第11話 命より大事なもの
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この小説の夢小説設定鬼滅の刃のIFストーリー(もちろん二次創作)
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霧香が響凱に使役術を施す少し前のこと・・・。
「あら、そっちも片付いたの?」
「琴乃」
お互い鬼を倒して合流した二人。
「早いわね」
「当然でしょ!実力よ!じ・つ・りょ・く!」
「はいはい、善逸くんたちが心配だわ、早く合流しましょ」
「え?あ、ちょっと待ちなさいよ!」
軽く自分の『実力宣言』をスルーして走りだした琴乃を追いかけるアカリ。
「それにしても分かりにくい屋敷ね!同じ道をぐるぐる回っている気がするわ!」
「そうね~、でも人間と鬼の匂いが分からないわけじゃないでしょ?」
「当たり前でしょう!こっちよ!」
自分たちは『見えるもの』だけで判断しているのではない、五感を使っているのだ。
走っていると聞き覚えのある声がする。
「炭治郎~、霧香さ~ん、琴乃さ~ん、アカリ~、どこだよォ!!返事してくれよォ!」
「(ピキッ・・・)」
<スパアァ―――ンッ!!</span>
善逸はいきなり襖が開いたので振り向くと自分が探していた人のうち二人が立っている。
「あ・・・うわ~っははは――んっ!!琴乃さーん!アカリー!!ようやく見つけ・・・<<span style="font-size:20px;">ぐはっ!?」
「『さん』をつけろって言ってんでしょ!私、姉弟子よ!年下だけど姉弟子よ!自分より上の兄弟弟子は敬えっての!!」
アカリの蹴りが見事に善逸の顔面にヒットした。
「正一くん、怪我はない?」
「はい」
「そう、よかった。善逸くんがキチンと守ってくれたみたいね~」
「あ、はい・・・」
何やら歯切れが悪いので何があったのか聞いてみると・・・。
「え?善逸くんて寝てるうちに性格変わるの?」
「みたいです」
「あら~・・・」
聞けば善逸と一緒に妹や炭治郎たち、琴乃たちを探しているとき鬼に遭遇したという。
善逸は怖がってばかりで情けないと感じていたが鬼が『お前たちをこんな風に喰ってやる』と生々しい説明をしたとき善逸がいきなり気を失ってしまったんだそうな。
しかし、気を失ったかと思いきや次の瞬間には自分たちを喰おうとしていた鬼の舌を斬り飛ばし、頸を刎ねていたんだとか・・・。
〈緊張とかいろいろ張りつめていたものが切れたのかしら?でも、まあ・・・無事なだけいいか〉
そして琴乃はギャイギャイ騒いでいる二人をそれぞれの襟首を掴んで引き剥がした。
「ねえ、ケンカはそれくらいにして早く霧香と炭治郎くんたち探しましょ」
かりてきた猫状態の二人。
「・・・・」
正一はこんな細い女性のどこからこんな力が出るのかと不思議だったが、善逸と二人だけよりはマシだ。
「さあ、早く行くわ・・・よ?」
その時だ、フワッと体が浮いたのは・・・。
「屋敷が・・・!」
「また回転してるっ―――!!」
四人は襖を何枚もブチ破って落ちていく、そのうち部屋が明るくなった。
「あれは―――・・・」
スパァ――――ンッ!!
ドサッドサッドサッ!!
四人は投げ出された。
「いたたっ・・・ってここ、外?」
「運よく出られたのね、よかったわ~」
「善逸さんっ!善逸さんっ!」
〈〈『良く』はないか・・・〉〉
どうやら正一を庇ったはいいもの着地に失敗した善逸が気を失ったらしい。
「正一くん、無理に動かしたら駄目よ、頭打ってるかもしれないし」
「あ、はい」
善逸の体を揺さぶっている正一を制す琴乃だが、次の瞬間、善逸の顔にアカリが水をぶっかけた。
「え?」
「アカリさん・・・?」
「頭打ったぐらいじゃ死なないわよ、善逸は雷に撃たれても死ななかったんだから」
「え?」
「それ本当の話?」
「本当よ、究極に『悪運』だけは強いのよ!」
〈雷に撃たれたら普通死ぬわよね・・・〉
屋敷に入る前までは冗談半分に言っていた琴乃だった『本当に何があっても死なないのでは?』と思い始めて来た。