第13話 家族
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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〈どういうこと?〉
そう思って男鬼が降って来た上を見た琴乃は青ざめる。
「伊之助くん、あそこ・・・木の枝の所を見て」
「木の枝?」
伊之助も見上げた、そこには先ほど自分たちが戦っていた男鬼の皮が残されている。
「あ、なんじゃありゃああ!?」
「脱皮・・・私たちを殺すためにあいつは脱皮したんだわ」
「そんなことが・・・」
フシュウウウウ・・・
なんという圧だろうか、今までで鬼からこれほどの圧を感じたことはない。
伊之助は『勝てない』と思った、自分は殺される、死ぬのだと・・・。
「伊之助くん」
「!」
棍棒を構えながら琴乃が前に立つ。
「炭治郎が言ったじゃない、『死ぬな』って約束破って良いの?
それに藤の花の家紋の屋敷のお婆さんも言ってたじゃない、『どんな時でも誇り高く生ききてください』って、このまま死んだら悔いはない?」
「・・・いや、ありまくりだっ!負けねえ、俺は絶対に負けねぇ!!」
伊之助は日輪刀を男鬼に向ける。
「俺は鬼殺隊の嘴平伊之助だ!かかってきやがれ、ゴミクソがァ!!」
すぐに鬼の拳が伊之助に命中する。
〈速いッ!見えねえ!!〉
続けて殴りつけようとする、ところが・・・。
ギリギリギリ・・・
琴乃が棍棒で受け止めて免れる。
「伊之助くん、頸を!」
「おう!」
伊之助は飛び上がった。
「獣の呼吸・参の牙――・・・『喰い裂き(くいざき)』!」
後頭部から頸を狙う、ところが脱皮したため強度が増したのか伊之助の日輪刀が両方とも折れてしまった。
ドギャッ!
伊之助は男鬼の裏拳で吹っ飛び、木に体を打ち付ける。
「伊之助くんっ!きゃあっ!!」
琴乃が意識が逸れた隙に腹部に一撃喰らってしまう。
伊之助は呼吸が乱れて受け身を取り損ねた、そこに間髪入れずに首を男鬼の大きな手で鷲掴みにされる。
「ぐっ・・・おっ・・」
「俺の家族に・・・近づく、なあああ―――っ!!」
メキッメキッメキッ!
嫌な音が伊之助の首から聞こえる、これでは首の骨が折れてしまう。
「俺は死なねええええっ!!
獣の呼吸・壱の牙―――『穿ち抜き(うがちぬき)』!!」
折れた刀身のまま男鬼の喉に突き刺す、しかし硬いため刀が動かせない。
男鬼の指が喉に食い込む。
『ごめんね――、ごめんね、伊之助』
頸椎を握り潰される直前の一瞬伊之助は走馬灯を見た。
炭治郎、善逸、藤の花の屋敷の老婆、琴乃、霧香、アカリ―――、そして崖の上から涙を流しながら自分をみつめる女性。
「ゴフッ・・・」
その光景を最後に伊之助は血を吐いて気を失った。
「その子を放しなさい」
「!」
「鋼の呼吸・参の型――『斬り羽(きりばね)』」
「ギャアアアァァ!!」
伊之助を掴んでいた腕が切断される。
「ようやく見えてきたわ・・・あなたの体の『斬れる場所』が・・・」
鳩尾を赤く染めた琴乃が仕込み刃を出した状態の日輪刀を構えている。
「グルルル・・・」
「さっきから『俺の家族に近づくな』って言ってるわね、じゃあ私からも一言言わせてもらうわ」
ギャキン!
「私の仲間に手を上げてんじゃないわよ」
〈全集中・・・〉
琴乃は飛び上がった。
「鋼の呼吸・肆の型――『三日月(みかづき)』!」
斬撃が頸から胸部にかけて振り下ろされた。