第12話 那田蜘蛛山
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「伊之助くん、それは後回しよ!」
「ふざけんな!あの野郎!俺のことを『クソ猪』って言ったんだぞ!」
「だとしても今は本体が優先!」
振りほどこうにも琴乃の力は強く、伊之助が暴れても無理だ。
「チクショーッ!!戻ってきたら絶対に殴るからなっ!!」
「うるせぇ!!さっさと行けよ!!」
村田の怒声を浴びながら走って行く四人。
伊之助の触覚を頼りに本体の方へ迫る。
「駄目・・・・」
「「「「!」」」」
すると女性隊員が立ちふさがる。
「こっちに来ないで・・・もっと階級が上の人を連れてきて!!
そうじゃないと・・・みんな殺してしまう!!」
女性隊員の足元には操られて殺めてしまった仲間の亡骸がある。
「ウフフフ・・・私に近づけば近づくほど、糸は太く強くなり、お人形も強くなるのよ」
キリキリキリ―――・・・
隊員たちを操っている女性が愉快そうに微笑んでいる。
「母さん・・・」
「!?」
振り向くと先ほど炭治郎たちの前に現れた少年がいる。
「る、累・・・」
「勝てるよね?」
少年に対して女性は怯えている。
「勝てるよね?母さん・・・ちょっと時間がかかり過ぎじゃない?
早くしないと、父さんに言いつけるよ?」
「!」
『父さんに言いつける』という言葉に恐怖が増した女性。
「大丈夫よ!!母さんはやれるわ!!必ず、あなたを守るから!!
だから・・・父さんには言わないで!止めて、お願い!!」
「・・・・だったら早くしてよ、早く始末しないと本当に言いつけるからね」
そう言って『累』と呼ばれた少年は消えた。
「う・・・ううう!!」
女性は操り糸を握り締める。
「死ね!死ね!さっさと死ね!!でないと、私がひどい目に遭う!!」
――――――――――――――――
クン・・・
「つっ!逃げてぇ!!」
体が引っ張られたのを感じた女性隊員が叫ぶ。
「操られてるから動きが全然違うのよ!!」
ビュンビュンッと刀を振り回す。
「私たちこんなに強くなかった!!」
ビキッビキッ――
「ああああッ!!」
腕が変な方向に曲がり、骨が軋む嫌な音が響く。
「糸で無理矢理動かされてるから骨が折れてもお構いなしだ・・・ひどい!!」
「炭治郎!」
「!」
後ろからも隊員が迫っていた、彼らも糸で雁字搦めにされていて腕や足があり得ない方向に曲がっている者もいる。
「こ、殺してくれ・・・手足も・・骨が、内臓に刺さっているんだ・・・。
動かされると激痛で耐えられない・・・どの道、もう死ぬんだ・・・トドメを、刺してくれ・・・!!」
「よし、わかった!!」
「駄目だ、伊之助!何とか助ける方法を!」
「アアアア――――!お前うるせぇ!!本人が『トドメを刺せ』って言ってんだ!
それにこいつら速ぇからもたもたしてたらこっちがやられるぞ!!」
「考えるから、もう少し待ってくれ!」
「『考える』って、相手は待ってくれないんだよ!」
「わかってます、霧香さん!でも殺したりなんてできません!」
炭治郎は攻撃を避けながら考える。
仲間なので技は使いたくない、しかし糸は切ってもまた子蜘蛛たちが紡いで繋ぐ。