第13話 家族
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「霧香っ・・・」
雪華紋の羽織に血が滲む。
「大丈夫か!しっかりしろっ!」
響凱は必死に呼びかける。
「だい・・じょ・・ぶ」
飛びかかった時に距離があいたので深手にはならなかったのだろう、時間をかけずに霧香の返事が返ってくる。
「お前・・・どういうつもりだ?そいつは鬼だぜ?鬼殺隊の剣士が『鬼』を庇うのか?」
「響凱は家族だ・・・悪鬼じゃない・・」
「は?」
隊員は鼻で笑う。
「馬鹿なのか?鬼に善も悪もあるかよ!
『鬼』はただのバケモンだ、人間を襲い、食い殺す、それだけをして生き延びている化け物なんだよ!!
『家族』?鬼が人間の家族になんざなれるわけねーだろ、笑わせんな!!」
「なれる!鬼だって元は人間、心を取り戻せば家族にだってなれる!!
現に・・・響凱は私の家族だ!誰が何と言おうと家族だ!たとえどれだけの人間が否定をしようと私だけは響凱を想う!」
「話にならねぇな、いい加減その鬼を・・・」
言いかけた時、隊員も体がバラバラになった。
「つっ・・・!」
何が起きたのかわからなかった。
「お前、響凱・・・?」
バラバラになった隊員の後ろから少年が近付いてくる、無惨にも隊員の屍を踏みつけながら・・・。
「累か?」
「お前、何のつもり?人間と家族になるなんて・・・」
「小生が『何を求めていたのか』を霧香は思い出させてくれたのだ!だから小生は鬼ではあるが霧香のためにともにあると誓ったのだ!」
「これがお前のいう絆?」
炭治郎を見る累。
その雰囲気は先ほどの無関心なものではなく、怒りを露にしている。
空気も重く濃くなっている・・・炭治郎は寒気を感じた。
「そうだ、霧香さんと響凱の絆こそ『信頼』だ!お前らの絆とは違う!
何度だって言ってやる、お前たちの絆は偽物だ!!」
――――――――――――――――
「伊之助くん・・・生きてる?」
「あったり前だ!」
その頃、男鬼を相手にしていた琴乃と伊之助は刃が通らない相手のため苦戦をしていた。
隠れるというのが情けないところだが、太刀の通らない相手を斬るにはどうすれば良いのか模索しているのだ、もっとも伊之助は頭を使うのが苦手なのだが・・・。
「とにかく、アイツが戻るまで何とか・・・」
そう口にした時、伊之助はハッとした。
〈『アイツが戻るまで』?
なんじゃああ、その考え方ァ!!ふざけんじゃねーぞォ!!〉
いつの間にか炭治郎の帰還を待っている自分に気が付いた。
「俺らしくもねぇ!!クソがァ―――!!」
「え!?ちょっと伊之助くん!?」
「豚太郎の菌に汚染されたぜ!!危ねえ所だったァァ!!」
そのまま飛び上がり、斬りかかる。
「『考える俺』なんて俺じゃねぇぇぇ!!!」
ギシッ・・・ギャリィンッ!!
「オラアァァ―――!!」
一刀を男鬼の腕に食い込ませ、もう片方を喰い込ませた刀の上から叩いて押し込む。
「しゃァァ!!斬れたァァ!!
簡単なことなんだよ!一本で斬れないならその刀をブッ叩いて斬ればいいんだよ!
だって俺、刀二本持ってるもん!ウハハッ!最強!!」
「凄い荒技だけど・・・結果良ければってところかしら」
ハラハラしながら見ていた琴乃も一安心だ。
ところが意外なことに男鬼が逃げ出した。
「え?」
「は?何逃げてんだァァ、ゴラァァ!!」
二人は追いかけるが途中で見失ってしまう。
「くっそォ、あの野郎、どこまで行きやがった!?」
「でも近くにいるはずよ・・・呼吸が近いわ」
「イギイイ!もうっ、ウギイィ!」
「っ!危ない!」
「うおっ!」
すると上から何かが降って来た。
フシュウウウウゥゥゥ――・・・・
それはあの男鬼だった、しかし風貌がちがう。
体は先ほどより一層大きくなり、顔つきも異なっている。