第14話 大切な人のためなら
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「霧香!」
ブシャッ!!
「!!」
炭治郎の前に血飛沫が上がった、しかしそれは霧香のものではない。
ポタ・・・ポタ・・・
「禰豆子ちゃん!」
「つっ・・・」
なんと禰豆子が箱から飛び出し、霧香の前に出て糸を受けたのだ。
「禰豆子!!」
炭治郎も叫びを上げる、負傷して倒れた禰豆子を急いで抱きとめる霧香。
「禰豆子ちゃんっ!しっかり!!」
「っ・・・・」
「ごめんね・・・禰豆子ちゃんにこんな真似させて・・・」
「・・・・・」
泣いている霧香の顔を禰豆子は優しく撫でて微笑む。
その光景を見て累は震えていた。
「お前・・・そいつは何だ?お前の妹か?」
「この子は炭治郎の妹だ、でも私の妹と変わりない!」
「妹が鬼になっている・・・それでも一緒にいる」
累がブツブツと言い始める。
「妹が兄と姉を庇った・・・身を挺して・・・、そしてさっきは人間が鬼を・・・家族の契りを交わした者を庇った」
「る、累・・・?」
先程まで行く末を見ていた鬼の少女が累に声をかける。
「確かに本物の『絆』だ!!欲しい・・・!!僕が欲しいのはこの『絆』だ!!」
「ちょ、ちょっと待って!!待ってよ、お願い!!私が姉さんでしょ!?姉さんを捨てないで!!」
「うるさい、黙れ!!」
累は少女の首を糸で跳ね飛ばした。
「「!」」
仮にも『家族』と言っていた者達への仕打ち、霧香と炭治郎は驚愕する。
「結局お前たちは自分の役割もこなせなかった、いつも・・・どんな時も」
「ま、待って・・・ちゃんと私は『姉さん』だったでしょ?挽回させてよ・・・」
「『姉さん』は今日からこの女(霧香)だ、もしそれが嫌なら山の中をチョロチョロしている奴らを殺してこい。そうしたらさっきのことも許してやる」
「わ、わかったわ・・・殺してくる、殺してくるから・・・」
少女は頸を拾って駆け出した。
「君たち・・・話をしよう」
急に累が落ち着いた声で話しかけてくる。
「僕はね、感動したんだよ。君たちの『絆』を見て・・・体が震えた、この感動を表す言葉は、きっとこの世にないと思う。
でも君たちは僕に殺されるしかない、悲しいと思わないかい?」
「「「「・・・・・」」」」
「悲しいよね、そんなことになったら・・・だけど、回避する方法が一つだけある。
響凱、君のご主人と坊やの妹を僕に頂戴。そうすれば坊やの命を助けてあげる。もちろん響凱、君も助けてあげるよ」
「・・・・何を言っているのかわからない」
「君の妹には『僕の妹』になってもらう、今日からね・・・そして響凱、君のご主人には鬼になってもらって僕の『姉』になってもらうよ」
「何だと!?」
「そうすれば君も今まで通り一緒に居られるじゃないか、人間であっても鬼であっても一緒にいられればいいじゃないか」
「そんなこと・・・小生は望まない!!あの男の恐怖の支配のもとに霧香を堕とすなど!小生が味わったあの苦しみを霧香にさせるなどできるわけがない!!」
響凱は鬼舞辻の恐ろしさを身をもって分かっている、だからこそ、自分を救い出してくれた霧香をあんな恐ろしい鎖の中に捕らえさせるわけにはいかない。
「禰豆子も霧香さんも『物』じゃない!意思を持っているんだ!!お前の姉、妹になんてなりはしない!!」
「大丈夫だよ、心配ないから・・・『絆』は繋ぐから。
僕の方が強いんだ、恐怖の『絆』だよ、逆らうとどうなるかちゃんと教える」
「恐怖でがんじがらめに縛り付ける事を家族の『絆』とは言わない、その根本的な心違いを正さなければお前の欲しいものは手に入らないぞ!!」
「鬱陶しい大声出さないでくれる?合わないね、君とは・・・」
「二人は渡さない!」
「こいつと小生が守る!」
「本当に鬱陶しいな・・・いいよ、殺して奪るから」
「俺が先にお前の頸を斬る」
「威勢がいいね・・・できるものならやってごらん」
そういうと累は髪で隠れていた左目を見せた。
「十二鬼月の僕に勝てるならね?」
累の左目には『下伍』という文字がある。
「あれは・・・」
炭治郎は響凱を見た、今は傷を受けているが右目には『下陸』という文字がある。
「そうだ、小僧・・・累は下弦の鬼だ」
十二鬼月というのは鬼舞辻無惨によって鬼の才能を開花され、能力を気に入られた鬼たちである。
最も能力の高いものとして『上弦の壱』から始まり、下には『下弦の陸』まで称号がある。