第15話 隊律違反
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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胡蝶しのぶの登場に一瞬、不意をくらった霧香だが義勇が止めてくれたとこで素早く炭治郎と禰豆子の元へ駆け寄った。
「さあ、富岡さん・・・退いてくださいね」
しのぶは笑顔を崩さずに歩み寄ってくる。
「俺は・・・」
「?」
仲間を再び制すために義勇が口を開いたのかと思ったが・・・。
「俺は嫌われてない」
〈え?〉
〈気にするところソコ!?〉
どうやら今の状況よりもしのぶの言葉の方が気に障ったようだ。
炭治郎と霧香はポカーンとする。
「ああ・・・それ、すみません。
『嫌われてる』という自覚がなかったんですね、余計なことを言って申し訳ないです」
苦笑しながら答えるしのぶ。
〈ええ!?〉
〈煽ってるって!その言い方!!〉
二人は義勇を見ると表情には出していないがショックを受けているようだ。
「坊や」
「は、はい!」
「坊やが庇っているのは鬼ですよ、危ないですから離れてください」
しのぶが炭治郎に呼びかける。
「いや、違うんですっ!あ、いや・・・違わないけど、妹なんです!俺の妹で!」
「まあ、そうなのですか・・・可哀そうに」
口に手を当て悲し気な表情を見せたのもつかの間・・・。
「では、苦しまない様に優しい毒で殺してあげましょうね」
「!」
そう言われた瞬間、霧香が禰豆子を抱き上げた。
『この女の人は本気だ』と確信したからだ、隊服から見ても鬼殺隊、しかも手練れだろう。
このままでは禰豆子が殺される、話が通じる相手ではないだろう。
「動けるなら逃げろ」
「!」
霧香の行動に義勇が気づいたのだろう、背中で庇ってくれている。
「そいつと妹の鬼を連れて逃げろ、こっちは何とかする」
「ありがとうございます、行くよ、炭治郎」
「つっ・・はいっ・・」
三人はその場を駆け出した。
「・・・・これ、隊律違反なのでは?」
「・・・・・」
「本気なんですね、富岡さん・・・まさか『柱(はしら)』が鬼を庇うなんて」
「・・・・・」
しのぶの問いに義勇は答えない。
「まあ、あなたがその気であろうと私はここで時間稼ぎに付き合うつもりはありませんので・・・それではごきげんよう」
そう言うとしのぶは飛び上がり、木の枝を伝って炭治郎と霧香の後を追う。
「・・・・」
義勇もすかさず後を追う。
「それで私に追いつく気ですか?私を止めようとするのも結構ですが・・・『もう一人』いることもお忘れなく!」
――――――――――――――――
その頃、霧香と炭治郎は山を下りていた。
「炭治郎、足を止めないで!体が痛んでも走り続けて!」
「は、はいっ」
走り続ける道中で箱を掴んで背負う炭治郎、禰豆子は変わらずに霧香が抱えて走っている。
そこへ影が下り立つ。
「があっ!」
その影はまず炭治郎を狙った。
「!」
炭治郎の悲鳴を聞いた霧香が振り向くとそこには綺麗な顔立ちをした少女がいる。
その少女は白い外套の下に隊服を着ている。
〈あの女性の配下の者か・・・〉
禰豆子が目覚めているのを確認して下ろす霧香。
「禰豆子、逃げて・・・あの子は私が食い止める、とにかく遠くへ逃げなさい。誰にも掴まってはいけないよ」
「・・・・!」
少女が日輪刀を振り上げる。
「走って!禰豆子!」
「!」
霧香の声を合図に走り出す禰豆子。
ガキンッ!
少女と霧香の刃がぶつかる。
打ち合いが続くが少女が素早く禰豆子の背後に回り込み、また斬りつける。
「禰豆子!」
バチッ!
「!?」
「・・・・」
霧香がまたしても刃を止めた。