第11話 命より大事なもの
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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「嫌だあァァァ―――!!正一くんは強いんだ!!俺は正一くんに守ってもらうんだ!!」
鬼を倒したのは自分なのに気絶していて覚えていない善逸は『正一が倒した』と思い込んでいた。
任務を終えて山を下ることになったが善逸は正一を放そうとしない。
「正一くんは嫌がっているだろう!!」
炭治郎の手刀によって気絶させられる善逸。
「清くん」
「手を出して」
「?」
霧香は紫の巾着袋を渡した。
「この匂い袋には藤の花の香が入っている」
「藤の花?」
「鬼が嫌う匂いなの、魔除けになるし、弟や妹のことも守ってくれる・・・肌身離さずに持っていて」
「はい」
清は匂い袋を受け取ると懐に仕舞った。
「皆さま、本当にありがとうございました、家までは自分たちで帰れます」
「うん、気を付けてね」
三兄妹を見送っていると・・・。
「カアァ―――!ツイテ来イ!コノ私ニ!!」
「来テ!来テ!コッチコッチ!!」
松衛門と牡丹がまた誘導してくるので炭治郎たちと華陽隊は山道を登って行った。
「そうか、伊之助も山育ちなんだな」
「お前と一緒にすんなよ、俺は親も兄弟もいねぇぜ!!他の生き物との力比べだけが俺の唯一の楽しみだ!!」
「そうか、そうか・・・」
伊之助の境遇に涙ぐんでいる。
伊之助の話では鬼殺隊の隊員が自分の住む山に来たので力比べをして刀を奪った、その時、最終選別のことや鬼の存在について聞き出したそうだ。
しかし、伊之助の扱う呼吸は我流で『育手』に弟子入りすることなく、選別参加の後、生き残り鬼殺隊へ入ったそうだ。
「俺は必ず隙を見てお前に勝つぞ!」
「俺は『竈門炭治郎』だ!『お前』という名前じゃない!」
「かまぼこ権八郎!!お前に勝つ!!」
「かまぼこ・・・?」
「権八郎・・・?」
霧香と琴乃が首を傾げる。
「誰だ、それは!!」
「お前だ!!」
「全然違う人だ!」
どうやら伊之助は正しく人の名前を覚えられないようだ。
――――――――――――――――
六人が案内された場所は『藤の花の家紋』の屋敷だった。
「どこココ?」
「カアァ―――!『藤ノ花ノ家紋』ノ屋敷!鬼殺隊ノ隊士ガ疲弊シタ時ニ休ム場所!」
「休息!休息!負傷ニツキ完治スルマデ休息セヨ!」
「え?休んで良いのか?俺、今回怪我したまま鬼と闘ったんだけど・・・」
「ケケケケッ」
「『ケケケケッ』って・・・」
「まあ、とりあえず中に入れてもらおうよ」
霧香が扉を叩く。
「はい・・・」
すると小柄な老婆が出てきた。
「ぎゃあっ!!お化けだっ!」
ゴツン!!
善逸にげんこつを落とすアカリとそれを無言で眺める一同。
「コホン・・・失礼いたしました、夜分遅くに申し訳ありません」
「いいえ、鬼狩り様でございますね」
「え?」
「隊服を着ていらっしゃいますのですぐにわかります、さあ、お入り下さいませ」
老婆は、ススス――ッと歩き出す。
屋敷の中に案内されると・・・。
「お食事でございます」
「お布団でございます」
食事と寝床が用意されている。
「妖怪だ!あのお婆さん、妖怪だ!速いもん、異様に速いもん!妖怪婆・・・」
ごちんっ!
ついに炭治郎のげんこつも落ちた。
「すみません、騒々しくて・・・」
「いいえ、今、お医者様を連れて参りますので・・・皆さま、お荷物を置かれて寛いでくださいませ」
食事と寝床とは別の部屋に案内した後、老婆は医者を呼びに行った。