第16話 裁判
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「古来より『人ならざる者』を人は『鬼』と呼んでいた・・・・彼女たちはその『鬼』の血を引いた陰陽師の末裔なんだ。
特殊な力を持った彼女たちの先祖を帝が『裏の陰陽師』として鬼狩りをさせていた。
そんな中、私の家と繋がることができた。
私の家のことはみんな承知しているね?
まさに鬼殺隊を結成するのに彼らの協力は大きいものだった。
彼らが我が家に協力する代わりにこちらは表から彼らの詳細を抹消し、解放した。
私と彼女たちの家の繋がりはより深いものだ、そして鬼と鬼の戦いは今、始まったことではない。
既に数百年も前から始められているんだよ。
産屋敷家は『帝や表の世界からの解放』の見返りに主に次のことを求めた。
戦闘時の陰陽術の助力、五大呪術家が所有している物資の支給、そして鬼殺隊への子供の輩出」
〈子供の輩出・・・?〉
今まで話を聞くだけだった炭治郎は見返り条件で引っかかり、霧香たちを見た。
「五大呪術家は後継ぎを除外し、最低でも一人以上は鬼殺隊隊士として育手の元へ弟子に出さなければならない。
鬼狩りの人員を増やすために両者話し合いの元取り決めたんだ、彼女たちが今ここにいるのはその約定に則って育手に弟子入りし、最終選別を生き延びた証だよ。
つまり約定を守っている以上、こちらも使役鬼や鬼と行動を共にすることを責めることはできない」
初めて聞く産屋敷家と五大呪術家の協定の歴史に柱たちはただ唖然としていた。
「そして、もう一つ・・・手紙を」
「はい」
娘が書状を取り出した。
「これは元柱である鱗滝左近次様からいただいたものです、一部抜粋して読み上げます。
『炭治郎が鬼の妹と共に在ることをどうかお許しください。
禰豆子は強靭な精神力で人としての理性を保っています、飢餓状態でも人を喰わず、そのまま二年以上の歳月が経過いたしました。
俄かには信じがたい状況ですが、紛れもない事実です。
もしも禰豆子が人に襲いかかった場合は竈門炭治郎、及び鱗滝左近次、富岡義勇が腹を切ってお詫びいたします』」
「!」
炭治郎はここで初めて鱗滝が前もって輝哉に文を送っていてくれたことを知った。
そして自分と一緒に禰豆子が人命を危機にさらした時のことを背負ってくれる覚悟で自分を剣士として育ててくれていたのだと・・・義勇も自分もが炭治郎を鱗滝へ繋いだ責任を負うつもりでいたことに涙を流した。
「切腹するからなんだというのか・・・今まで守ってきたからなんだというのか・・・死にたいのならば勝手に死に去ればいい!何の保証にもなりはしません!
五大呪術家としてもほとんどが育手の元で死亡、生き残っていたとしても『隠』とともに救護活動をしていると聞き及びます。
もし剣士として我らと任務を遂行するならば、それこそ『人間を襲わない』という保証はありません・・・報告によればその三人のうちの一人は任務中に対峙した鬼を使役したとのこと、人間の肉の味を覚えている鬼を傍らに置くなど信用するに値しません!」
「不死川の言う通りです!人を喰い殺せば取り返しがつかない!殺された人は戻らない!」
「確かに、そうだね・・・『人を襲わない』という保証もできない、確証も持てない。
でも『人を襲う』という保証も確証もこちらは持てない。
禰豆子が二年以上もの間、人を喰わなかったという事実がある。
そして五大呪術家の使役鬼たちも戦闘に加わった際に被害を出していないという事実がある。
さらに禰豆子のために三人の者の命が懸けられている。
それを否定するためには否定する側もそれ以上のものを差し出さなければならない。
皆にその意思はあるか?」
不死川も煉獄も黙ってしまう。
「それに私の子供たちに伝えておくことがまだある・・・・この炭治郎は鬼舞辻無惨と遭遇している」
輝哉の言葉に柱はもちろん霧香たちも初耳である。
「そんなまさか・・・柱ですら誰も接触したことが無いというのに!こいつが?
どんな姿をしていた?能力は!?場所はどこだ!?」
「戦ったの?」
「鬼舞辻は何をしていた?根城は突き止めたのか!?おい、答えろ!」
鬼舞辻と遭遇したということから次々に質問攻めにあう炭治郎、不死川に関しては負傷している炭治郎の髪を掴み、頭を振っている。
だが、それも輝哉の『静かに』という合図に黙り込む。
「鬼舞辻はね、炭治郎に向けて追手を差し向けているんだよ。
その理由はただの口封じかもしれないが、私はようやく見えた鬼舞辻の尻尾を掴んで放したくない。
おそらく禰豆子にも鬼舞辻の予想外なことが起きていると思うんだ。
そして使役の術は鬼舞辻の呪いを断ち切ることができる。
自分の血を受けて鬼となった者を五大呪術家の者が使役したことはあちらも気づいているだろう。
きっとこれから鬼舞辻に接触する機会も出てくるはずだ、みんなわかってくれるかな?」
輝哉は鬼舞辻を倒す絶好の巡り合わせがきているので皆にも理解してほしいと言っているのだろう。
「わかりません、お館様」
しかしそれでも納得しない者もいる。
「人間ならば生かしてもいいが鬼は駄目です!俺たち鬼殺隊がどのような気持ちで戦い、どれだけの者が犠牲になってきたか・・・承知できない」
不死川は刀で自分の腕に傷をつける。
「証明してみせますよ、俺が・・・鬼というものの醜さを!」
そして禰豆子の入っている箱を無造作に引き出して、先ほど自分が刺した穴に自分の血を垂らし込む。