第13話 家族
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「いいいっ!!」
伊之助に『死ぬな』と告げたは良いものの自分のことを考えていなかった炭治郎。
〈いかんっ・・・伊之助にあんな風に言ったけど、俺の方を考えていなかった!!〉
今の態勢では受け身は取りづらい。
「!」
すると急に体への風圧がなくなった、どうやら誰かが受けとめてくれたらしい。
「炭治郎!」
着地すると霧香がいた。
「霧香さん、どうやってここに・・・・」
「刺激臭の強い方へ向かっていたら炭治郎が飛んでくるのが見えたから、響凱に助けるように頼んだの」
炭治郎が振り向くとあの鼓の鬼がいる。
「お前は・・・屋敷で霧香といた小僧だな」
響凱も覚えていたようだ。
「霧香さん、これは・・・どういうとですか?」
「・・・・・」
「あの屋敷で確かに『この鬼は倒した』って言いましたよね?」
炭治郎は詰め寄る。
「言ったっけ?」
「は?」
「私はあの時『人を喰っていた悪鬼の響凱はいなくなった』って言ったんだよ、倒したなんて一言も言ってない」
「ええ―――っ!?」
「この響凱は鬼だけど私と陰陽術で契約を交わした使役鬼、もう人を食べたりはしない」
「し、使役鬼?何ですか?それ」
「うーん、今説明するべきか・・・」
「してください、じゃないと納得できません!!」
駄々っ子のように食い気味に聞いてくる炭治郎と頭をかいている霧香だが少女の叫び声にピタリと動きを止める。
「キャアアアッ!」
振り向けば少女が顔を覆って蹲っている、覆っている手は血まみれだ。
「何見てるの?見世物じゃないんだけど・・・」
そして少女の前には炭治郎たちの見たあの少年がいる。
ギュルッ・・・
少年が指に纏わせている蜘蛛の糸をあやとりのようにして引き結ぶ。
「な、何をしているんだ・・・仲間じゃないのか!?」
「『仲間』?そんな薄っぺらいものと同じにするな」
少年は炭治郎を睨む。
「僕らは『家族』だ、強い絆で結ばれているんだ、それにこれは僕と姉さんの問題だよ」
少女が覆っていた顔を晒す、顔にはいくつもの傷跡が・・・。
「余計な口出しをするなら刻むから」
「家族も仲間も強い絆で結ばれていれば、どちらも同じように尊い!
血の繋がりがなければ薄っぺらいなんてことはない!!」
炭治郎は真正面から否定した。
「それに強い絆で結ばれている者は『信頼の匂い』がする!
でも・・・お前たちからは『恐怖』と『憎しみ』と『嫌悪』の匂いしかしない!
こんなもの絆とは言わない!紛い物・・・偽物だ!」
『偽物』という言葉に少女の肩が震えた。
「お!ちょうどいいくらいの鬼がいるじゃねーか!」
そこへ生き残っていた隊員が現れた。
「こんなガキの鬼なら俺でも殺れるぜ」
隊員が刀を抜く。
「そっちのデカいのもいいな、力は強そうだが動きが鈍そうだ」
「誰だ?何なんだ!?」
炭治郎は急な展開についていけない。
「ひっこんでろ、俺はな、安全に出世したいんだよ。
出世すりゃあ上から支給される金も多くなるからな、隊はほとんど全滅したが、とりあえず俺はそこそこの鬼を一匹二匹倒して下山するぜ・・・まずは、そうだな・・・そっちのデカいのにするぜ!!」
「!?」
隊員が響凱に斬りかかる。
ザシュッ!
「「!」」
「・・・・・」
「!?」
ポタ・・ポタ・・
「何してんだ・・・お前!」
「・・・・・っ」
隊員が霧香に怒鳴る。
斬りかかった時、霧香が飛び出して来て響凱に覆いかぶさった。
隊員が斬ったのは霧香の背中だった。