第17話 珍客
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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えーっと・・・」
霧香は困っていた、どうしてこうなったのか。
「うむ!うまい!」
自分の横には夕餉をモリモリ食べている煉獄杏寿郎がいる。
「うまい!うまい!うまい!」
今日の夕餉は漬物と魚の煮物、ナスのみそ汁――そしてさつま芋ご飯。
杏寿郎はさつま芋ご飯を一口食べるごとに『うまい!』を連呼している。
〈この人はいちいち『うまい』を言わないと食べられないのか・・・〉
横で鬱陶しそうに食べている霧香。
「海野少女!」
「(ビクッ!?)」
「このさつま芋はどこのものだ?」
「我が家の畑のものです・・・」
「よもや!程よい甘さだ!硬さもちょうど良い!」
みそ汁もおかずもモリモリ食べているが一番食べているのはさつま芋ご飯だ。
〈何なんだ・・・本当に・・・〉
そもそもどうしてこの煉獄杏寿郎が海野家にいるのかというと、それは本日の正午過ぎ、昼餉を済ませて少し経った後だった。
「ごめん!」
玄関の方から中庭まで響く声が聞こえて来た。
海野家の家族(兄弟)全員何事かと思っていると式神(鬼ではない)がひょっこりやってきた。
「煉獄杏寿郎という方がいらしていますが・・・」
「煉獄・・・?もしや、あの煉獄家の・・・」
「用件は?」
「霧香様にお会いしたいと」
「え?私?」
とりあえず客間に案内するように晴哉が伝えると杏寿郎の所に式神は戻って行った。
「兄上、『煉獄』というお名前はもしかして・・・・」
「うむ、代々炎柱を務めているあの煉獄家だろう・・・父上から今は長男が炎柱を継いだと聞いている」
「で、その煉獄家の坊ちゃんがどうしてウチを訪ねてくるんだよ?
霧香、お前・・・昨日の裁判の時、何かしたのか?」
「いや、何もしてない・・・はず?」
「何で疑問形なんだよ・・・」
正直、昨日のことだが内容をほとんど忘れている。響凱のことで頭が一杯だったので思い出している暇もなかった。
「とにかくお前に用件があって来たのだから、きちんとお会いするように・・・」
「はい」
「那津蒔、そろそろ出よう」
「わかった、それじゃ俺と兄貴は勤めに行ってくるが・・・粗相するじゃねーぞ、霧香」
「はーい・・・気を付けまーす」
兄たちが(表の)仕事で出てしまったので覚悟を決めて客間に向かう霧香。
「お待たせいたしました」
既に客間の上座へ案内されていた杏寿郎は庭を見ながら待っていたようだ。
「海野少女、突然の来訪で済まない!」
「いいえ、こちらこそお待たせして申し訳ありませんでした」
座布団に座った霧香をじーっと見ている杏寿郎。
「それで、私に会いに来たとのことでしたが・・・ご用件は?」
「うむ!時に海野少女、甘いものは好きか?」
「え?あ、はい・・・好きです」
「それは良かった!実はこれを来る途中で買って来た!」
そう言って包みを差し出す、中にはカステラが入っていた。
「今日は君とこれを食べながら話をしようと思って来たんだ」
「・・・・へ?」
この人は何と言ったのだ?
『甘味を食べながら話をしようと思って来た』、確かにそう言っていた、自分の聞き間違え出なければ・・・。
「あの・・・」
「ん?何だ?」
「ご用件というのは、私と話をすることでしょうか?」
「うむ!」
霧香の体を一気に脱力感が襲った。