第14話 大切な人のためなら
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「お前・・・何のつもりだよ」
「言っただろう・・・『霧香にとって大事なものは小生が守る』とな」
体をバラバラにされ首だけの状態になった響凱が答えた。
「この小僧は・・・霧香にとって大事な姉弟だ、ならばそれを小生は守る、あいつが小生を『大事』だと思ってくれるように小生も『大事』だと思うからだ」
「響凱・・・」
正直、炭治郎は『死ぬ』と思った時、走馬灯を見た。
走馬灯を見る理由とは、一説によると今までの経験や記憶の中から迫りくる『死』を回避する方法を探しているからだという。
『炭治郎・・・』
走馬灯の先で一瞬見た者は亡き父・炭十郎だった。
『炭治郎、呼吸だ。
息を整えてヒノカミ様になりきるんだ・・・』
父はそう言った。
炭治郎の実家は元々炭を焼いて売っていた。
つまり火仕事をする家だった、そのため怪我や災いが起きない様に年の初めは『ヒノカミ様』に『神楽』を踊り、捧げ祈ったそうだ。
まだ父が存命だった頃、幼い炭治郎は母の葵枝に父が『ヒノカミ神楽』を舞っている姿を見せて貰った。
雪の中で衣装を着て神具を鳴らしながら舞っていた父はとても神秘的だった。
「父さんは身体が弱いのに、どうして雪の中であんなに長い間舞えるの?俺は肺が凍りそうだったよ」
幼い炭治郎は神秘的と思いながらも疑問を父に聞いた。
『息の仕方があるんだよ、どれだけ動いても疲れない息の仕方・・・正しい呼吸ができるようになれば炭治郎もずっと舞えるよ。寒さなんて平気になる」
炭十郎は自分の休んでいる布団に寝転がっている息子の頭を撫でた。
『炭治郎、この神楽と耳飾りだけは必ず途切れさせずに継承していってくれ・・・『約束』なんだ』
「!」
急に炭治郎の日輪刀が赤く変色した。
「うああああァァ―――っ!!!」
炭治郎が折れた刀を振り下ろす。
「『ヒノカミ神楽・円舞』!」
赤い炎は累の糸を一気に切断した、間合いを詰まれ過ぎた累は後ろに飛び退きながらも次の糸を放つ。
〈つっ!今なら腕は奴の頸に届く!
ここで退いても水の呼吸からヒノカミ神楽の呼吸に切り替えたことの跳ね返りがくるっ!
おそらく俺はこの後すぐに動けなくなる、なら・・・今やらなければ!
アイツを倒さなければ、禰豆子や霧香さんを守れなくなる!機会をくれた響凱の犠牲も無駄になる!
ごめん・・・父さん・・・たとえ相討ちになったとしても俺は、この鬼を倒す!!〉
炭治郎はそのまま斬り込んだ。
『禰豆子・・・』
「・・・・・」
『禰豆子・・・禰豆子、起きて』
眠っている自分に呼びかける声がある。
『今の禰豆子ならできる・・・頑張って』
必死に自分を目覚めさせようとしている。
『禰豆子・・・お兄ちゃんまで死んでしまうわよ』
「!」
禰豆子はハッとした、下を見れば相討ちを覚悟した兄が累に向かって行く。
〈お兄ちゃんっ・・!〉
メキメキッ・・・・
禰豆子の腕に血管が浮き出る。
〈血鬼術・爆血!!〉
禰豆子の血が沁み込んだ糸が燃え上がる、そして炭治郎の目の前に張られている糸も燃え落とす。
そう、一息で殺そうとした炭治郎からの思わぬ反撃を防ぐために累が使った糸が禰豆子を吊っていたのと同じものだったのだ。
禰豆子の血は燃える血、爆ぜる異能だった。
糸が焼き切れたことにより炭治郎の日輪刀が累の頸に食い込む。
〈糸を切ったところで僕の頸は斬れない、鋼糸よりも僕の体の方が硬いんだ!〉
しかし累は気づいていなかった、先ほど最初に禰豆子が霧香と炭治郎を庇った時に滴った血が炭治郎の日輪刀に付着していたことを・・・。
禰豆子の爆ぜる血と炭治郎のヒノカミ神楽の呼吸によって威力が加速する。
「俺と禰豆子の絆は誰にも引き裂けない!!」
累の頸は跳ね飛ばされた。
続く