第16話 裁判
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「おい、鬼!飯の時間だぞ!喰らい付け!」
不死川の血は穴から中の禰豆子の体に滴り落ちる。
箱の中は密閉度が高い、臭いもその分充満するだろう。いかに睡眠で飢餓状態を回避している禰豆子でも直に血を浴びせられればどうなるか・・・。
案の定、箱の中からは呻き声と板を引っ掻く音が聞こえる。
「無理するこたぁねえ・・・お前の本性を見せればいいんだ、俺が叩き斬ってやる」
「不死川、日向ではダメだ・・・日陰に行かねば鬼は出て来ない」
隣りにいた伊黒が口を添えた。
「・・・・お館様、失礼仕る」
そう言うと不死川は屋敷の中に移動し、畳の上に箱を放り投げる。
さらにまた箱の上から禰豆子を刺し始める。
「禰豆子っ・・・ゴホッ!!」
炭治郎が動こうとすると伊黒が抑えつける。
「出てこい、鬼!お前の好きな人間の血だぞ!」
刺す動作を止めない不死川、しかし・・・。
パシッ!
「つっ!?」
パンッ!
不死川の刀を持った手を誰かに掴まれたと思うと渇いた音が響いた。
「それ以上することは許さない」
霧香が不死川の手を掴み、平手打ちをしていた。
「『鬼を醜い』とあなたは言っていたけど、私からしたら今のあなたの方が鬼より遥かに醜い」
「何だと、貴様・・・」
「強さに物を言わせて従わせるのが『柱』というなら正直ガッカリです、私たちはこんな人たちのために自分たちの力を貸していたのかと・・・」
不死川を睨んだ後に今度は煉獄を睨んだ。
「『喰われた人は戻らない』と言いましたね?だったら『喰い殺したい』くらいその人を追いつめたのは誰ですか?
私たち人間です、鬼が汚いなら私たちも汚い・・・私たちだって鬼になり得る立場です、それを忘れてはいけない」
「・・・・・」
煉獄は何も言えなかった、鬼の何が悪いか根源は何か、言われてみれば彼女の言っていることにも一理あるからだ。
「何だ、お前は・・・横からしゃしゃり出てきて生意気なことをほざきやがって」
バチンッ!!
不死川の拳にすっ飛ばされる霧香。
「俺はこの鬼を試しているんだ、邪魔をするな」
そう言って不死川は箱の蓋を開けた。
「ううう・・・はあ・・はあ・・・」
箱からは禰豆子が出てくる、血走った目をして口からは涎を垂らし、必死に耐えているのがわかる。
「っ・・・」
「霧香!」
「大丈夫!?」
琴乃とアカリが抱き起してくれる、口の中を切ったのか端から血が零れる。
「私はいい・・・それより禰豆子ちゃんが・・・」
禰豆子は不死川の腕から流れる血を食い入るように見ている。
「どうした?鬼・・・来いよ、欲しいだろう?」
不死川は尚も挑発する。
「ぐうう・・・ううう・・・」
血の匂いに食らいつかない様に己を必死に抑えている禰豆子に温かい声が聞こえる。
「禰豆子ちゃん・・・」
霧香だ、彼女は不死川に殴られて顔に痣が出来ている。
『お兄ちゃんは怪我はしてるけど無事だよ・・・よかったね』
初めて会った時、鬼である自分に嫌悪感を向けなかった人・・・自分の兄と同じ、優しい匂いの人。
『人間は皆、お前の家族だ・・・人間を守れ』
〈人は守り、助けるもの・・・傷つけない、絶対に傷つけない・・・〉
バッ!
禰豆子が顔を背ける。
不死川もこの反応には驚いている。
「どうしたのかな?」
「鬼の女の子はそっぽ向きました」
「不死川様に三度も刺され、血まみれの腕を近づけられても我慢して噛まなかったです」
「では、これで禰豆子が『人を襲わない』ことの証明ができたね・・・では、次の証明をしようか」
輝哉は霧香達三人を見る。