なのだから』
『大正○○年 〇月×日
霧香、海野家の中が少々騒がしくなってきた。晴哉も椛も、先程音羽も急いで鬼灯から連れ出されていた。
何が起こっているのだ?五大呪術師家は呪術家主体の鬼狩り部隊もあると聞いているから別のことでも忙しなくなっているのだろうか・・・霧香、小生はお前が任務に就いていることもあり、とても不安だ』
「・・・・・」
千寿郎は一頁一頁ゆっくりと読んでいく、霧香の言う通り手紙とも見れるが、響凱が日々の自身の気持ちを書き込めている日記とも見える。
〈とても綺麗な文字で書かれている・・・それに霧香さんのことをとても気にかけている。文章の節々から感じられる〉
千寿郎は読み進んでいくとある頁で目を止めた。
「つっ・・・」
『大正○○年 〇月×日
黒椎と紅虎が神妙な顔をして帰ってきた。
小生が問うと「霧香が任務中に上弦の鬼と遭遇、負傷した」と答えた。
目の前が真っ暗になった、霧香が小生の目の届かぬところで負傷をした。
小生はどうすればいい?どうすればいいのだ?』
おそらく無限列車の任務が終わった後にあった出来事のことを書いているのだろう。
炭治郎が話してくれた、那津蒔の使役している二人の鬼が術を使用して兄と霧香の応急処置をしてくれたと・・・・。
『大正○○年 〇月×日
書き留めることに日を空けてしまった。
小生は生きた心地がしない。
霧香が・・・霧香が上弦の鬼との戦いで深手を負い、生死の境を彷徨っている。
そして小生に遺言を残したそうだ。
許せぬ、上弦の鬼め・・・恨めしい、恨めしい!
この手ですぐに討ちに行けたならば、だが那津蒔や黒椎たちに止められ、最後は津雲殿に一喝されてしまった。
だが、この怒り、どこにぶつければいいのだ?
小生はお前を失うのか?お前を失えば、小生はまた人間を喰い、力を恐れた臆病者に戻るのか?そんなことは嫌だ!独りにはなりたくない!
頼む、神よ仏よ。小生はもはや人道に外れた者、罰が下ろうとも構わぬ。しかし霧香は・・・我が主人を助けてくれ、どうか頼む!』
「本当にこの響凱という方は鬼なのですか?」
千寿郎はいつしか食い入るように読み進めている。
「ねえ?人間らしい鬼でしょ?」
クスクス笑っている霧香。
「響凱はね、自分が人間の時に書き溜めていた原稿用紙を鬼になってもずっと大切に保管しているくらい人間らしいんだよ。
それに趣味に鼓も打つんだ、力強いけど響きがとてもいい音を出すの」
「趣味に鼓・・・」
頷く霧香、聞けば姉の椛の使役鬼と一緒に演奏もするそうだ。
『鬼』というのは血肉に飢え、人間を貪り食う、悪しき存在とばかり思っていた。
しかしこの日記を見ると印象が一気に変わった。
―――――――――――――――
「そうか、俺が持っていた響凱の日記を読んだのか・・・」
「はい、僕は鬼を誤解していたのかもしれません」
「いや、誤解はしてねー・・・『鬼』は悪しき者、それに変わりはねぇ。
だが・・・響凱みたいに『人間臭い』奴もいるってことさ、一人の人間を思い、敵討ちだと暴れて、帰ってきたら涙を流して喜ぶ・・・人間と大差ない鬼もいるってな」
茶を飲みながら少し笑っている那津蒔。
「炭治郎の妹の事もあるしな、認識を変わってきた奴が出てくるのは嬉しいことだ」
湯呑を置いて立ち上がる那津蒔。
「千寿郎、今日の夜、時間空けといてくれるか?」
「え?」
「鬼灯にお前を入れる許可を親父にもらってくる」
「つっ!はい、ありがとうございます!」
こうして千寿郎は那津蒔の計らいで鬼灯に入ることを許された。
霧香、今日から大きな任務に就くと聞いた。那田蜘蛛山ではお前に庇われて傷を負わせてしまったが、今度こそ小生はお前を守ってみせる。
小さな任務では小生の手を借りずに済んでいるようだが、那津蒔の話では今回の任務は復帰してからこなしているものとは比べ物にならないほどの危険なものだと・・・。
