第14話 大切な人のためなら
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「霧香さんと響凱の絆こそ『信頼』だ!お前らの絆とは違う!
何度だって言ってやる、お前たちの絆は偽物だ!!」
炭治郎は日輪刀を構えて霧香と響凱の前に庇うように立つ。
「『信頼』?人間と鬼が?
『喰われる者』と『喰う者』、弱肉強食・・・人間は弱者だ、そんな奴らに縋るなんて・・・響凱、元十二鬼月のくせに恥知らずだな。
あの珠世とかいう女は『逃れ者』だがお前は『痴れ者』だよ、僕たち鬼の面汚しさ」
「小生は・・・」
「響凱、後悔していないなら迷うな」
霧香は累を睨みつける。
「鬼は元々は人間、響凱は鬼になっても人間の心を失っていなかっただけ。
確かに響凱も今まで人を喰らい、生き永らえ、力を付けて来た、でもそれは人間だった時に叶えられなかったことを果たそうとしたから。
私が響凱に初めて出会った時も鼓の音を通して『己の心の叫び』を伝えようしていた。
自分の意志を強く持ち続け、誰かに伝えた響凱を私は『恥知らず』だとは思わない。
たとえその『叫び』を受け取り、助けたのが『人間』であっても・・・私は己の心の見失わなかった響凱を『強い』と思う
やり方は間違えていたけれど、これから償うこともできる、だからこそ家族に迎えた。
私の前で響凱を貶すことは『私の家族を貶す』のも同然、絶対に許せない!」
「『許せない』だって・・・別にお前に許してもらおうとは思ってないよ、どうせ死んでもらうんだから。
響凱もあの方を裏切った報いだ、朝日に照らして跡形もなくボロボロにしてあげるよ」
累が『キュルッ』と指に糸を絡める。
「それからそこのお前」
累は炭治郎へ声を変える。
「さっき僕に言った言葉を取り消せ、取り消さないなら、うんとズタズタにした後で刻んでやる。
もし取り消すなら一息に殺してあげるよ・・・痛いのが嫌なら、僕に言ったさっきの言葉を取り消せ」
「取り消さない!俺の言ったことは間違っていない!!『絆』を勘違いしているのはお前だ!おかしいのはお前だ!」
炭治郎が駆け出す。
「・・・・」
累が糸を放つが避ける。
〈わかる!!刺激臭も薄まってきたから糸の匂いもわかる!〉
ぐんぐん迫る炭治郎。
〈思ったより頭の回る奴だ、恐怖に怯まない・・・まあ、関係ないけどね〉
また糸をけしかける累。
「水の呼吸・壱の型―――『水面斬り』!」
炭治郎が糸を斬ろうとした時・・・。
バキンッ!
「!?」
「「!」」
炭治郎の刀が折れた、正確には糸で断ち切られた。
「炭治郎、しゃがんで!」
「!」
間一髪姿勢を低くしたおかげで顔に薄く傷がつくだけで済んだ。
しかし、炭治郎の日輪刀が折れてしまった。これでは累の首は切れない。
そもそも累の操る糸はこれほど強度で鋭いものなのか・・・。
〈すみません、鱗滝さん、鋼鐵塚さん・・・俺が未熟なせいで刀が折れてしまった・・・〉
「炭治郎!後悔は後でしなさい!」
「!」
「雪の呼吸・肆の型―――『氷華(ひょうか)』!」
一瞬で間合いを詰めた霧香が糸を冷気で切断する。
「今、別のことを考えていたら確実に死ぬ・・・後悔はあいつを倒してからにしなさい!」
「は、はい・・・」
しかしどうすればいいのだ。
霧香は糸を切断する術を持っていたとしても自分には無理だ、切れないならば間合いの内側に入るのが一番いい。
だが、生憎と累の蜘蛛の糸は生きているかのように動く、この攻撃を潜り抜けるのは難しいだろう。もしかしたら霧香を巻き込んでしまうかもしれない。
それに大前提に累はまだ本気を出していない、今の状況は『遊ばれている』のだ、これ以上力を出されては、確実に殺される。
「炭治郎!」
「!」
言ってる傍から糸の攻撃だ。
「くっ!」
ポンッ!!
ザンッザンッ!
響凱が血鬼術で糸を切断する。
「響凱・・・お前、邪魔するの?」
「霧香は死なせはしない!霧香が大事にするものは小生が守る!」
「ふーん・・・ずいぶん飼い慣らされたね、でも君の鼓を叩く速度は僕のあやとりについて来れるかな?
糸っていうのは多ければ多いほど・・・厄介なものなんだよ」
「「!」」
気づけば周囲には糸の籠ができている。
「さあ、響凱・・・お前の大切なご主人様をどうやって助ける?」
ギュルッ!!
糸の籠が迫ってくる。