第19話 約束
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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ただいま帰りました~」
「うむ!おかえり!」
玄関までたどり着いた霧香。
「もういらしてたんですね・・・」
「うむ!少し前に着いたぞ!」
未の刻とは今でいう十三時から十五時までのこと、現在は十三時を少し過ぎた頃だ。
確かに未の刻ではあるが、早い・・・。
〈少し休めると思ったのに・・・〉
荷物を下ろして草履を脱ぐ霧香、杏寿郎にも中に入るように促す。
「体の方はどうだ?」
「ええ、しのぶさんからもお墨付きをいただきました。一族の医師の意見とも一致です」
「それはよかった!」
そのまま客間に通して座るように促す。
「それで今日のご用件は?」
「畑を見に来た!」
「は?」
「前回の『畑を見に来ても良いか?』という問いに対して君は『来るときは一報を入れてくれ』と言ってたからな!」
「あははは・・・」
確かに言った、言ったな・・・。
「帰ってきて早々申し訳ないがいいだろうか?」
「ええ。ただ、歩きで行くのは時間がかかるので馬を使うことになりますがいいでしょうか?」
「うむ!問題ない!」
その後、馬を走らせて二人は海野家の屋敷から少し離れた畑へと向かった。
海野家の畑は水源豊富な土地にあった、野菜の種類も豊富だ。
「霧香様!」
「こんにちは」
畑は『種(たね)』といわれる見張り番が世話をしている。
「数ヶ月ぶりに畑の様子を見に来たんです、皆さん変わりはありませんか?」
「ええ、お陰様で」
そこで杏寿郎の存在に気付く見張り番。
「そちらの方は?」
「こちらは鬼殺隊の現炎柱の煉獄杏寿郎さんです」
それを聞いた種の見張りは慌てて頭を下げる。
「そのように力を入れなくてもいい!俺は今日は柱とは関係なく来たんだ!」
「はあ・・・」
あまりの勢いにポカーンとなっている。
「まあ、こういう方なので気にしないで下さい」
苦笑をする霧香。
「さて、じゃあ始めましょうか?」
「む?」
杏寿郎はいきなり言われたので『?』マークを浮かべたが着流しから農作業姿に着替えさせられ、ある畑に案内された。
「これは・・・」
「唐芋畑です」
「よもや!」
そう、杏寿郎が連れて来られたのは唐芋が植えられている畑だった。唐芋は今でいう『さつま芋』のことである。
「これが全てさつま芋なのか!」
青々した葉や蔓を見て杏寿郎の目がキラキラ輝いている。
「ええ」
霧香がしゃがみ込んで土を掘り始める。
「こうして、土を丁度いい具合に掘り出して・・・」
杏寿郎のはそれをじーっと見ている。
「よし、後は腰に力を入れて引っこ抜く!」
ズボッ!
「おおっ!!」
蔓の先には土のついた掘りたてのさつま芋。
「これがあの噛み応えも甘さも絶妙な海野家のさつま芋か!」
「はい、煉獄さんもやりましょう」
「うむ!」
霧香のやっていたように土をいい具合に掘り出し分ける。
「このくらいか?」
「はい」
「よしっ!あとは腰を据えて・・・」
グッ!
蔓を掴んで引っ張る。
「フンッ!むむうっ!!」
ズボッ!ドスンッ!
さつま芋を引き抜いたは良いものの勢い余って後ろへ転倒する。
「大丈夫ですか!?」
「つつっ・・・ハハハ!この歳になって尻もちをつくとは、よもや恥ずかしい!ハハハ!」
起き上がって恥ずかしそうに頭をかく杏寿郎。
そしてその顔を見た瞬間、霧香も笑っていた。
「プッ・・・フフフフ!」
「?」
どうして霧香が笑っているのかわからない杏寿郎。
すると懐から手ぬぐいを取り出して杏寿郎の顔を拭き始めた。