本編主人公の出番少なめ、原則名前のみ出演です。
海野家の千寿郎くん その4
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「それだと前には倒れないわよ、千寿郎くん」
ムクリと起き上がると千寿郎の背後に回る椛。
「こんなに力が入っていたら苦しいでしょう、一度体を起こして」
「・・・・ふぅ―・・・まだ、力入ってますか?」
「今の呼吸の仕方は無意識にまだ固まっている筋肉が出したものよ。足を組んで、体の力を抜いて。ほら、腕プラプラさせてごらん」
前に周り、千寿郎の両手を持つとプルプルと震わせる。
上下、左右にプルプル震わせる。千寿郎の体の力がどんどん抜けていく。
「そうそう、腕から関節、背中・・・呼吸をしながら、みーんな力抜いて」
「ふうぅ――・・・ふうぅ――・・・」
「その調子よ、そのまま前に倒れてごらん」
胡坐をかいたまま前屈する千寿郎。
「そのまま鼻から息を吸って・・・」
言われたように息を吸う、よく感じてみると鼻から吸われた呼吸は頭を通り、背中から腰へ流れていく。
背中の両側に風船があるように『スーッ』と入っていく。
「吐いて・・・吸って、吐いて・・・」
風船を膨らませる、しぼませる・・・体の中を何かが巡っているように感じる。
「吐きながら戻ってきて・・・」
倒した体を戻す。
「どう?今までやっていたのと今やってみたのと・・・視界が違うんじゃない?」
「はい・・・とても爽快です、苦しくなく視界が開けてます!」
「うんうん!呼吸は気持ちよくしなきゃね!」
千寿郎は自分なりに呼吸法を練習していたつもりだが、こうも楽で頭がすっきりする、まさに爽快感を感じたのは椛の指導が初めてだ。
「椛、もしよければ千寿郎くんの訓練に協力してくれないか?」
「私も?」
「そうだ、お前に頼みたいのは主に体の解し方だ。那津蒔の訓練は耐久性が主軸だ。
しかしそれは呼吸法、筋肉の使い方、柔軟さが伴っていなければ伸びにくい。お前は兄妹の中で一番柔軟性が高い肉体の持ち主だ、霧香も元々固い体だったのがお前と一緒に解しの訓練をしたからあそこまでの身のこなしができるようになったのだ」
雪の呼吸の使い手の霧香、『群雲(むらくも)』や『積雪の舞(せきせつのまい)』などゆったりとした動きもあれば『八星模様(はちせいもよう)』や『星氷柱(ほしつらら)』などの動きの速い技、また『乱れ霰(みだれあられ)』など速さの強弱がつく技など様々な身のこなしができる。
呼吸や体の柔軟性、筋肉の使い方を心得ているからそこできることだろう。
起源となった『水の呼吸』も緩急の激しい技もあるのだ。
「お願いします、椛さん!僕に身のこなし方を教えてください!」
千寿郎も頭を下げる。
「これは・・・断るわけにはいかないわね」
こうして千寿郎に椛の『体の柔軟性向上訓練』も加わることになったのだった。
続く
ムクリと起き上がると千寿郎の背後に回る椛。
「こんなに力が入っていたら苦しいでしょう、一度体を起こして」
「・・・・ふぅ―・・・まだ、力入ってますか?」
「今の呼吸の仕方は無意識にまだ固まっている筋肉が出したものよ。足を組んで、体の力を抜いて。ほら、腕プラプラさせてごらん」
前に周り、千寿郎の両手を持つとプルプルと震わせる。
上下、左右にプルプル震わせる。千寿郎の体の力がどんどん抜けていく。
「そうそう、腕から関節、背中・・・呼吸をしながら、みーんな力抜いて」
「ふうぅ――・・・ふうぅ――・・・」
「その調子よ、そのまま前に倒れてごらん」
胡坐をかいたまま前屈する千寿郎。
「そのまま鼻から息を吸って・・・」
言われたように息を吸う、よく感じてみると鼻から吸われた呼吸は頭を通り、背中から腰へ流れていく。
背中の両側に風船があるように『スーッ』と入っていく。
「吐いて・・・吸って、吐いて・・・」
風船を膨らませる、しぼませる・・・体の中を何かが巡っているように感じる。
「吐きながら戻ってきて・・・」
倒した体を戻す。
「どう?今までやっていたのと今やってみたのと・・・視界が違うんじゃない?」
「はい・・・とても爽快です、苦しくなく視界が開けてます!」
「うんうん!呼吸は気持ちよくしなきゃね!」
千寿郎は自分なりに呼吸法を練習していたつもりだが、こうも楽で頭がすっきりする、まさに爽快感を感じたのは椛の指導が初めてだ。
「椛、もしよければ千寿郎くんの訓練に協力してくれないか?」
「私も?」
「そうだ、お前に頼みたいのは主に体の解し方だ。那津蒔の訓練は耐久性が主軸だ。
しかしそれは呼吸法、筋肉の使い方、柔軟さが伴っていなければ伸びにくい。お前は兄妹の中で一番柔軟性が高い肉体の持ち主だ、霧香も元々固い体だったのがお前と一緒に解しの訓練をしたからあそこまでの身のこなしができるようになったのだ」
雪の呼吸の使い手の霧香、『群雲(むらくも)』や『積雪の舞(せきせつのまい)』などゆったりとした動きもあれば『八星模様(はちせいもよう)』や『星氷柱(ほしつらら)』などの動きの速い技、また『乱れ霰(みだれあられ)』など速さの強弱がつく技など様々な身のこなしができる。
呼吸や体の柔軟性、筋肉の使い方を心得ているからそこできることだろう。
起源となった『水の呼吸』も緩急の激しい技もあるのだ。
「お願いします、椛さん!僕に身のこなし方を教えてください!」
千寿郎も頭を下げる。
「これは・・・断るわけにはいかないわね」
こうして千寿郎に椛の『体の柔軟性向上訓練』も加わることになったのだった。
続く