第14話 大切な人のためなら
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「ねえ・・・」
禰豆子をギュウッと抱きしめている霧香が怒りを滲ませた声を放つ。
「何?」
「お前は家族の『絆』と言っていたけど、さっきの少女や隊員たちを操っていた本体の鬼たちは、その『家族』として君が集めたの?」
「そうだよ、父さんも母さんも姉さんも兄さんも・・・家族としてここにいるんだ、僕らは家族だ」
父には父の役割があり、母には母の役割がある・・・・親は子を守り、兄や姉は下の弟妹を守る、何があっても、命を賭けて。
「僕はね、自分の役割を理解していない奴は『生きている必要がない』と考えている。
お前はどうだ?お前らの役割は何だ?
お前らは僕に『その二人を渡して消える役目』だ、それができないなら死ぬしかないよ、勝てないからね」
「やってみなければわかない」
響凱が鼓を叩く体制に入る。
「本気なの?響凱・・・人も満足に喰えなくなって十二鬼月の数字を剥奪されたくせに・・・。それで僕に勝つっていうの?」
「小生は呪いによって縛られていた時とは違う、お前に本当の絆の深さを見せてやる。
そうすればお前も分かるだろう、己たちと小生たちとの違い、己がしてきたことの愚かさをな!」
「その言い方、イライラするな・・・それに坊やも嫌な目つきだ。揃いも揃って本当に僕に勝つつもりなのかな!!」
累が手を引くと霧香と禰豆子の体が宙に浮かぶ。
「禰豆子!」
「霧香!」
蜘蛛の糸で二人を縛り、己の元に引き寄せる累。
「ほら・・・もう奪ったよ、これで自分の役割を理解した?」
「くっ・・・」
「動かない方が良いよ、坊やの妹は鬼だけど響凱の主は人間だから、いつでもバラバラにできる」
「「つっ・・・!」」
「むん!」
ガリッ!
「いっ!?」
すると禰豆子が累の顔を引っ掻いた。
「こいつ・・・っ!!」
累は禰豆子をさらにきつく縛った上に、空中に吊るし上げる。
「禰豆子!」
「禰豆子ちゃん!」
「うるさいな、このくらいで死にはしないだろ、鬼なんだから・・・でも、やっぱりきちんと教え込まないと駄目だね、しばらくは失血させよう」
「なっ!?」
「それでも従順にならないようなら日の出までこのままにして少し炙る。
お前も早く鬼になることを決断しなよ?じゃないと四肢の骨を少しずつ折っていくよ」
「!」
累の声に耳を傾けている霧香だが禰豆子の方をずっと気にしている。
禰豆子の体は先ほどよりも負傷が大きくなり、糸の食い込んだ後から血が流れ体を伝い、滴っている。
そして血を流し過ぎたのか、とうとう気を失ってしまう。
「禰豆子ちゃんっ!」
〈独特な気配の鬼だな・・・僕たちと何か違うような・・・面白い〉
自分の新しい家族に迎えるのが楽しみだと少し浮かれていた累は自分の間合いに炭治郎が入ったことに気付くのが遅れた。
「全集中!水の呼吸・拾の型―――『生生流転(せいせいるてん)』!」
連続で回転し、攻撃を行う『生生流転』はまるで蜷局(とぐろ)を巻く龍の如し。
一撃目、二撃目、三撃目、四撃目と回転撃を増すごとに威力が上がる。
炭治郎の攻撃は累の糸を切断した、霧香を縛っている糸も解かれる。
〈このまま距離を詰めていけば・・・いけるッ!〉
攻撃を続けて間合いを詰めていくが・・・・。
「ねえ、糸の強度はこれが『限界』だと思ってるの?」
累の手が赤く変色する。
「血鬼術・刻糸牢(こくしろう)」
蜘蛛の巣状の網が幾つも広がり、炭治郎目掛けて飛んでくる。
「もういいよ、お前は・・・さよなら」
「!」
『死ぬ』と思った炭治郎だったが累の血鬼術は別の物に防がれた。
「っ・・・」
「・・・・っ!!響凱っ!!」
バラバラになった響凱の残骸が地面に落ちていく。