第18話 機能回復訓練
名前変換
この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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パシッ――!
互いが掴んだ湯吞を互いの手で抑えている。
「「・・・・」」
「そこまで!」
どうやら引き分けのようだ。
「ありがとうございました」
「・・・・・」
礼をする霧香に対してカナヲも頭を下げる。
「霧香さん」
「え?」
「弟子にしてください!」
「いや、無理」
「即答!」
「私のは体に叩き込んだものだから、炭治郎は何をするべきか、わかっているんじゃないかな?」
ポンッと肩を叩く霧香。
「何をすべきか・・・」
「炭治郎は全集中・常中を会得するには肺を強化することを分かっている・・・・だとすれば、すべきことは師匠から教えてもらっているはずだよ」
出口へ歩き出す霧香。
「頑張って、炭治郎」
――――――――――――――――
炭治郎を励まして待合室に戻ったが二人の診察がまだかかるとのことで先に帰ることにした。
「療養期間も終了か・・・いつ任務に出るかもわからないから、明日は畑にでも行ってみるか」
明日の朝には海野家に戻ることになる。
五大呪術家と蝶屋敷は産屋敷家と同じくらい少し距離があるので宿を取って診察にやってきた霧香。
宿に向かって人通りの少ない道を通っていると前から背広を着た男が歩いてくる。
スッ――・・・
男とすれ違った時、匂いが変化した。
「・・・・」
振り返ると男と目が合った。
〈何だ、この人・・・匂いが変だ〉
今は療養中のため隊服を着ていない、つまり刀も持っていない・・・鬼だったら少し不利だ。
しかし、確信が持てない・・・鬼であるなら自分の五感が反応するはずだ。
でも目の前の男はどちらか判断できない。
「・・・・・」
男は霧香を見ている、ただ見ているだけだ。
〈気味の悪い視線、そして何なのだろう・・・この体の奥から湧き上がってくる得体のしれない感覚は・・・〉
「お嬢さん」
「!」
男が話しかけてきた。
「もうじき陽が沈みます、夜道の女性の一人歩きは危険ですから送りましょう」
来た道を戻ることになるだろうに男はそう言うとニコリと微笑みかけて来た。
「お気遣いいただきありがとうございます、でも私の家はここからさほど時間はかかりません。お気持ちだけ頂いておきます」
「そうですか、では、お名前を聞かせていただいてもよろしいですか?」
「は?」
「私の古い友人にあなたがとても良く似ているのです、ここでお会いしたのも何かのご縁でしょう・・・教えていただけませんか?」
何とも奇妙な男だ。
「私は貿易商をしている月彦と申します・・・あなたのお名前は?」
「・・・・海野霧香です」
「海野・・・」
名前を聞くとスッ―・・・と目を細めた。
「綺麗な名前だ。では霧香さん・・・お気を付けて」
そう言って『月彦』と名乗った男は行ってしまった。
月彦の後ろ姿が遠ざかって行くと沸き起こっていた嫌な感情も引いていく。
「何だったんだろう、あの人・・・」
モヤモヤを残しつつも歩き出す霧香、そこへ鎹鴉がやってきた。
「あれ?牡丹じゃない」
「カアァ―――!煉獄杏寿郎様カラノ言伝!」
「え?」
そこでようやく煉獄杏寿郎の鎹鴉だと気づいた。
「俺ノ名ハ要!煉獄杏寿郎様カラノ言伝ヲ伝タエル!!」
「何でしょう?」
先日の一件があってから煉獄杏寿郎のことが少し苦手な霧香。
「明日、正午過ギニ海野家ニ参リタイト思ウ!返答ヲ頂キタイ!」
「急だな・・・」
しかし相手は柱だ、理由もなしに断ることはできない。