小生はお前と契約を結び、海野家の力を与えられてから戦い方にも努力を重ねてきたつもりだ、もっと小生を頼ってくれ。小生にとって大事なのは何よりも霧香なのだから』
『大正○○年 〇月×日
霧香、海野家の中が少々騒がしくなってきた。晴哉も椛も、先程音羽も急いで鬼灯から連れ出されていた。
何が起こっているのだ?五大呪術師家は呪術家主体の鬼狩り部隊もあると聞いているから別のことでも忙しなくなっているのだろうか・・・霧香、小生はお前が任務に就いていることもあり、とても不安だ』
「・・・・・」
千寿郎は一頁一頁ゆっくりと読んでいく、霧香の言う通り手紙とも見れるが、響凱が日々の自身の気持ちを書き込めている日記とも見える。
〈とても綺麗な文字で書かれている・・・それに霧香さんのことをとても気にかけている。文章の節々から感じられる〉
千寿郎は読み進んでいくとある頁で目を止めた。
「つっ・・・」
『大正○○年 〇月×日
黒椎と紅虎が神妙な顔をして帰ってきた。
小生が問うと「霧香が任務中に上弦の鬼と遭遇、負傷した」と答えた。
目の前が真っ暗になった、霧香が小生の目の届かぬところで負傷をした。
小生はどうすればいい?どうすればいいのだ?』
おそらく無限列車の任務が終わった後にあった出来事のことを書いているのだろう。
炭治郎が話してくれた、那津蒔の使役している二人の鬼が術を使用して兄と霧香の応急処置をしてくれたと・・・・。
『大正○○年 〇月×日
書き留めることに日を空けてしまった。
小生は生きた心地がしない。
霧香が・・・霧香が上弦の鬼との戦いで深手を負い、生死の境を彷徨っている。
そして小生に遺言を残したそうだ。
許せぬ、上弦の鬼め・・・恨めしい、恨めしい!
この手ですぐに討ちに行けたならば、だが那津蒔や黒椎たちに止められ、最後は津雲殿に一喝されてしまった。
だが、この怒り、どこにぶつければいいのだ?
小生はお前を失うのか?お前を失えば、小生はまた人間を喰い、力を恐れた臆病者に戻るのか?そんなことは嫌だ!独りにはなりたくない!
頼む、神よ仏よ。小生はもはや人道に外れた者、罰が下ろうとも構わぬ。しかし霧香は・・・我が主人を助けてくれ、どうか頼む!』
「本当にこの響凱という方は鬼なのですか?」
千寿郎はいつしか食い入るように読み進めている。
「ねえ?人間らしい鬼でしょ?」
クスクス笑っている霧香。
「響凱はね、自分が人間の時に書き溜めていた原稿用紙を鬼になってもずっと大切に保管しているくらい人間らしいんだよ。
それに趣味に鼓も打つんだ、力強いけど響きがとてもいい音を出すの」
「趣味に鼓・・・」
頷く霧香、聞けば姉の椛の使役鬼と一緒に演奏もするそうだ。
『鬼』というのは血肉に飢え、人間を貪り食う、悪しき存在とばかり思っていた。
しかしこの日記を見ると印象が一気に変わった。
―――――――――――――――
「そうか、俺が持っていた響凱の日記を読んだのか・・・」
「はい、僕は鬼を誤解していたのかもしれません」
「いや、誤解はしてねー・・・『鬼』は悪しき者、それに変わりはねぇ。
だが・・・響凱みたいに『人間臭い』奴もいるってことさ、一人の人間を思い、敵討ちだと暴れて、帰ってきたら涙を流して喜ぶ・・・人間と大差ない鬼もいるってな」
茶を飲みながら少し笑っている那津蒔。
「炭治郎の妹の事もあるしな、認識を変わってきた奴が出てくるのは嬉しいことだ」
湯呑を置いて立ち上がる那津蒔。
「千寿郎、今日の夜、時間空けといてくれるか?」
「え?」
「鬼灯にお前を入れる許可を親父にもらってくる」
「つっ!はい、ありがとうございます!」
こうして千寿郎は那津蒔の計らいで鬼灯に入ることを許された。