第11話 命より大事なもの
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「よいしょっと・・・」
六人は刀や荷物を置いて各々寛ぐ。
「しかし、何なんだろう・・・この屋敷」
「このお屋敷は過去に鬼狩りに命を助けてもらった一族のもので恩返しっていうのかな・・・鬼殺隊や五大呪術家の人たちに無償で尽くしてくれるんだよ」
霧香の答えに納得はするものの『?』が浮かぶ炭治郎。
「この間の鼓の屋敷でも思ったんですけど・・・霧香さんの生家の『ごだいじゅじゅつけ』って一体何ですか?」
「ああ、まだきちんと説明はしてなかったね。
私と琴乃、アカリは平安時代から『人ならざる者』―――・・・『鬼』を退治してきた一族なんだよ。
五大呪術家は五つの流派に分かれ、各々、陰陽術の五行の属性を持ち、『悪鬼は滅し、生命を救う』ために何をすべきかを実践している」
「へえ――・・・」
「私も『藤の花の屋敷』のことは実家の書庫にあった歴代の陰陽師たちの本を読んだくらいの知識しかなかったから、来たのは今日が初めて」
「でも・・・すごい、堂々としてますよね。最終選別でもそうでしたけど・・・」
「あ~、闘い方がってこと?」
「はい」
「そりゃあ、炭治郎よりも刀の稽古してるんだもん。肝は多少据わるよ、師匠からも私が何歳から呼吸や剣の稽古してるのか聞いてるでしょ?」
「聞いてます、俺・・・もっとしっかりしないといけないですね」
「炭治郎は炭治郎でいればいいよ、剣は時間をかけるものだから」
落ち込んでいる炭治郎の頭をポンポンと優しく撫でる霧香。
「お医者様が参りました」
タイミング良く、老婆が医者を連れて来たので診察をしてもらった六人、結果―――・・・。
「男ども全員、肋を折ってるなんてね」
*善逸が二本、炭治郎が三本、伊之助が四本
布団に寝かされた三人を見てアカリがため息をついた。
ちなみに霧香、琴乃、アカリは打撲と切り傷が数か所だった。
「でも、骨折したままでよく歩けたわね~?炭治郎くんは前の任務から骨折して完治せずに来たんでしょ?」
「はい、応急処置はしてもらったですが・・・」
「よくあの屋敷の鬼を倒せたわね」
「それは霧香さんが・・・」
「「霧香?」」
振り向かれたので苦笑いをする霧香。
「まあ、その話は今度ね。今は完治に専念しよう」
そして六人は療養のため、しばらく藤の花の屋敷に留まることになった。
「それはそうと伊之助くん、善逸くんに謝ったの?」
「あ?」
「『あ?』じゃないでしょう?仲間同士なのにボコボコにしたんだから、善逸くんの負傷はある意味、あなたが殴った影響もあるのよ?」
「そうだ!そうだ!謝れっ!」
琴乃の説教に善逸も乗っかる。
「断る」
「謝りなさい」
「断る」
「謝るんだ!伊之助!俺も頭突きしたことは謝るから!この通り、すまなかった!」
「ね?炭治郎くんは謝ったんだからあなたも善逸くんに謝りなさい」
「断る」
その後も『謝りなさい』、『断る』の押し問答は続いた。
それからも滞在中、伊之助は頭突きの仕返しをしたくて炭治郎の食べ物を奪ったり、寝床を奪ったりと挑発するものの全く効果がない。
〈こいつ・・・完全に箱の事忘れてるだろ?
ふざけんなよ、この野郎ッ・・・そんなすぐどうでもよくなるなら何で俺の事ボカスカボカスカ叩くまくったんだよ!馬鹿!!まつ毛!!〉
伊之助の態度にイライラしている善逸だったが、あることを思い出した。
「なあ、炭治郎・・・誰も聞かないから俺が聞くけどさ、鬼を連れているのはどういうことなんだ?」
「つっ・・・!善逸、分かってて庇ってくれたんだな・・・本当にいい奴だな、ありがとう」
「おまっ!そんな褒めても仕方ねぇぞ!うふふ!」
照れて畳を転げ回る善逸。
「善逸、キモい!うるさい!消えて!」
「ひどい!ひどいよ!アカリ!!最後の言葉一番ひどい!!」
「はいはい、そこまで・・・炭治郎くん、私たちも薄々気づいてはいたんだけどあの箱の中にいるの鬼こと、説明してほしいな」
ケンカになりそうな二人を止めた琴乃が先を促そうとすると箱がカタカタと音を立てる。