第18話 機能回復訓練
名前変換
この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
詳しくは設定、注意書きをお読みください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
霧香たち華陽隊は蝶屋敷に来ていた、胡蝶しのぶから診察を受けに来るように言われたからだ。
特に霧香は『下弦の伍』の累と闘い、同じ隊士から斬り付けられたため他の二人よりも負傷が大きい。
「器官や臓器の回復は問題ないでしょう、おそらく呼吸を上手く使用していたのが幸いしたんですね」
「そうですか、自分では自覚はありませんが・・・」
杏寿郎の来訪から数日、海野家で療養をしていた霧香は無意識に体に無理のない程度に呼吸を行っていた。
「フフフ・・・、お師匠様の教えを忠実に守っていたからですね」
「ええ、狭霧山ではいつも気が抜けませんでしたから・・・師匠が寝ていようと隙あらば奇襲してきたので」
「あらあら、それほど熱心だったのですね」
「師匠は私の姉弟子を含め、多くの子供たちを最終選別に送り出し、再会することは叶いませんでした。
だから、なおさら『強くなってほしい
』、『無事に帰ってきてほしい』という気持ちが大きかったのでしょうね」
鱗滝が自分に施した修練を思い出す、厳しいながらも優しい日々だった。
「ただ・・・」
しのぶが苦い顔をする。
「背中の傷は跡が残ると思います・・・」
「・・・・・」
響凱を庇った時の傷のことだろう。
「飛び退いたため深手にはなりませんでしたが、範囲が大きかったです」
「そうですか・・・でも私は後悔はしていません、家族を守っての負傷ですから」
ニッコリ笑う霧香。
「あなたは鬼を家族と・・・呼ぶのですね」
「・・・・」
ふと、しのぶが暗い顔をした。
「一つ聞いてもいいでしょうか?」
「はい、何でしょう?」
「自分の鬼に自分の大切な『人間の家族』が殺されたら・・・あなたはそれでも鬼を『家族』と呼べますか?」
「・・・・・」
霧香は言葉を詰まらせた、考えたことはあった・・・でも答えを出さない様にしていた。
「・・・・許せないでしょうね、おそらく一門の取り決めに従い、滅殺します」
「!」
意外な答えに驚くしのぶ。
「『意外』ですか?」
「ええ、あなたはてっきり『許す』かと思いました」
「いいえ・・・『許す』ことはできません、両親や兄や姉は生まれた頃から共に暮らしてきた大事な家族です。
響凱でなく海野家の鬼が肉親を殺した場合でも、私は相手を滅殺します」
「・・・・・」
「矛盾してますよね、自分でもわかっています。
だから答えを出さないようにしていたんです、私は彼らを家族と思い、彼らも主である前に自分たちの『理解者』だと思ってくれている。
だから私たちは彼らを信じるんです、彼らが私たちを殺す時は自分たちが彼らを『裏切った』時です。
『裏切った者を許せなく、制裁を受けさせるまたは受ける』というのは人間でも同じです。
一族の者が殺された時は『裏切られた時』、そして一族の者が責任を取り、制裁を加える。そして己も処罰を受ける。
それが平安時代より数百年、鬼と使役の契約を結んできた私たち裏の陰陽師の在り方です」
しのぶは、自傷気味笑いながらも己の在り方を話す霧香を見て姉のカナエを思い出した。
姉の胡蝶カナエは花柱だった、しかし柱と思えないほど柔らかい印象の人物だった。
なので自分が守らなければと思っていたほどだ。
そんな姉を鬼に殺された・・・・憎い、姉を殺した鬼が・・・。
そして呆れた、姉は自分が殺されても鬼に同情していた、憐れんでいた。
自分は鬼を憐れむことはできない、鬼は嘘ばかりつく、人を喰う、この世にあってはならないもの。
そんな存在を姉は・・・。
「そうならないといいですね・・・」
「え?」
「信じてあげてください、あなたの家族を」
カルテを仕舞いながら微笑むしのぶ。
「診察は以上です、任務に行けるようにはなりますが無理はしないでくださいね」
「はい、ありがとうございました」
診察室を出た後、琴乃とアカリを呼びに行った。
そして待合室のような場所で待機していると騒がしい声が聞こえた。
「?」
何事かと行ってみると・・・。
「炭治郎?」
集合病棟のようなベッドが数台配置されている部屋に見覚えのある顔がいる。
「霧香さんっ!」
竈門炭治郎だ、そういえば蝶屋敷で療養していると聞いていたのをすっかり忘れていた。
霧香の姿を見て『パアッ!』と顔を明るくさせてブンブン手を振っている。